【④ケーススタディ7:空き家・空きビルの福祉転用】福祉へ転用する際の3つの注意点 vol.781

こんにちは💚 介護ラボのkanaです。今日は「福祉住環境」の中から『ケーススタディ7:空き家・空きビルの福祉転用』について5回に分けて書いていきます。今回は4回目になります。

「建築基準法」上の用途に関する注意点

Contents

1.ケーススタディ7:福祉転用の3つの注意点
 1⃣「建築基準法」上の用途に関する注意点
 ◉特殊建築物に分類される建築物の用途(表)
 2⃣用途変更の建築確認申請に関する注意点
 3⃣既存不適格に関する注意点

1.福祉転用の3つの注意点

現在、全国各地で使われなくなってしまっている空き家が急増しています。このような貴重な地域資源を福祉用途に転用することは、高齢者や障害者の生活環境の改善に大きな期待が出来ます。

しかし、福祉転用は簡単なことではなく、多くな課題が存在します。そこで、福祉転用の概要や実際の進め方についてまとめていきます!!

5回に分けて書いていきますが…全体の流れとして、

  • ①福祉転用とは
  • ②福祉転用の条件
  • ③福祉転用の実例
  • ④福祉転用の注意点
  • ⑤福祉転用のあるべき姿

となっています。

良かったら、

から見ていただけると、流れがわかりやすくなると思います。

今回は、「④福祉転用の注意点」について書いていきます。

1⃣「建築基準法」上の用途に関する注意点

まず、最も注意を要することは「建築基準法」の用途に関することで、建築基準法ではそれぞれの下記の表(特殊建物に分類される建築物)にある通り、用途別に細かい規定があります。

そのため、建設しようとしている建物が、下記の表に示す用途のうち、どれに該当するのかは、最終的には建築確認申請を提出する行政機関等の判断に委ねられ、全国一律ではありません。

◉特殊建築物に分類される建築物の用途

【建物の用途:区分1】
・劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場など

【建物の用途:区分2】
・病院、診療所(患者の収容施設があるもの)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎など

【建物の用途:区分3】
・学校、体育館など

【建物の用途:区分4】
・百貨店、マーケット、展示場、カフェ、キャバレー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場など

【建物の用途:区分5】
・倉庫など

【建物の用途:区分6】
・自動車車庫、自動車修理工場など

※「建築基準表」別途第一に基づく区分

特に、認知症高齢者グループホーム・障害者グループホームの用途について、一般的には「寄宿舎」とすることが多いですが、ごくまれに「児童福祉施設等」とする自治体もあります。

その場合、耐火規定が厳しくなり、既存の木造住宅を転用することは極めて厳しくなります。

2⃣用途変更の建築確認申請に関する注意点

特殊建築物ではない建物を、特殊建築物に用途変更し、また用途変更に該当する部分の面積が200㎡を超える場合は、建物確認申請を行わなければなりません。

建物確認申請を提出する際には、転用しようとする建物が建築当時の法規に適合していることが前提となりますが、これを証明するためには、建築時の「検査済証及び副本(建築確認申請許可時の図面、構造計算書等)」が必要になります。

しかし、建築から時間が経過した建物の場合、「検査済証」が散逸してしまい、容易に入手できないこともあります。

このような場合は、その建物が建築当時の法規に適合しているのか調査を行い、適合していない部分がある場合には改修を行って、適合させたことを行政機関に報告してはじめて、建築確認申請を提出することが出来ます。

この調査は、壁体内の柱など構造部材を全て確認する必要があり、かなりコストが必要となるので、「検査済証」等の書類がない建物を転用しようとする際には慎重な検討が必要になります。

3⃣既存不適格に関する注意点

「既存不適格」とは、建設当時は「建築基準法」の基準に適合していた建物が、その後の「建築基準法」が改正され基準が厳しくなったため、現状での基準には適合していない状態を意味します。

既存不適格であっても、用途変更のみで一切の改修を行わない場合は問題ありませんが、増改築を行い、また増改築部分の面積が建物の面積の半分以上の場合は、原則として建物全体を現行法規に合致することが求められます。

既存不適格のうち、最も対応が難しいものが耐震基準になります。

特に、1979年(昭和54年)の宮城沖地震を踏まえて行われた1981年(昭和56年)6月の「建築基準法」改正では、耐震基準が大きく見直されました(1981年6月以降の耐震基準を一般的に「新耐震基準」と呼びます)。

この新耐震基準で確認申請を行っていれば耐震性能について概ね問題はないといえますが、そうでない場合は十分な耐震性能を満たしていないことが予測され、耐震補強が必要となる可能性が高くなります。

既存不適格状態にある建築物の取り扱いについては、近年建築ストックの有効活用の面から、規制が合理化・緩和されています。

状況は現在でも変化しつつありますが、利用者の安全と生命を守るためには、基準への適合は極めて重要な要素で、設計者・行政機関等との十分な相談・検討が必要になります。

今回はここまで。次回は 「⑤福祉転用のあるべき姿」について書いていきます。よかったら見に来てください。

ケーススタディ

他の『ケーススタディ』記事はこちらから・・・
【①ケーススタディ1:住宅編】脳性麻痺のある子どもがいる家族の転居 vol.748
【②ケーススタディ1:住宅編(脳性麻痺のある子ども)】課題の検討・3つのリフト案 vol.749
【③ケーススタディ1:住宅編(脳性麻痺のある子ども)】リフト設置計画における3つの配慮 vol.750
【④ケーススタディ1:住宅編(脳性麻痺のある子ども)】リフト設置後の2つの課題と3つの変化 vol.751
【❶ケーススタディ2:障害者の転居先の改修】築45年の戸建住宅からマンションへ vol.752
【❷ケーススタディ2:障害者の転居先の改修】プランニングのポイント vol.753
【❸ケーススタディ2:障害者の転居先の改修】制度の利用(日常生活用具給付等事業) vol.754
【❹ケーススタディ2:障害者の転居先の改修】改修の6つの問題点 vol.755
【❺ケーススタディ2:障害者の転居先の改修】工事結果の7つの評価 vol.756
【①ケーススタディ3:脳梗塞による障害を持つ高齢者の住宅改修】ヒアリングで課題の整理 vol.757
【②ケーススタディ3:脳梗塞による障害を持つ高齢者の住宅改修】4つの課題と対応策 vol.758
【③ケーススタディ3:脳梗塞による障害を持つ高齢者の住宅改修】介護保険制度の利用 vol.759
【④ケーススタディ3:脳梗塞による障害を持つ高齢者の住宅改修】今後のフォローアップ vol.760
【❶ケーススタディ4:重度身体障害者・グループホームの開設】3つの課題 vol.761
【❷ケーススタディ4:重度身体障害者・グループホームの開設】東京都の設備基準 vol.762
【❸ケーススタディ4:重度身体障害者・グループホームの開設】入居者・設計士の選定 vol.763
【❹ケーススタディ4:重度身体障害者・グループホームの開設】設計に求めた3つの要望 vol.764
【❺ケーススタディ4:重度身体障害者・グループホームの開設】資金計画(設備資金/内訳) vol.765
【❻ケーススタディ4:重度身体障害者・グループホームの開設】ヘルパーの確保と食事の課題 vol.766
【❼ケーススタディ4:重度身体障害者・グループホームの開設】開設までのスケジュール vol.767
【①ケーススタディ5:地域密着型・有料老人ホームの開設】対象ケースの概要 vol.768
【②ケーススタディ5:地域密着型・有料老人ホームの開設】住民主導の福祉 vol.769
【③ケーススタディ5:地域密着型・有料老人ホームの開設】通所介護事業の開設 vol.770
【④ケーススタディ5:地域密着型・有料老人ホームの開設】住民から土地の提供を受ける vol.771
【⑤ケーススタディ5:地域密着型・有料老人ホームの開設】「風の丘」の機能や特徴 vol.772
【⑥ケーススタディ5:地域密着型・有料老人ホームの開設】活動を継続するためには? vol.773
【❶ケーススタディ6:地域共生社会】介護予防・住民主体の支え合い vol.774

気になるワードがありましたら、下記の「ワード」若しくは、サイドバー(携帯スマホは最下部)に「サイト内検索」があります。良かったらキーワード検索してみて下さい(^▽^)/

ADL QOL ケーススタディ コミュニケーション チームマネジメント バリアフリー ブログについて ユニバーサルデザイン 介護の法律や制度 介護サービス 介護予防 介護保険 介護福祉士 介護福祉職 他職種 住環境整備 入浴 入浴の介護 医行為 喀痰吸引 地域包括ケアシステム 多職種 尊厳 感染症 支援 施設 権利擁護 社会保障 福祉コミュニティ 福祉住環境 福祉住環境コーディネーター 福祉住環境整備 福祉用具 経管栄養 老化 脳性麻痺 自立支援 視覚障害 認知症 誤嚥性肺炎 障害について 障害者 障害者総合支援制度 食事 高齢者


人気ブログランキング

にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村

に参加しています。よかったら応援お願いします💛

Twitterのフォローよろしくお願いします🥺





Follow me!