【②肢体不自由】身体的特性と障害の原因となる疾患 vol.73

こんにちは 介護ラボ・kanalogのカナです。

昨日【①肢体不自由(運動機能障害)】脊髄損傷レベルと介助方法 vol.72 に引き続き「肢体不自由」について。

今日と明日、全3回で書いていく予定です。

身体的特性と原因疾患の理解、脳性麻痺の分類について

Contents

1.肢体不自由・身体的特性の理解
(1)麻痺
(2)感覚障害
(3)拘縮
(4)四肢欠損(切断)
2.障害の原因となる主な疾患の理解
 ❶脳性麻痺
 (脳性麻痺の分類)
 ❷脳血管障害
 (脳血管障害の代表的な後遺症)
 ❸脊髄損傷
 ❹脊髄小脳変性症
 ❺筋ジストロフィー
 ❻四肢切断

1.肢体不自由・身体的特性の理解

(1)麻痺

麻痺は神経または筋肉組織の損傷、疾病等により、筋肉の随意的な運動機能が低下または消失した状態のことで、

  • 完全麻痺
  • 不完全麻痺

に分けられます。さらに、部位別に、

  • 単麻痺(四肢の一肢の麻痺)
  • 片麻痺(左右どちらかの片側の麻痺)
  • 対麻痺(両下肢が麻痺)
  • 四肢麻痺(首から下の麻痺

に分けられます。

麻痺の種類

完全麻痺⇒運動機能と感覚機能が完全になくなっている状態
不完全麻痺⇒運動機能や感覚機能が少し残っている状態

「片麻痺」
脳血管障害及び脳の腫瘍や外傷で見られ、病変の反対側の身体に麻痺が出現します。四肢や体幹の麻痺に加え、顔面(頬・口唇・舌)の麻痺により、発声や発語、咀嚼や嚥下機能も低下します。脳血管障害の急性期では弛緩性麻痺をあらわし、回復と共に関節が拘縮することがあります。

「単麻痺」
大脳皮質運動野の病変や脊髄・神経筋接合部の損傷で起こり、大脳皮質の病変では反対側の上肢あるいは下肢のみの麻痺になります

「対麻痺」「四肢麻痺」
脊髄損傷で見られます。頚髄損傷や脳幹部の出血では広範囲の体幹麻痺を伴います

(2)感覚障害

感覚障害は、何らかの原因で末梢神経が障害され感覚機能が低下する事です。

  • 手足がしびれる
  • 感覚が鈍い
  • 温度や痛みが分かりにくい

など、リハビリテーションを行っても改善されにくい後遺症です。

褥瘡、手指・足趾(足の指)のこわばり、浮腫等も起こりやすくなります。

(3)拘縮

関節や結合組織(筋・腱・関節包など)が短縮した状態で、筋・腱などが弾力を失い、他動的伸長によっても正常の長さにならず、関節が硬くなっている状態です。

(4)四肢欠損(切断)

何らかの原因によって四肢が欠損した状態です。

切断時の本人の健康状態によって予後は異なり、その後の回復過程にも個人差がみられます。

2.障害の原因となる主な疾患の理解

 ❶脳性麻痺

脳性麻痺は、妊娠中から生後4週までに起きた脳損傷による運動麻痺で、

  • 胎児・新生児仮死
  • 核黄疸
  • 出生後の脳炎や髄膜炎
  • 脳血管障害

等が原因で起こります。

また妊娠中の母体が「風疹感染」「薬物や薬物中毒」なども原因となり、胎児に影響が出ます。

早産時では正期産時より脳性麻痺の発症リスクが高いとされています。

脳性麻痺の分類(【麻痺部位】・運動機能障害①~③・その他の障害)

痙直型・固縮型(割合・70%)【四肢麻痺・対麻痺】
①緊張が強くなる
痙性(ジャックナイフ現象)や固縮が起こる
③上肢は屈曲内転気味、下肢は伸展気味となる(ウェルニッケ・マン姿勢
・斜視やその他の視覚障害
・痙攣発作
・嚥下障害
・知的障害

アテトーゼ型(割合・20%)【四肢麻痺】
①興奮や運動により過緊張と低緊張を繰り返す
②姿勢が不安定で、協調運動が妨げられる
③音や刺激で筋緊張が強くなる
・重度な発語困難
・核黄疸の場合は、難聴や視線を上に向けにくくなる

運動失調(割合・5%)【四肢麻痺・片麻痺】
①協調運動障害による筋力低下、物に手を伸ばすと振戦が起きる
②素早い動きや細かい動きが困難となる
③両足を広げた不安定な歩行になる

混合型
上記の2つが複合したもの
・重度の知的障害

※痙性:他動的に動かす際、はじめは抵抗があるのに突然減弱するもの
※固縮:抵抗が弱まらず一定であるもの
※ウェルニッケ・マン姿勢:下肢を進展して肘関節、手関節、指関節を屈曲してを握りしめた姿勢。下肢が交差して歩くはさみ足歩行や、つま先立ち歩行がみられる。

 ❷脳血管障害

脳血管障害は、脳出血や脳梗塞により起こる脳の病変です。

病気の反対側に運動や感覚障害を起こし、片麻痺となります。病変が運動野の広範囲の場合や脳幹部に近いほど麻痺の程度は重くなり、生命の危険性も高く、寝たきりにもなりやすくなります。高次脳機能障害や認知症を併発することもあります

脳血管障害の後遺症(右脳障害)

脳血管障害の代表的な後遺症(右脳障害の場合)
・麻痺 ⇒ 左片麻痺
・言語障害 ⇒ 無
・空間認識障害 ⇒ 有
・身体失認 ⇒ 有
・感情のコントロールが困難 ⇒ 有
・その他高次脳機能障害 ⇒ 有

脳血管障害の後遺症(左脳障害)

脳血管障害の代表的な後遺症(左脳障害の場合)
・麻痺 ⇒ 右片麻痺
・言語障害 ⇒ 有
・空間認識障害 ⇒ 無
・身体失認 ⇒ 無
・感情のコントロールが困難 ⇒ 有
・その他高次脳機能障害 ⇒ 有

麻痺側は筋の萎縮から代謝が低下するため、体温が低下し健側との体温差が起こります。

発汗量も減少し体温調整は概ね健側で行われます。

体幹の片側も機能低下が生じるため、呼吸・消化・排泄系への影響も異なります。このような後遺症から肺炎、誤嚥、便秘や失禁が起こりやすい状態になります。

 ❸脊髄損傷

交通事故や労働災害などでの外傷、日常での転倒や打撲、悪性腫瘍等により、損傷した脊髄より下位に機能障害が起こります。受傷した部位から下方へ中枢神経からの刺激が伝達されないため、四肢の機能低下以外にも全身症状を起こします。

老化現象に伴い身体が脆弱化することで、軽微な転倒などによる脊髄損傷を起こす高齢者の割合が増えつつあります

脊髄損傷では対麻痺や四肢麻痺が起こり、さらに頚髄損傷では上肢や手指の機能が低下するため、筆記や食事、自動車の運転等に自助具や専用の装置が必要になります。

受傷後長期間が経過しても、麻痺の四肢に不快感を生じることがありますが、この感覚は周囲には理解されにくく、睡眠や休息を阻害する因子となります

脊髄損傷では自律神経も阻害されます。麻痺の部位は体温調整機能が低下し発汗量が減少し、健常な部位でしか体温調整が出来なくなります。麻痺の程度により発汗や熱の放散量が変わるため、気温や体温の上昇でうつ熱となります。健常部分は発汗量が増えて皮膚の自浄作用が活発になるため汚染が目立ちます。

排泄では尿意や便意を感じられず、畜尿(畜便)や排尿(排便)のコントロールができないなど、排尿・排便障害が起こります。

 ❹脊髄小脳変性症

脊髄小脳変性症

脊髄小脳変性症とは?
運動失調を主症状とする神経疾患で、小脳および脳幹から脊髄にかけての神経細胞の破壊や消失があります。
難病や介護保険の特定疾病にも指定され、孤発型と遺伝型に分けられます。
・孤発型:全体の3分の2
・遺伝側:全体の3分の1

オリーブ橋小脳萎縮症は孤発型で、おもに40~60歳代で発症します。下肢の運動失調による歩行障害と構音障害、上肢の運動失調、パーキンソン症状が出現します。自律神経症状を伴い、発症後、多くは5~8年で車いす利用、寝たきり状態となります。

遺伝性は顕性遺伝が多いとされます。運動失調や痙性対麻痺が起こります。痙性対麻痺はゆっくりと進行します。

※運動失調:起立や歩行時のふらつき、手がうまく使えない、しゃべる時に口や舌がもつれるなどの症状。

 ❺筋ジストロフィー

筋ジストロフィーは、筋肉が徐々に変性し萎縮していく病気で、遺伝性慢性進行性の疾患です。

原因や治療法がなく、進行を止められない難病の1つです。

デュシェンヌ型が最も多い形になります。男子にのみみられ、通常3歳、4歳頃に歩行、階段昇降、立ち上がり困難となり、やがて歩行不能となり車いすの生活となります。

 ❻四肢切断

交通事故や労働災害、悪性腫瘍や凍傷、動脈硬化などの循環障害で上肢や下肢が体幹から、手指や足趾が四肢から切り離された状態です。

部位は、上腕や前腕、大腿や下腿部、手指や足趾の末梢となります。

急性期は壊死、筋肉・腱の機能障害、感染、切断端の幻肢痛、断端神経腫が起こります。創部の治癒が困難で退院時以降にもおよぶ例では、感染予防に注意します。

幻肢痛は長期に渡ることもあり、切断した下肢の筋力低下や精神的な不安などから持続するケースもあります。

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