【①ケーススタディ7:空き家・空きビルの福祉転用】福祉転用が注目を集めている理由 vol.778

こんにちは💚 介護ラボのkanaです。今日は「福祉住環境」の中から『ケーススタディ7:空き家・空きビルの福祉転用』について5回に分けて書いていきます。今回は1回目になります。

福祉転用の難しさ

Contents

1.ケーススタディ7:福祉転用とは
 1⃣空き家・空きビルの福祉転用の概略
 2⃣福祉転用が注目を集めている理由
 3⃣福祉移転の難しさ

1.福祉転用とは

現在、全国各地で使われなくなってしまっている空き家が急増しています。このような貴重な地域資源を福祉用途に転用することは、高齢者や障害者の生活環境の改善に大きな期待が出来ます。

しかし、福祉転用は簡単なことではなく、多くな課題が存在します。そこで、福祉転用の概要や実際の進め方についてまとめていきます!!

5回に分けて書いていきますが…全体の流れとして、

  • ①福祉転用とは
  • ②福祉転用の条件
  • ③福祉転用の実例
  • ④福祉転用の注意点
  • ⑤福祉転用のあるべき姿

となっています。

今回は、「①福祉転用とは」について書いていきます。

1⃣空き家・空きビルの福祉転用の概略

現在、住宅に占める空き家の割合が急激に増加しています。

その原因として、戦後大量に建設された住宅や団地が、住み手の高齢化による転居や死亡などにより使われなくなったことが指摘されています。

空き家・空きビルの福祉転用とは、そのような「使われていないがまだ十分に使用できる」建物を、福祉用途に転用して使おうとするものです。

これまで日本では、原則として1つの建物の用途は1つに限れらてきました。

そのため、建物自体が寿命に達していなくても、用途が寿命を迎えると建物は使われなくなり、取り壊されることが多くなります。その典型が、少子化によって使われなくなった学校などです。

そのような、1つの用途の寿命に達してしまった建物を、福祉用途に転用して、出来る限り利用しようとする試みが、「空き家・空きビルの福祉転用」であり、近年大きな注目を集めています。

2⃣福祉転用が注目を集めている理由

なぜ、既存建物の福祉転用が注目を集めているのでしょうか? それには、いくつかの理由があります。

まず、新築に比べ福祉転用は、イニシャルコストが大幅に抑えられるという利点があります。

最近はNPO法人など、比較的小規模な法人によってきめ細やかなサービスが展開される傾向が強まっていますが、その最も大きなハードルとなるのがイニシャルコストですが、既存建物を利用することによってそのハードルを大きく下げることが出来ます。

次に転用した建物の「なじみやすさ」が挙げられます。

特に住居系の施設の場合、新築建物にはどうしても「施設的」な雰囲気が生じてしまい、入居者が環境になじむことが難しい場合が多くなります。

それに対し、例えば住宅をグループホームなどに転用した場合を考えると、住宅として既に生活が営まれてきた建物は、入居者とってもそれまでの生活とさほど変わることのないなじみやすい環境を提供することが出来ます。

なじみやすさとは、入居者にとってだけでなく、地域にとっても重要になります。

突然近所に新しい建物が建つことは、その近所でずっと暮らしてきた人にとっては違和感や驚きを覚えることも多くあります。

既存建物を福祉転用することによって、このような違和感をなるべく軽減し、地域の人に新たな施設を受け入れやすくする、それも福祉転用の重要な効用の1つになります。

地域にとって受け入れやすいということは、施設を地域に「開く」ことにもつながります。

福祉施設を新築する際は、「地域開放スペース」などをつくり、地域に「開く」ことを意識することが一般的になっています。しかし、突然見知らぬ建物や事業者に地域の人が関わることは簡単なことではありません。

それが、今まで目にしてきた建物であればどうでしょうか?

ちょっと覗いてみて、「ここは何をしているんですか?」と聞いてみることは難しいことではありません。

地域との関わりが極めて重要な福祉施設で、自然と地域に「開いた」環境を実現することができる、それが福祉転用になります。

3⃣福祉移転の難しさ

福祉転用は、コスト的にも環境的にも、優れた手法といえます。しかし、実際に福祉転用を行うことは簡単ではなく、多くの場合は極めて難しくなります。

その理由には、まず法規的な問題があります。

もともと福祉用途として建てられたものではない建物を福祉用途として使用する場合、

  • 「建築基準法」
  • 「消防法」
  • 「バリアフリー法」

などが求める基準に合わせる必要があります。

環境面では、段差や階段など、福祉用途として利用する場合に大きなバリアとなる要素を解決しなければなりません。

今回はここまで。次回は、福祉転用を行う上で把握しておかなければならない 「②福祉転用の条件」について概略を書いていきます。よかったら見に来てください。

ケーススタディ

他の『ケーススタディ』記事はこちらから・・・
【①ケーススタディ1:住宅編】脳性麻痺のある子どもがいる家族の転居 vol.748
【②ケーススタディ1:住宅編(脳性麻痺のある子ども)】課題の検討・3つのリフト案 vol.749
【③ケーススタディ1:住宅編(脳性麻痺のある子ども)】リフト設置計画における3つの配慮 vol.750
【④ケーススタディ1:住宅編(脳性麻痺のある子ども)】リフト設置後の2つの課題と3つの変化 vol.751
【❶ケーススタディ2:障害者の転居先の改修】築45年の戸建住宅からマンションへ vol.752
【❷ケーススタディ2:障害者の転居先の改修】プランニングのポイント vol.753
【❸ケーススタディ2:障害者の転居先の改修】制度の利用(日常生活用具給付等事業) vol.754
【❹ケーススタディ2:障害者の転居先の改修】改修の6つの問題点 vol.755
【❺ケーススタディ2:障害者の転居先の改修】工事結果の7つの評価 vol.756
【①ケーススタディ3:脳梗塞による障害を持つ高齢者の住宅改修】ヒアリングで課題の整理 vol.757
【②ケーススタディ3:脳梗塞による障害を持つ高齢者の住宅改修】4つの課題と対応策 vol.758
【③ケーススタディ3:脳梗塞による障害を持つ高齢者の住宅改修】介護保険制度の利用 vol.759
【④ケーススタディ3:脳梗塞による障害を持つ高齢者の住宅改修】今後のフォローアップ vol.760
【❶ケーススタディ4:重度身体障害者・グループホームの開設】3つの課題 vol.761
【❷ケーススタディ4:重度身体障害者・グループホームの開設】東京都の設備基準 vol.762
【❸ケーススタディ4:重度身体障害者・グループホームの開設】入居者・設計士の選定 vol.763
【❹ケーススタディ4:重度身体障害者・グループホームの開設】設計に求めた3つの要望 vol.764
【❺ケーススタディ4:重度身体障害者・グループホームの開設】資金計画(設備資金/内訳) vol.765
【❻ケーススタディ4:重度身体障害者・グループホームの開設】ヘルパーの確保と食事の課題 vol.766
【❼ケーススタディ4:重度身体障害者・グループホームの開設】開設までのスケジュール vol.767
【①ケーススタディ5:地域密着型・有料老人ホームの開設】対象ケースの概要 vol.768
【②ケーススタディ5:地域密着型・有料老人ホームの開設】住民主導の福祉 vol.769
【③ケーススタディ5:地域密着型・有料老人ホームの開設】通所介護事業の開設 vol.770
【④ケーススタディ5:地域密着型・有料老人ホームの開設】住民から土地の提供を受ける vol.771
【⑤ケーススタディ5:地域密着型・有料老人ホームの開設】「風の丘」の機能や特徴 vol.772
【⑥ケーススタディ5:地域密着型・有料老人ホームの開設】活動を継続するためには? vol.773
【❶ケーススタディ6:地域共生社会】介護予防・住民主体の支え合い vol.774

気になるワードがありましたら、下記の「ワード」若しくは、サイドバー(携帯スマホは最下部)に「サイト内検索」があります。良かったらキーワード検索してみて下さい(^▽^)/

ADL QOL ケーススタディ コミュニケーション チームマネジメント バリアフリー ブログについて ユニバーサルデザイン 介護の法律や制度 介護サービス 介護予防 介護保険 介護福祉士 介護福祉職 他職種 住環境整備 入浴 入浴の介護 医行為 喀痰吸引 地域包括ケアシステム 多職種 尊厳 感染症 支援 施設 権利擁護 社会保障 福祉コミュニティ 福祉住環境 福祉住環境コーディネーター 福祉住環境整備 福祉用具 経管栄養 老化 脳性麻痺 自立支援 視覚障害 認知症 誤嚥性肺炎 障害について 障害者 障害者総合支援制度 食事 高齢者


人気ブログランキング

にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村

に参加しています。よかったら応援お願いします💛

Twitterのフォローよろしくお願いします🥺





Follow me!