【②ケーススタディ1:住宅編(脳性麻痺のある子ども)】課題の検討・3つのリフト案 vol.749

こんにちは💛 介護ラボのkanaです。今日は「福祉住環境」の視点から『ケーススタディ:脳性麻痺のある子どもがいる家族の転居』について4回に分けて書いていきます。今回は2回目になります。

脱衣室の考え方

Contents

1.脳性麻痺のある子どもがいる家族の転居
 1⃣課題の検討
 ◉転居前の状況・環境
 ◉入浴介助の一連の流れ(抱きかかえ介助)
 (1)リフトプランニングのポイントと3つのプラン
 ◉リフト検討プラン1:1本レールシステムによる空間移動プラン
 ◉リフト検討プラン2:リフト本体の掛け替えによる室間移動プラン
 ◉リフト検討プラン3:シャワー用車椅子による室間移動プラン
 ◉脱衣室の考え方
 (2)選択の結果と理由

1.脳性麻痺のある子どもがいる家族の転居

今回は、事例として「脳性麻痺のある子どもがいる家族の転居」について書いていきます。

全体の流れとして、

  • 1⃣対象Aさんのケース概要
  • 2⃣課題の把握
  • 3⃣課題の検討
  • 4⃣課題への対応
  • 5⃣評価と新たな課題
  • 6⃣まとめ

となっています。前回は「1⃣対象Aさんのケース概要」「2⃣課題の把握」について書いていきました。そして、今回は「3⃣課題の検討」について書いていきます。

良かったら、前回の「【①ケーススタディ:住宅編】脳性麻痺のある子どもがいる家族の転居 vol.748」から見ていただけると、流れがわかりやすくなると思います。

◉Aさんの概要
・性別:女性
・年齢:11歳
・身長・体重:135cm、15kg
・疾患:脳性麻痺
・障害:四肢麻痺(痙直型)
・身体障害者手帳:1級(両上肢機能障害、体幹機能障害、言語機能障害)
・日常生活動作:全介助
・移動方法:屋外は介助用車いす、室内は座位保持装置、抱きかかえ介助
・家族構成:父(30歳代・会社員)、母(30歳代・専業主婦)、姉(11歳・小学生)

1⃣課題の検討

介助用のリフトは、車椅子からベッドへ乗り移る移乗の時や、浴室の洗い場から浴室に入る時など、主に移乗時の負担を軽減するための福祉用具なります

今回は、Aさんの実情を踏まえたリフトの導入に関するプランニングのポイントとプランの選定結果、理由について書いていきます。

◉転居前の状況・環境

転居前の住居環境は下記の通りになります。

  • 居住形態:賃貸/共同住宅
  • 居住面積:約62㎡
  • 浴室サイズ/工法:0.75坪(1216サイズ)/ユニットバス
  • 扉使用/幅:折戸/61cm
  • 浴槽の縁高さ/深さ:54cm/56cm
  • 浴室出入口段差(外/内):20cm/13cm
  • 脱衣室有効面積:約0.8㎡(67cm×120cm)
  • 福祉用具:入浴用椅子・バスマット
  • 寝室状況:布団
◉入浴介助の一連の流れ(抱きかかえ介助)

前回も書きましたが、入浴介助の一連の流れ(抱きかかえ介助)は下記の通りになります。

  • 【寝室】❶床から抱き上げる
  • 【脱衣室】抱きかかえ介助で通過
  • 【洗い場】❷入浴用椅子へ下ろし洗体
  •      ❸入浴用椅子から抱き上げる
  • 【浴槽】❹抱きかかえたまま浴槽をまたぎ入浴
  •     ❺抱きかかえたまま浴槽から出る
  • 【洗い場】❻入浴用椅子へ下ろす
  •      ❼入浴椅子から抱き上げる
  • 【脱衣所】❽床に下ろし体を拭く
  •      ❾床から抱き上げる
  • 【寝室】❿床に下ろす

(1)リフトプランニングのポイントと3つのプラン

Aさんの場合は、寝室から浴室までの連続した入浴動作の流れの中で介助がしやすいリフトの設置計画が求められました。

福祉住環境コーディネーターのBさんは、これらの条件を整理し、下記のリフトの設置プランを3案提案しました。

各プランに共通して配慮したところは、新築時に設置するリフトであるため、リフトの支柱はできる限り見えないようにし、天井面や壁面にはあらかじめ補強を入れておくことです。

  • ①リフト検討プラン1:1本レールシステムによる空間移動プラン
  • ②リフト検討プラン2:リフト本体の掛け替えによる室間移動プラン
  • ③リフト検討プラン3:シャワー用車椅子による室間移動プラン

次項で、それぞれの利点や注意事項についてまとめていきます。

◉リフト検討プラン1:1本レールシステムによる空間移動プラン

寝室から浴室までの天井高を一定にし、1本レールシステムの天井走行式リフトで空間移動を行います。

◉プラン1:1本レールシステムによる空間移動プランの利点と注意事項
【利点】
・寝室から浴室までの移動がスムーズに行える
・リフト操作全体の手順が少なく、比較的手間がかからない

【注意事項】
・リフトの昇降位置が限定されやすい
・各室の天井高を一定にそろえる必要がある(ユニットバスでの設置は難しい)
・天井までの建具が必要になり、鴨居部分はリフトが通るように特殊加工が必要になる
◉リフト検討プラン2:リフト本体の掛け替えによる室間移動プラン

各室にリフトのレールのみを設置し、天井走行式リフト本体の掛け替えで室間移動を行います。リフトは使い勝手に応じて1本レールシステムやXYレールシステムを設置します。

◉リフト検討プラン3:シャワー用車椅子による室間移動プラン
◉プラン2: リフト本体の掛け替えによる室間移動プラン
【利点】
・一般的な建具多使える(鴨居部分の特殊加工をしなくてもよい)
・室間の天井高が異なっていても設置できる

【注意事項】
・掛け替えの移動に手間がかかる
・空間の天井高の差が大きい場所等で掛け替え移動をすると、吊られた人の足先が床に接触する場合がある

各室にリフトを設置し、シャワー用車椅子で室間移動を行います。リフトは使い勝手に応じて天井走行式や据置式、固定式を設置します。

◉プラン3: シャワー用車椅子による室間移動プラン
【利点】
・一般的な建具が使える(顔委部分の特殊加工をしなくてもよい)
・移乗場所以外にレールがないため見た目がシンプルになる

【注意事項】
・各室ごとにリフトが必要になり、吊り負の着脱回数である移乗回数が増える
・シャワー用車椅子等で移動するため、同線上に段差がないことが前提となる
◉脱衣室の考え方

シャワー用車椅子を使って寝室から浴室まで移動する場合、シャワー用車椅子が水に濡れると入浴後の移動の際に、シートの布地や車輪等に残っている水滴が廊下や寝室に落ちて床が濡れます。

床が濡れることを最小限にとどめるためには、脱衣室から本人のみを吊り上げて浴室に移動できるリフトを検討することが望ましいです。

(2)選択の結果と理由

3つのプランの利点や注意事項を説明した結果、母親は、冬場など入浴前後にAさんが風邪をひかないようにするため、なるべくリフト操作の手間が最小限で済み、各室間のシフト移動がスムーズに行えるプラン①を選択しました。

また、シャワー用車椅子など、これ以上部屋の中に用具を増やしたくないという理由と、新築のためインテリアとなるべく調和し、見た目も比較的シンプルであるということも希望していたことがわかりました。

今回はここまで。次回は、 「 4⃣課題への対応 」を書いていきます。良かったら見に来てください!

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