【①ケーススタディ1:住宅編】脳性麻痺のある子どもがいる家族の転居 vol.748

こんにちは💛 介護ラボのkanaです。今日は「福祉住環境」の視点から『ケーススタディ:脳性麻痺のある子どもがいる家族の転居』について4回に分けて書いていきます。今回は1回目になります。

課題の把握

Contents

1.脳性麻痺のある子どもがいる家族の転居
 1⃣対象Aさんのケース概要
 2⃣課題の把握
 (1)課題:入浴時の抱きかかえ介助
 (2)評価:リフト

1.脳性麻痺のある子どもがいる家族の転居

今回は、事例として「脳性麻痺のある子どもがいる家族の転居」について書いていきます。

全体の流れとして、

  • 1⃣対象Aさんのケース概要
  • 2⃣課題の把握
  • 3⃣課題の検討
  • 4⃣課題への対応
  • 5⃣評価と新たな課題
  • 6⃣まとめ

となっています。今回は「1⃣対象Aさんのケース概要」「2⃣課題の把握」について書いていきます。

1⃣対象Aさんのケース概要

障害のある子どもを持つ親が、体格の小さい時期と同じ介助をしようとしても、子どもの成長と自身の高齢化という時間的変化によって介助負担は増大していきます。

福祉住環境コーディネーターが、こうした課題をつぶさに分析し、それに対応するものとして介助用のリフト導入に至るプロセスを示し、そのことによる家族の生活の変化などが紹介されている事例になります。

◉Aさんの概要
・性別:女性
・年齢:11歳
・身長・体重:135cm、15kg
・疾患:脳性麻痺
・障害:四肢麻痺(痙直型)
・身体障害者手帳:1級(両上肢機能障害、体幹機能障害、言語機能障害)
・日常生活動作:全介助
・移動方法:屋外は介助用車いす、室内は座位保持装置、抱きかかえ介助
・家族構成:父(30歳代・会社員)、母(30歳代・専業主婦)、姉(11歳・小学生)

Y市在住のAさんは11歳の女の子である。脳性麻痺による痙直型の四肢麻痺であり、重度の知的障害がある。

ADL(日常生活動作)は全介助の状態。家の中では座位保持装置場や床上で過ごすことが多く、特別支援学校へ通学するときなどの外出時は、介助用車いすを使用している。

表情は豊かであり、好き嫌いなどの意思伝達およびコミュニケーションの多くは、彼女の表情を読み取ることで対応ができる。

世帯構成は、Aさんと30歳代の両親、双子の姉との4人家族である。

会社員の父親は、土曜日と日曜日が休みの勤務体制であり、平日は残業が多く22時前後の帰宅が日常的である。

母親は専業主婦。双子の姉は地域の小学校の普通学級に通っている。

賃貸の集合住宅の1階に居住しており、間取りは3LDK、床面積は約62㎡である。

母親は腰痛を患っており、Aさんを介助しやすい新築住宅への転居を希望していた。そこで、母親は友人である福祉住環境コーディネーターのBさんに、新築時の住環境整備について相談をした。

2⃣課題の把握

Aさんの母親は、住み慣れた現在の集合住宅付近で土地を探しており、新聞の折り込み広告等の中に気に入った間取りがあると切り抜いて保管をしていた。また、福祉機器に関する展示会にも積極的に参加しており、特にここ1年ぐらいは新築に向けて情報収集を熱心に行っている様子であった。

転居の相談を受けたBさんは、まず母親の介助方法を具体的に把握するために、家庭訪問を行いました。

そして、特に負担が大きいという入浴介助について、Aさんの母親から詳しくヒアリングを実施しました。

(1)課題:入浴時の抱きかかえ介助

福祉住環境コーディネーターのBさんは、入浴介助の一連の流れを確認する必要があると考え、服を着た状態でAさんの入浴介助を母親に実施してもらいました。

その結果、母親がAさんを床や入浴用椅子から抱き上げたり、下ろしたりする介助が計10回あることがわかりました。

さらに母親の介助方法をよく観察すると、Aさんを抱きながら浴室のドアを通過するときは、Aさんの頭や足が壁や扉に当たらないように自分の背中を反らせたり、体の向きを変えたりする動作がみられました。

また、0.75坪の狭い浴室の洗い場内に入浴用いすを置いているため、洗体時も母親は中腰で介助することになり、親子ともほとんど身動きが取れない状態でした。

入浴後はAさんの濡れた体を拭くために、1度脱衣室のバスマットが敷いてある床に移動させていました。

しかし、脱衣室は非常に狭いため、脱衣室の扉を開けて廊下部分を使ってAさんを床に寝かせることになります。この時母親は、Aさんが風邪をひかないように非常に急いでいるといいます。

母親はもちろんお風呂上がりの濡れた状態でAさんの体を拭いています。そして、そのままAさんをバスタオルに包み、床から抱きかかえ、小走りで約6m離れた寝室まで移動するのです。

最後に寝室でAさんの体や頭をしっかりとタオルでふき取り、パジャマを着せます。その後母親は浴室に戻り自分の体を拭き、床に落ちた水滴を拭きとりながら寝室に戻り、Aさんの髪の毛をドライヤーで乾かして、入浴介助は終了となります。

このように入浴の状況を詳細に確認することができ、Bさんは、腰痛に影響を及ぼしていると推測できる抱きかかえ介助の問題をどのように考えていくのかが、今回のプランの最重要課題となることを認識しました。

(2)評価:リフト

母親は福祉機器の展示会で情報を得た介助用リフトに高い関心を示していました。しかし、Aさんは3年前に股関節を脱臼しており、主治医からは無理な姿勢をとらなければリフトを利用しても問題ないという意見はもらっていたものの、どのような吊り具がAさんに適しているのかわからずに不安でした。

また、展示会では人が多いため、Aさんをリフトに乗せて体験したことは1度もありませんでした。

そのような背景を知った福祉住環境コーディネーターのBさんは、Y市内の福祉機器センターにてリフトの体験及び相談を母親に勧めました。

福祉機器センターの見学には、Aさんと母親、そしてその日のために会社を休んだ父親も同席しました。まずは、福祉機器センターのPT(理学療法士)とともに、Aさんの体に合った吊り具を検討することから始め、その後複数のリフトを体験しました。

Aさんんはリフトに15分くらい吊られていましたが、痛みや恐怖感はありませんでした。

PTからは、「筋緊張が亢進しており、右膝伸展筋が強く、関節可動域としてはリフトの姿勢が取れる範囲である」との評価結果を得ました。

福祉機器センターのPTは、Aさんの身体機能に適合し吊り具を2種類選定しました。

  • 選定❶: W社製の脚分離のハイバック型(頭部まで支持できるタイプ)の吊り具
  • 選定❷:シャワー用車椅子の椅子部分が車輪部分と分離するタイプの吊り具

これらの評価結果をもとに、Bさんは新築時に計画するリフトの設置について選択肢を整理して母親に説明しました。

今回はここまで。次回は、 「3⃣課題の検討」「4⃣課題への対応」を書いていきます。良かったら見に来てください!

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