【③ケーススタディ1:住宅編(脳性麻痺のある子ども)】リフト設置計画における3つの配慮 vol.750

こんにちは💛 介護ラボのkanaです。今日は「福祉住環境」の視点から『ケーススタディ:脳性麻痺のある子どもがいる家族の転居』について4回に分けて書いていきます。今回は3回目になります。

制度の利用、見積もり金額

Contents

1.脳性麻痺のある子どもがいる家族の転居
 1⃣課題への対応
 (1)建築会社、リフトメーカー代理店への指示
 ◉リフトの走行範囲
 ◉リフトの断面図について
 ◉リフト設置計画における3つの配慮
 ◉転居後の環境 ・入浴介助の一連の流れ(リフト介助)
 (2)制度の利用、見積もり金額

1.脳性麻痺のある子どもがいる家族の転居

今回は、事例として「脳性麻痺のある子どもがいる家族の転居」について書いていきます。

全体の流れとして、

  • 1⃣対象Aさんのケース概要
  • 2⃣課題の把握
  • 3⃣課題の検討
  • 4⃣課題への対応
  • 5⃣評価と新たな課題
  • 6⃣まとめ

となっています。前々回は「1⃣対象Aさんのケース概要」「2⃣課題の把握」について、前回は「3⃣課題の検討」そして今回は「4⃣課題への対応」、について書いていきます。

良かったら、

から見ていただけると、流れがわかりやすくなると思います。

◉Aさんの概要
・性別:女性
・年齢:11歳
・身長・体重:135cm、15kg
・疾患:脳性麻痺
・障害:四肢麻痺(痙直型)
・身体障害者手帳:1級(両上肢機能障害、体幹機能障害、言語機能障害)
・日常生活動作:全介助
・移動方法:屋外は介助用車いす、室内は座位保持装置、抱きかかえ介助
・家族構成:父(30歳代・会社員)、母(30歳代・専業主婦)、姉(11歳・小学生)

1⃣課題への対応

(1)建築会社、リフトメーカー代理店への指示

前回、Aさんの両親は、プラン①の「1本レールシステムによる空間移動プラン」を選択しました。

その後、福祉機器センターで相談し、約3か月後、自宅付近に土地を見つけることができたAさんの両親は、さっそく建築会社と打ち合わせを行いました。

福祉住環境コーディネーターのBさんがあらかじめプランを整理していたため、建築会社との相談は非常にスムーズに行えました。

後日、建築会社が作成した図面をもとに、再度福祉住環境コーディネーターのBさんと福祉機器センターを訪れました。

その時には、建築会社とリフトメーカー代理店及び市役所のケースワーカーが同席しました。

福祉住環境コーディネーターのBさんは、建築会社及びリフトメーカー代理店の担当者、Aさんの両親と打ち合わせをしながら、リフトの具体的な設置位置を決めました。

◉リフトの走行範囲

1本レールシステムの場合、リフトのレールは固定されるため、レールの位置は詳細に検討する必要があります。

具体的には、扉など狭い部分を通過するときには、開口の中心を確実に通るようにし、扉の鴨居部分の上枠は、リフトのレールを通す加工が必要であるため特注仕様となります。

また、浴槽の中心に確実にリフトの昇降ができるようにレールの位置を決める必要があります。

浴槽レールの位置は、座位が安定している高齢者等の場合は、浴槽の背側から約300~400mm程度の位置で昇降できるように配置するのが使いやすいといわれていますが、子どもの場合などは、浴槽内に入浴用椅子を置くことも想定されるので、リフトの昇降位置は浴槽の中央にしたほうが汎用性は高いと考えられます。

◉リフトの断面図について

リフトを計画する場合には、平面計画だけではなく、展開図など、高さ関係がわかる図面の検討も必須になります。

福祉機器センターでの評価では、リフトの吊元からAさんの臀部までの長さを測り、その寸法をもとにリフトを使って浴槽やベッド、車椅子などへ適切に移乗できるかどうかを確認します。

特に、浴室の天井高が低い場合は、吊られている人の臀部が浴槽の縁を超えないと入浴できないため、正確な採寸及び寸法の確認が必要となります。

◉リフト設置計画における3つの配慮

リフト設置計画と並行して、新築時に配慮した点は以下の3つになります。

  • ❶寝室に電動ベッド(特殊寝台:介護ベッド)を導入
  • ❷Aさんの生活同線上の建具はすべて引き戸として計画
  • ❸玄関アプローチのスロープ勾配は1/8.5と、敷地形状との関係で急勾配になったため、将来を見越してリビングから段差解消機を使って外出できるプランを提案

以上より、転居後の状況は下記の通りになりました。

◉転居後の環境
・居住形態:持ち家/戸建住宅
・居住面積:約65㎡(1階部分)
・浴室サイズ/工法:1.25坪(1620サイズ)/在来工法
・扉使用/幅:三枚引き戸/100cm
・浴槽の縁高さ/深さ:40cm/50cm
・浴室出入口段差(外/内):0cm/0cm
・脱衣室有効面積:約4.0㎡(165cm×240cm)
・福祉用具:リフト・入浴用椅子
・寝室状況:介護用ベッド
◉入浴介助の一連の流れ(リフト介助)
・【寝室】❶ベッドからリフトで吊り上げる
・【脱衣室】リフトで通過
・【洗い場】❷入浴用椅子へ下ろし洗体
・     ❸入浴用椅子からリフトで吊り上げる
・【浴槽】❹リフトで浴槽へ移動し入浴
・    ❺リフトで浴槽から出る
・【洗い場】吊った状態で体を拭き、バスタオルで包んで移動
・【脱衣室】リフトで通過
・【寝室】❻ベッドへ下ろす    
(2)制度の利用、見積もり金額

Aさんが住むY市は、新築時であってもリフトに対しての助成制度を利用することが可能でした。リフトについては、最大140万円の助成を受けられますが、世帯の所得状況に応じて自己負担が発生します。

【リフト見積書】
・リフト設置費用:約150万円
(助成金100万円 自己負担金約50万円)
〈内訳〉
・リフト本体:約75万円
・リフトレール:約40万円
・設置費:約20万円
・吊り具:約5万円
・運搬諸経費:約10万円

上記の通り、リフトの設置価格は約150万円であり、Aさんの父親の所得状況及び自己負担の割合を確認した結果、約100万円の助成を受けられることがわかりました。

リフトとメーカー代理店は、Y市の助成制度を活用するために、リフトの設置図面と見積書等の書類を作成し、福祉機器センターの確認を経て役所に提出しました。

今回はここまで。次回は、 「 5⃣評価と新たな課題 」について書いていきます。良かったら見に来てください!

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