こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのカナです。今回は、「生活支援」について書いていきます。
潜在能力(エンパワメント)を引き出す
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生活支援とは何か?
介護福祉職は、「人の生活」について基本的に理解する必要があります。
利用者1人ひとりの生活は、年齢や性別だけでなく、環境、考え方などによって様々です。さらに疾病や障害によって介護が必要な人は、細かい注意が必要となり生活の仕方も複雑になります。
その人の暮らしぶり、生活習慣、こだわり、価値観、感情などに関心を持ち、生活者としての利用者の姿を理解する事が大切です。介護の量の大小に関係なく、利用者が自分の生活を自分で営んでいく利用者主体の生活支援を実践できることが求められます。
生活支援は介護福祉士の専門性の1つです。
利用者1人ひとりの人生(これまで生きてきた人生、いま生き、そしてこれからさき生きていく人生)を歩み、思いに寄り添い、その人が「いい人生だった」と言って最期を迎えられるよう、利用者の生活だけでなく、人間の生命に向き合い、かかわり、ときにパートナーとなり共に歩む尊い支援です。
生活支援のポイント
生活支援を行うには、まずは利用者の全体像を理解しなければなりません。
生活を継続するためには、介護福祉職が利用者を観察して行う生活支援が、
- 利用者にとって不可欠なものであること
- 支援とは利用者1人ひとり異なるものであること
- 健康と安全の関係は深いものであること
- 利用者との信頼関係の構築のうえに適切な生活支援がなされること
であることを理解する必要があります。
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❶生活習慣・文化・価値観を尊重する
生活は、その人の生まれ育った環境の中で培われたものなので、1人ひとりに生活習慣や文化があり、それがその人の暮らし方にも影響を及ぼしています。
つまり、暮らし方は人によって違いがあるため、介護福祉職は利用者が積み重ねてきた生活習慣・生活̪史(ライフヒストリー)や文化・価値観を理解し、これまでの生活を尊重する事が大切です。
❷自立を支援する
たとえ他者からの援助が必要になっても、生活の全てに援助が必要になるとは限りません。
利用者の自分で出来る部分を専門職が観察することにより、その力を生かしながら、またその人の持てる能力を引き出しながら、「環境設備」や「福祉用具」等も活用し、自分でできることを維持・拡大できるように支援していきます。
生活の中でできることが多くなると、身体面で他者の援助の必要性が少なくなるばかりでなく、あらゆることに意欲がもてるなど、精神的な自立にも大きく影響を及ぼします。
❸安全を確保する
生活支援には様々な場面があります。
体力が低下してくると、昨日まできちんと食べられていた利用者でも飲み込みが悪くなり誤嚥をしたり、足元がふらついて転倒の危険性を伴うこともあります。
支援する時には、利用者のADL(生活日常動作)を確認し、その時の状況に合わせて常に安全に援助が出来るよう心掛けます。
❹予防的な対応をする
加齢とともに、ちょっとしたことから病気になり、長引いて病気が重度化してしまうことが多くなります。
病気は早期に発見し、2次的な障害が起こらないようにすることも重要になります。現在の状態を低下させないように常に利用者の状態を観察・把握し、積極的に予防への働きかけを行い、必要であれば医療職等に繋げていくことも大切です。
❺意欲を引き出す
利用者の出来ないところばかりに目を向けるのではなく、生活の全体像を視野に入れ、利用者の出来るところや生きがいなどに着目し、支援を受ける生活であっても主体的に自分の生活を維持できるようにします。
介護職は、生きている喜びや、もっと生きたいという「意欲」を引き出し、その人らしい、自分の存在感が実感できるような生活の実現に向けてはたらきかけます。
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❻自己決定を尊重する
生活の主体は利用者本人です。
自分の生活における行動や生き方などは、基本的に利用者が自分の意志で選択し、決定します。
介護福祉職は、利用者が自分の意志を言葉で話せなくても、表情や反応、雰囲気等などの「非言語コミュニケーション」からその人の自己選択・自己決定のサインを判断できるように、きめ細かく観察をすることが大切です。
❼社会とのかかわりをもてるようにする
人は社会の一員として生活をしています。
地域の行事などに参加し、他の人たちと交流することで社会が広がっていくと同時に、社会性を育むことは利用者のの生きる意欲に繋がります。
社会とのかかわりをもち、他者と言葉をかわすことが良い刺激になることも多いので、介護福祉職はそういう機会を創出し、利用者の社会参加を支援することが大切です。
❽変化に気付く・観察をする
適切な支援をするためには、利用者の個別性に合わせた援助が必要です。
介護福祉職は利用者の状態をアセスメントし、生活課題に沿った目標を立案し、目標に沿った援助内容・方法を組み立てて実施していきます。そのためには、専門的な視点から利用者を観察し、必要なニーズを見極めることが大切です。
また利用者は睡眠不足や食事が摂れないことなどから、体調やADL(日常生活動作)が日々変化することもあります。利用者の身近にいる介護福祉職には、その変化をいち早く察知することが求められています。
介護福祉職は常にきめ細やかな観察をし、利用者の変化をとらえ、医療職やその他の専門職へと繋げていく役割があります。
❾潜在能力(エンパワメント)を引き出す
日常生活を通して、利用者が何気なく行っている動作から他の行動に工夫して繋げられることはないか、意欲や好み、習慣などから利用者の活用できる力はないかなどを探していくことが重要です。
介護福祉職は利用者が出来ると思われる動作や行動などを試みる多くの機会を作り、「潜在している力」が発揮できるような場を追求していくことが大切です。
「エンパワメント」についてはこちらに詳しくまとめています→【比較】エンパワメントとストレングスとは?介護福祉職による支援方法 vol.45
❿他職種(多職種)との連携
利用者の生活を支援するためには、多くの専門職の支援が必要です。
利用者のニーズの変化に伴って支援は変化するので、その都度適切なチームで連携・協働が展開されるようにコーディネートする必要があります。
自分だけで利用者を抱え込むのではなく、それぞれの専門性を生かして援助していくことにより、利用者の生活全体の質が向上します。かかわる専門職はそれぞれに、チームの一員としての役割の理解が必要になります。
まとめ
今回まとめた、
- 生活習慣・文化・価値観を尊重する
- 自立を尊重する
- 安全を確保する
- 予防的な対応をする
- 意欲を引き出す
- 自己決定を尊重する
- 社会とのかかわりをもてるようにする
- 変化に気付く・観察をする
- 潜在能力(エンパワメント)を引き出す
- 他職種(多職種)との連携
この10のポイントが高齢者支援にとって大切になりますが、高齢者だけに限らず、支援する対象の人すべてに当てはまる項目ともいえます。
このポイントを1つひとつ支援していくことはとても大切なことですが、実際の介護現場では難しいことも多くあると思います。そんな時は、出来ることから始めると良いかもしれません。
支援する過程で、
- もし自分だったら
- 自分の大切な人だったら
という視点で介護をすると、利用者1人ひとりをもっと身近に感じることが出来るかもしれません。
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