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介護ラボ・kanalogのカナです。今回は・・・
アセトーゼ型・硬直型・失調型・硬直型・混合型とは?
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脳性麻痺とは
観察と支援の前に、『脳性麻痺』についての医学的・心理的理解から・・・
(1)脳性麻痺の医学的理解
脳性麻痺とは、出生前から新生児の間に生じた脳の損傷により、永続的に運動機能が障害されることです。症状の進行はありません(胎生期から生後4週間以内に生じる非進行性の脳病変による運動機能障害)。
主な症状として、
- 運動障害
- 不随意運動
- 言語障害
などがあります。四肢麻痺があり、知的障害やてんかんと合併することもあります。
脳性麻痺は筋緊張の異常を伴っており、痙直型、アテトーゼ型、強直型、混合型などの種類に分けられます。これらの特徴により支援方法も異なります。
- ✅脳性麻痺の種類と症状
- 【アセトーゼ型】
●不随意運動(自分の意思で運動がコントロール出来ず、勝手な動きが生じる)。
●手首や首などが勝手な動きをする
●言葉によるコミュニケーションが難しい
【痙直型】
●筋肉の緊張が強い
●四肢のツッパリがみられる
●手足のツッパリが強い
●姿勢が固定されてしまう
【失調型】
●動作のバランスが悪い
●スムーズな動きが出来ない
●歩行のふらつき・姿勢が不安定になる
【強直型】
●関節の動きが硬くなる
【混合型】
●それぞれの型が混合している
他の『脳性麻痺』記事はこちらから・・・
【②肢体不自由】身体的特性と障害の原因となる疾患 vol.73
【❺肢体不自由:脳性麻痺】先天性障害の福祉住環境整備とは vol.137
(2)心理的理解
脊髄損傷や片麻痺により肢体不自由(手足が不自由で支援が必要な状態)が、一度獲得した機能の損失であるのに対し、脳性麻痺による肢体不自由は機能獲得前の成長発達段階からの障害である点が、大きな違いです。
動作の自立のために支援を受け入れながら成長発達していきます。
支援を常に必要とする中でもできることを見極め、主体性を持って生活が出来るよう尊厳ある生活を支援することが介護福祉職には求められています。
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4つの場面(食事・入浴・排泄・外出等)の観察と支援
1⃣食事
体幹の筋緊張が弱く座位が保てない場合には、誤嚥のリスクが高まります。姿勢だけではなく、唇や舌、顎などの協調運動が困難で嚥下機能の障害を併せ持つことが多いため、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。自力で食べ物を口に運ぶ動作が困難な場合には、自助具を使用したり、介助が必要となります。
🔸誤嚥とは?
食べ物や飲み物があやまって気管の方に入ってしまうこと。
🔸誤嚥性肺炎とは?
誤嚥によって食べ物が肺に入りそれによって肺炎を引き起こす事。
利用者によっては特定の食物による口腔粘膜への刺激に過敏な反応を示す事や、食べ物の硬さなど食間による接触拒否がある場合もあります。食物アレルギーの有無についても配慮が必要な場合があります。
脳性麻痺で筋緊張のコントロールが困難な場合には、嚥下機能や障害レベル、体型に合わせた車いすや座位保持用のいす等で安全で安楽な座位姿勢を確保する必要があります。
指先の細かい動作が困難である場合は、機能レベルにあった箸やスプーンなどの自助具を利用することで、出来るだけ自分で食べることを支援します。食材や食間による接触拒否は、主治医や言語聴覚士など他職種と連携しながら改善に取り組むか、受容して柔軟に対応できるようにします。
全介助の場合、口腔内が空になったタイミングで次の食材を取り込めるよう、食べ物を口に運ぶタイミングを見計らう必要があります。そのため、利用者の咀嚼や嚥下を観察します。
口から食べることが困難である場合には、経管栄養になることもあります。この場合には看護師などの医療職と連携し、衛生管理や医療的ケアの役割・手順を順守して支援することが重要となります。
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【片麻痺の観察と支援】と4つの場面(食事・入浴・排泄・外出) vol.28
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2⃣入浴
体幹の筋緊張が低いと座位を保つことが難しいため、背もたれや手すりの付いたシャワーチェアーが必要となります。浴槽内では、やはり座位が保てないことから溺水への注意が必要です。
利用者自身でできる部分があれば、わずかでも実施することで入浴の達成感があります。また、若い利用者も多く、羞恥心への配慮が特に必要になります。同性による介護の対応も必要です。
自宅での入浴は、主たる介護者(両親など)が長い年月をかけて培ってきた方法で実施している場合も多く、介護福祉職がその支援を代わって行う際には実施方法をよく確認し、利用者にとって慣れた方法をを尊重します。
必要に応じて、より安全にリラックスした入浴ができるよう助言を行うことも大切です。シャワーチェアーを使用すると座位が保てない利用者でも、安全で安楽に身体を洗うことができます。
浴槽内は滑りやすく、溺水のリスクも高いため、滑り止めマットを敷き、目を離さず支援することが必要です。
重度の脳性麻痺の場合には、気管切開をしていたり、人工呼吸器を装着している場合もあるので、利用者個別の入浴方法を事前に確認しておくことが必要です。
3⃣排泄
車椅子からの立ち上がりや便座への着座を安全に行うためには手すりが必要となります。
体幹の支持性が弱い場合や、筋緊張が強く股関節と膝関節を屈曲した状態に保つことが難しい場合には、便座での座位保持が困難となります。
知的障害が合併している場合は、尿意・便意はあっても言葉で伝達することが困難なため、発するサインを見逃さないことが大切です。
また、緊張や疲労によりサインを出せない場合もあるので、日常の様子観察と状態の変化を察する気づきが重要になります。主たる介護者(主に両親)からのアセスメントも重要です。
座位姿勢を保ち、落ち着いて排泄をするための環境作りが大切です。便座が大きすぎる場合には子供用便座をかぶせたり、足が床につかない場合には足を乗せる台を用意するなどの工夫します。
コミュニケーションが難しい利用者の場合でも、表情や動きの変化をとらえ、排泄のサインを読み取り、陰部・臀部の清潔を保てるように細やかなアセスメントを心掛けましょう。
また、排泄パターンを知るために排泄時間を記録し、アセスメントを積み重ねていくことも大切です。
4⃣外出等
発達段階にある小児や児童によっては、外出により、多くの刺激を体験することが人間形成に役立ち、感性を育てる良い機会となります。季節ごとの空気のにおいや、植物の成長など、気候の変化を感じられるようできるだけ多く外出の機会を作りたいものです。
食事や排せつでは介助を要する事から、外出先での食事場所、多機能トイレやおむつ交換の場所について事前に確認しておくことが大切です。
不随意運動による四肢の動きが、外出先では怪我に繋がることもありますので、安全には十分に配慮します。歩行が可能であっても長距離の移動では車椅子を利用する場合も多く、介護者にとっても移動は負担になりやすいものです。移動ルートを検討する際には、坂道や砂利道など悪路をできるだけ迂回するなどの配慮が必要です。
脳性麻痺の利用者の主たる介護者は両親であることが多いため、保護者の意向や希望も確認し、尊重することも必要です。
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