福祉住環境整備

【安全な段差の解消】転倒・骨折を防ぐための福祉住環境整備 vol.142

2020-11-02

こんにちは 介護ラボのkanaです。今回は「福祉住環境整備」の中から『安全な段差の解消式』について書いていきます。

段差の解消と床材の選択について

Contents

1.段差の解消法
(1)屋外との段差
 1⃣スロープによる解消
 2⃣段差を残す場合
 3⃣床下に防湿土間コンクリートを敷設する
 4⃣段差解消機を活用する
(2)和洋室の床段差
 1⃣住宅改造で段差解消
 2⃣引き戸の敷居周辺の段差の解消
 3⃣ホームエレベーターの利用
2.床材の選択

1.段差の解消法

(1)屋外との段差

屋内外の段差をなくすためには、地盤面(G.L.)から1階床面レベル(1F.L.)の奥底差を、屋外アプローチの階段やスロープ、上がり框(がまち)の段差などにどのように振り分けるかを全体的に考える必要があります。

床面レベル(1F.L.)とは?

建築物の床面レベルのことで”Floor Level"の略。地盤面から1F.L.までを床高、1F.L.から2F.L.までを階高ともいう。なお、地面のレベルのことをG.L.と表す。”Ground Level"の略である。

上がり框(がまち)とは?

玄関床の上り口の縁にある部材のこと。

1⃣スロープによる解消

玄関での段差解消が困難な場合は、スロープで寝室の掃き出し窓などへ直接アプローチする方法をとる。また、現在は歩行可能であっても、将来、車いすの使用が予想される場合は、スロープの設置が出来るスペースを確保しておくことが必要となる。

 スペースを設置する場合の勾配は、1/12~1/15を目安とします。地面・建物に固定したスロープは、介護保険制度による住宅改修項目に該当します。

2⃣段差を残す場合

アプローチにスロープを設置できない場合には、階段を設けます。楽に昇降できるように勾配を緩やかにし、また必ず手すりを設置して、歩行者の安全を考します。

3⃣床下に防湿土間コンクリートを敷設する

木造住宅は建築喜寿運法規制によって地面と木造床の居室床を450mm以上にすると定められている。この段差は、ベタ基礎や床下部分に防湿土間コンクリートを敷設することで1階の床レベルを下げることが出来る。

但し、木造床面を下げると、通風が悪くなるため、シロアリ被害のある地域では避ける。また、給排水管など床下のメンテナンス上の問題が生じやすいので、事前に十分検討する必要がある。

4⃣段差解消機を活用する

敷地の高低差が大きく、スロープや階段での昇降が困難な場合は、段差解消機などの福祉用具を用いる方法を検討する必要があります。

(2)和洋室の床段差

畳床とフローリング床との暑さが異なるため、一般的に和室は洋室よりも10~40mm程度高くなっています。この段差が、高齢者や障害者のつまずきによる転倒事故の大きな原因になっています。

1⃣住宅改造で段差解消

簡便な方法は、すりつけ板で解消する。両端の端部でつまずかないように設置し、上面は滑り止め仕上げにする。すりつけ板には、木製、樹脂製があり、介護保険制度による住宅改修項目で、一般に用いられる。

但し、それだけではうまく歩行できない場合や、介護用車いすでうまく移動することが出来ない場合があり、他の方法を検討する必要もある。段差を解消する改造には「合板等のかさ上げ」などがある。

2⃣引き戸の敷居周辺の段差の解消

床面にフラットレールを設置するか、V溝レールを埋め込む方法がある。フラットレールは床面に薄いレールを取り付けるだけなので簡単で誤差も生じにくい。一方、V溝レールは、床仕上げ材との接合面に隙間が開かないようしっかりと床下地に固定する。

3⃣ホームエレベーターの利用

1階から2階への移動などでは階段昇降機だけでなく、ホームエレベーターについても検討するとよい。但し、介護保険の住宅改修費の給付対象ではないので注意します。

2.床材の選択

床材の問題があると、歩行移動や車いすの移動がスムーズに行えない、特に下肢機能の低下した高齢者は、足を滑らせ転倒事故を起こす原因となるので配慮が必要があります。

・床材は滑りにくく、強い床材を選ぶ。特に水に濡れた時に足が滑らない床材を選択する。
・水回りの塩化ビニルシートは、表面の強さや厚さ、クッション性に注意します。

車いすの場合は、車輪がねじれた時の衝撃で床面につくゴム跡が取り除きにくいため、ゴム跡の目立ちにくい色の床材を選びます。また、屋外で使用する車いすを屋内で使用する場合は、出入り口のマットで車輪を拭くが、それでも小石や砂が入るので、万一踏んでも下地の合板を傷めないよう、仕上げ材の厚さが1mm以上ある床材を選択します。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします♡

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