こんにちは♡介護ラボのkanaです。今日は「福祉住環境」の中から『ケーススタディ8:施設の大規模改修:従来型→個室ユニット型』について6回に分けて書いていきます。今回は2回目になります。
高齢者居住施設の機能改善
Contents
1.ケーススタディ8:居住系施設への改修
1⃣高齢者居住施設の機能改善(3分類)
(1)第1期(1963年~1980年代)
(2)第2期(1980年代後半~1990年代)
(3)第3期(2003年以降~)
1.居住系施設への改修
わが国には介護保険制度開始以前に建設された多床室型の高齢者施設が多数あります。多床室型から個室への転換は、プライバシーの確保に加えて、感染症対策という点からも重要になります。
また、ストックの活用は温室効果ガスの削減にも寄与します。今回は、集団的な介護を前提とした多床室の特別養護老人ホーム(特養)から個室ユニット型への転換事例を6回に分けて書いていきます。
良かったら、
前回:【❶ケーススタディ8:施設の大規模改修:従来型→個室ユニット型】ストック選定の4つの留意点 vol.783
から見ていただけると、流れがわかりやすくなると思います。
1⃣高齢者居住施設の機能改善(3分類)
高齢者居住施設は、その建設時期により大きく3つに分類できます。
(1)第1期(1963年~1980年代)
第1期は、1963年(昭和38年)に老人福祉法が制定されてからの約20年に造られた施設になります。
第1期の施設は、築40年以上が経過しており、建て替え時期を迎えています。
建て替え時には、施設の使われ方が参照されやすいですが、旧施設の建設当時とは入居者像も社会的背景も大きく異なります。
建て替え時には、プライバシーに配慮した居室空間と、落ち着いた生活が営める共有スペースなど、住まいとしての設えに留意します。
さらに、街中から離れた立地という、「地域から閉じた計画」ではなく、積極的に地域の人々を受け入れる「地域に開いた計画」が求められます。
(2)第2期(1980年代後半~1990年代)
第2期は、1980年代後半から90年代のゴールドプランと新ゴールドプラン期に造られた施設になります。
これらの施設は、築20年~30年が経過していますが、主に鉄筋コンクリート造でつくられており、今後も30年以上の使用が見込まれています。
築20年頃からは、機能的劣化が顕著となり、空調設備やボイラーなどの大型設備の更新や、内装・外装の大規模修繕が必要となります。
大規模修繕時には、建設時の状態に機能を戻すのではなく、機能の向上を含めたリノベーションを行うことが望ましいです。
機能向上としては、多床室から個室への改修や、ユニット型への転換が求められます。
個室ユニットへの変更は、プライバシーや馴染みの関係など様々な利点がありますが、COVID-19以降、感染症対策という面からもその重要性が増しています。
個室は、感染者の隔離が行いやすく、ユニット型は感染範囲の区画が行いやすいので、大規模なクラスターの発生を防ぐためにも、ユニット型への転換が求められています。
(3)第3期(2003年以降~)
第3期は、2003年(平成15年)の特別養護老人ホームの個室ユニット型の制度化以降に造れた施設なります。
第3期の個室ユニット型施設については、大規模修繕に備えた計画が必要となります。
居住型の施設は、24時間365日稼働しており、設備機器の急な故障は、入居者の生活やケアに大きな影響を及ぼします。
壊れてから直すのではなく、壊れる前に点検し、事前に設備を更新します。
そのためにも各施設は、長期修繕計画を立案し、事前に対応していく必要があります。
今回はここまで。次回は「多床室型から個室ユニット型への転換」について書いていきます。良かったら見に来てください!
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