福祉住環境整備

【高齢者のための施設の歴史】近年の施設・ユニットケア「新型特養」の傾向 vol.711

2022-05-25

こんにちは💚 介護ラボのkanaです。今日は「福祉住環境」の中から『高齢者のための施設の歴史』について書いていきます。

救貧施設→救護法→養老院

Contents

1.高齢者福祉施設の源流
 1⃣救貧施設→救護法→養老院
 2⃣生活保護法
2.近年の施設の傾向
 1⃣軽費老人ホーム
 2⃣ケアハウス
 3⃣特別養護老人ホーム・ユニットケア
3.まとめ

1.高齢者福祉施設の源流

高齢者のための専用施設の歴史は、それほど古いものではありません。社会施設が発生する以前には、居住の場としての施設空間としては、一般の住居しか存在していませんでした。

1⃣救貧施設→救護法→養老院

その一般の住居から、自力で住宅を構えられない経済的な貧困階層だけが区別され、最初に「救貧施設」が成立していったのが社会施設の始まりと考えれられます。

さらに、この救貧施設の中から伝染病患者のための施療病院が分化し、本流は「社会施設」として長らく存続しました。このような施設が1929年(昭和4年)の「救護法」によって、年齢軸により小児のための施設が分離され、高齢者を含む一般成人が暮らす施設としての「養老院」が制度化されたのです。

この頃の養老院は、高齢者だけの施設ではありませんでした。

救護法

2⃣生活保護法

養老院は、旧「生活補保護法」下の「保護施設」となり、1950年(昭和25年)の新「生活保護法」により、初めて高齢者のみの「養老施設」が成立することになりました。

この養老施設が、1963年(昭和38年)の「老人福祉法」により「老人ホーム」という名称になるのですが、この経済的・住宅的理由による、入居を中心とした養老施設の流れを引き継いだものが『養護老人ホーム』になります。

このとき、

  • 「養護老人ホーム」
  • 「特別養護老人ホーム」
  • 「軽費老人ホーム」

合わせて3種類が制度化されることになりました。

これが、現行の老人ホーム体系の原型となっています。

最初は、未分化の居住機能を持った施設でしたが、徐々に経済的階層、年齢的階層、さらに医学的治療の必要性、生活支援の必要性による階層化等によって機能分化が進み、社会施設としての位置づけが定まってきたのです。

そもそも居住という総合的・全体的な多様性を秘めたものが近代の機能的合理主義により、階層化、分断化されてきたものが高齢者施設制度の在り方だったといえます。

2.近年の施設の傾向

1⃣軽費老人ホーム

近代的な機能分化の流れに乗って完成した老人ホームの体系でありますが、「老人福祉法」によって確立した種別の中で、『軽費老人ホーム』は更に機能分化の歴史をたどります。

1971年度(昭和46)には、

  • 共同で食事を摂るA型
  • 自炊を原則としたより住宅に近いB型

に分化されました。

2⃣ケアハウス

さらに、1989年度(平成元年)には、住宅としての器としての位置づけを明確にし、外部からのケアサービスの導入を認めた「ケアハウス」が軽費老人ホームの新型施設として生まれ、これは現在でも新規供給が進められ、より住宅に近い存在の居住施設が求められてきています。

最近では、福祉施策として整備されている老人ホームなどの施設空間の質的な内容については、補助基準面積の漸増と、最近の個室化の傾向、小規模特別養護老人ホームの認可、小グループ単位の試みなど、家庭的・住宅的な規模による空間構成が進められつつあります。

3⃣特別養護老人ホーム・ユニットケア

1997年(平成9年)に運営費補助の始まった認知症高齢者グループホームは、老人ホームの直接的な系譜とは別個に、新たに生じた形態です。施設としては最も住宅に近い形態であるといえます。もっともこれは枠組みとしては施設介護ではなく、居宅介護に分類されています。

徐々に先駆的な施設で進められてきた住居化の傾向に対して、施策として対応がなされるようになり、2003年度(平成15年)からは、特別養護老人ホームに個室化・ユニットケアを施設の原則とした「新型特養」の建設が補助され、

  • 居室の個室空間化
  • 生活単位の小規模化
  • 多様な社会的交流のための空間づくり

が基本となりました。

この制度以降、入居者から利用費に加えて、居住費・食費(ホテルコスト)に関して別途徴収できるものとなり、実質的な居住空間化が進展する大きな契機になりました。新設の施設については今後ますます住居化が加速するでしょう。

3.まとめ

このように、特に高齢者介護施設の施設環境における最近の動向をおおまかに眺めると、それは総じて「住宅化」の傾向にあるといえます。

一括収容施設的でないホームライクな生活環境の実現、そして、ケアの在り方も個別性や利用者の主体性を尊重した個別ケアを目指すという最近の流れに基盤をおいています。

「住宅化」の意味するものは何か。例えば、

  • 居住環境としての住み心地を確保すること
  • 利用者・居住者がそこに帰属感を持てるような生活環境
  • 住み手が参加できる建築環境
  • 多様な個性を認める包容力のあるデザイン

などになります。

そこには、人の「生活」が営まれているということを、まず基本に考え、住まう(住む+生活を合わせる)ことの一体性を確保すること、つまり「展開される生活の重視+住まいの実現」ということです。

漠然とした「住宅化」という題目を唱える前に、これらの誤解が生じないような共通認識を皆が持つことが重要です。

そのためには、施設的ではない専門的な高齢者対人ケアの本来の在り方と、普通の生活と称される「住生活の原型」を追求することが現在必要とされているのかもしれません。

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kana

はじめまして(^-^)/
介護ラボのカナです。
ブロガー歴2年半(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士として就業中。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」「介護福祉士」 ◉現在福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします♡

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