相談援助と福祉住環境整備

【❶ケーススタディ8:施設の大規模改修:従来型→個室ユニット型】ストック選定の4つの留意点 vol.783

2022-08-05

こんにちは♡介護ラボのkanaです。今日は「福祉住環境」の中から『ケーススタディ8:施設の大規模改修:従来型→個室ユニット型』について6回に分けて書いていきます。今回は1回目になります。

ストック活用の重要性

Contents

1.ケーススタディ8:居住系施設への改修の目的
 1⃣ストック活用の重要性
 (1)地球温暖化対策
 (2)高齢者施設固有の課題
 2⃣ストック選定の4つの留意点

1.居住系施設への改修の目的

わが国には介護保険制度開始以前に建設された多床室型の高齢者施設が多数あります。多床室型から個室への転換は、プライバシーの確保に加えて、感染症対策という点からも重要になります。

また、ストックの活用は温室効果ガスの削減にも寄与します。今回は、集団的な介護を前提とした多床室の特別養護老人ホーム(特養)から個室ユニット型への転換事例を6回に分けて書いていきます。

1⃣ストック活用の重要性

ストック活用が求められる背景には、2つの側面があります。1つは地球温暖化対策であり、もう1つは高齢者施設固有の課題への対策です。

(1)地球温暖化対策

温室効果ガスの削減は、地球規模の課題であり、各分野で取り組まれています。

建築物の長寿命化は、建物の廃棄過程における温室効果ガスの抑制につながり、省エネルギー化と共に主要な対策となります。

建物の劣化には、

  • 躯体などの「物理的劣化」
  • 設備や通信機器などの「機能的劣化」
  • 使われ方の変化といった「社会的劣化」

があります。

公共施設に用いられる鉄筋コンクリート造の物理的寿命は、一般的に約50年といわれていますが、機能の変化は早く、日々進化しています。

「社会的劣化」は急激に進行するものではありませんが、少子化という人口構造の変化による学校の廃校や、工場の海外移転という産業構造の変化による社員寮の閉鎖などが生じています。

「機能的劣化」に対しては、設備を更新するなどの対応は可能ですが、「社会的劣化」に対しては、建物の用途(使われ方)を変える必要があります。

このような用途の異なる建物種別への転換を『コンバージョン』といいます。

(2)高齢者施設固有の課題

福祉施設へのコンバージョンの際には、その地域のニーズを十分に検討することが必要です。

少子高齢社会のなかで、日本全体の高齢者人口は増加していきますが、市区町村別にみるとその動態は大きく異なります。

高齢者人口が増加するエリアは、大都市部や各県の県庁所在地などであり、その他の市町村では高齢者人口が減少していくところも多いです。

また、大規模ニュータウンを抱える地域では団塊の世代が多数居住しています。これから20年程度は高齢者人口が急激に伸びますが、その後は急速に減少していきます。

高齢者人口が減少していく地域では、高齢者施設ではなく別用途への転換が望ましいです。

団塊の世代が多い地域では、一時的な高齢者人口の増加への対応として、ストックを活用していきます。但し、改修範囲や費用は使用年数に見合ったものにします。

また、大都市など高齢者人口が増加する地域では、構造体の補強など長期間の使用を想定した大規模な改修が有効になります。

2⃣ストック選定の4つの留意点

コンバージョン時には、工事費用の抑制や、工事の容易さから、変更前後の間取りが類似した建物種別を選びます。

以下の4つがストック選定の留意点になります。

  • 医療系施設からの転用:病院から児童福祉施設への転用は、法規や設備の面から転用しやすい。入院施設のある診療所から児童福祉施設等への転換は用途変更が不要となる。さらにスプリンクラーなどの設備も付帯されていることが多いため、機能面での変更も少ない。使われ方の面では、多床室中心の病院モデルの建物を住まいに転換していくための、意匠上の工夫が重要となる。
  • 居住・宿泊系施設からの転用:個室中心の寮やホテルは、有料老人ホームなどの居住系施設への転換が行いやすい。寮やホテルからの転用に際しては、用途変更が必要になるとともに、各種の基準についての検討が必要になる。
  • 商業施設・オフィスなどからの転用:大空間を持つ商業施設などは、採光等の面から1部屋当たりの面積が大きいデイサービスなどの通所施設が適している。商業施設は街の中心部にあることが多いことから、福祉施設だけではなく、他の施設との複合化も有効である。
  • 学校からの転用:大空間かつ教室という区分けされた部屋を持つ学校を活用する場合には、1つの教室の中に何部屋の居室(住戸)を配置できるかについて検討する。居室数の算定に際しては、面積だけではなく間口幅に留意する。ベッドレイアウトの自由度を考慮した居室の間口幅は3000mm(壁芯寸法)であり、教室の間口幅から配置可能な居室数が割り出される。

今回はここまで。次回は「高齢者居住施設の機能改善」について書いていきます。良かったら見に来てください!

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kana

はじめまして(^-^)/
介護ラボのカナです。
ブロガー歴2年半(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士として就業中。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」「介護福祉士」 ◉現在福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします♡

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