こんにちは💚 介護ラボのkanaです。今日は「福祉住環境」の中から『地域における障害者ケアの視点』について書いていきます。
地域生活支援
Contents
1.地域における障害者ケアの視点
1⃣自立の定義(IL運動)
2⃣自立の概念
3⃣地域生活支援
1.地域における障害者ケアの視点
国際障害者年を契機として、ノーマライゼーションの考え方が、地域社会でみんなと一緒に、普通の生活をすることを目指し、施設サービスを中心とした福祉から在宅を中心とした福祉へと転換しました。
この流れは、行政主導の「措置制度」から、利用者が自らサービスを選択する「利用・契約制度」への移行です。
具体的には、
- ❶障害者自身の自己決定の尊重
- ❷利用者本位のサービスの提供
- ❸サービスの質の向上
を目指すことを目標とし、障害者や家族が地域での生活を豊かに過ごすための支援を総合的に活用できる「地域のケア体制」が必要になってきました。
そのために、「障害者基本法」に基づいて、
- 「啓発・広報」
- 「生活環境」
- 「教育育成」
など、障害者施策全般にわたる障害者基本計画が策定されました。
また、「障害者総合支援法」及び「児童福祉法」に基づく障害者福祉計画及び障害児福祉計画が、3年を1期として、障害者等のケア、サービス見込み量などを数値に盛り込むことになっています。
1⃣自立の定義
「自立」については、従来の概念では、経済的自立を中心に、身体的自立、精神的自立、社会的自立などを検討してきました。
しかし、その背景に、社会福祉施設が拡充していく中で、不必要な依存、いわゆる施設病が実践の場で指摘されてきました。
1970年代にアメリカ合衆国で発展したIL運動(自立生活運動)の影響を受けた新しい自立観は、身体的自立、経済的自立に関わりなく、自立生活は成り立つという考え方を定義しました。
「障害者の方が手助けをより多く必要とする事実があっても、その障害者が依存的であるとは必ずしも言えない。人の助けを借りて15分程度で衣類を着て、仕事に出掛けられる人間は、自分で着るのに2時間以上かかるため家にいるほかない人間よりは自立している」という、有名な自立生活の規定で、ADLの自立だけでなく、その人の障害に適した生活全体の改善などのQOLを充実させる行為を「自立」として重要視したのです。
障害者福祉において自立を考える場合は、どのような支援を受けていても、また、どのように介助されていても差し支えないが、生活の過ごし方は自分で決めるというのが「自立」です。
2⃣自立の概念
「自立」とは、何でも自分でするという概念ではなく、必要な人的、物的な資源を用いて、自分らしく主体的に生きるということです。
この自立観は、利用者本位の考え方であり、利用者による
- 自己選択
- 自己決定
- 自己実現
の行動が基本になります。
3⃣地域生活支援
地域生活は、継続性と密着性を伴うものであり、地域に継続的に生活しているだけではなく、日常的に地域における様々な人々や物の関わりがあることを意味し、地域社会を利用しながら日常生活を送ることです。
施設から地域生活に移行する場合でも、ただ単に施設からグループホームに移すというだけでは、本来的な地域生活とは言えません。
地域生活支援とは、「自立」の概念の上に、「障害者自身が主体的に日常生活及び社会生活を営むことを継続的に支援すること」です。
ここで重要となるのが、生活問題への対応としての生活基盤整備と、生活問題の改善の上に成り立つ生活上の課題を整理し、それぞれへの対応を考え支援していくという視点です。
また、この自立観は、リハビリテーションの在り方を、専門家主導の医療モデルから当事者主体の自立生活モデル、ADLの向上からQOLの向上へ変革させるなど、障害者施策の発展に大きな影響を与えました。
この自己決定権の行使を保障するための考え方として、自己決定などの主体性を奪われた人が支援を受けて、主体性を取り戻すためのエンパワメントや、自己決定能力の低下した人の権利・利益を守るためのアドボカシー制度があり、今日のソーシャルワークの重要な方法となっています。
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