人間の理解

【⑤社会福祉の変遷】バイステックの問題提起(7つの原則)とIL運動 vol.639

2022-03-14

こんにちは💚 介護ラボのkanaです。今日は「人間の理解」の中から『社会福祉の変遷』について5回に分けて書いていきます。今日は最終の5回目です!

医学モデルから生活モデルへ

Contents

1.新たな貧困問題・人権問題の中で
 1⃣アパルトヘイト
 2⃣バイステックの問題提起(7つの原則)
 3⃣医学モデルから生活モデルへ
 4⃣IL運動(ピアサポート)

1.新たな貧困問題・人権問題の中で

豊かな国といわれたアメリカでも、1960年代~1970年代にかけて行われたベトナム戦争の影響で社会保障費が削減され、新たな貧困問題が顕在化し、1962年、反貧困市民十字軍による全州調査報告書『飢餓のアメリカ(1968年)』、はじめて受給者自身による公的扶助の充実をお求める福祉権運動が起こりました。

1⃣アパルトヘイト

また、それと重なるように、キング牧師を指導者とする、人種差別への抗議と選挙権を求める公民権運動が広がっていきました。

これらは、、南アフリカで反アパルトヘイト運動を貫いたマンデラ氏(Mandela,N.)や、南アフリカでの弁護士活動で「アパルトヘイト」による強烈な人種差別を経験した後、イギリスの植民地だったインドでの非暴力・非服従運動を貫き、インド独立の父となったガンジー氏(Gandhi,M.)らの運動の流れをくむものでした。

※アパルトヘイト:「分離、隔離」を意味する言葉で、特に南アフリカ共和国における有色人種隔離政策のことを指す

そして、深刻な貧困問題や人権問題に対応しきれない社会福祉のあり方について、

  • 「ケースワークは死んだ」
  • 「昨日の社会改良家はどこへ行ったのか」
  • 「リッチモンドに変えれ」

など、はじめて研究者や当事者からの厳しい批判や要望が突き付けられ、その変革が迫られたのでした。

2⃣バイステックの問題提起(7つの原則)

戦後の社会福祉援助の在り方に一石を投じたのは、1957年に提唱された「バイステックの7原則」でした。バイステック(Biestek,F.P.)は、世界人権宣言から10年が経とうとしているのに、社会福祉現場での利用者への対応は少しも変わっていないことに怒りを込めて、誰もがこう対応してほしいと思うであろう7つの原則を示しました。

社会福祉現場で人間の尊厳を守ることは、原理・原則を唱えることではなく、まさに利用者と向き合う援助場面や援助関係の中で具体的に実践することだというバイステックの問題提起は、60年以上経った今でも、なお現場で語り継がれています。

バイステック

他の『バイステック』記事はこちらから・・・
【バイステックの7原則とは?】援助関係の構築方法 vol.249

そして、戦後の社会福祉は、再び新たな貧困問題への取り組みを進める中で、問題を抱える本人のみならず家族全体(多問題家族)を視野に入れての援助・ファミリーケースワークの必要性や、相談に来るのを待つのではなく、こちらから出向いていって利用者を発見する必要性と、その抱える問題の深刻さへの積極的関わり・介入の必要性が認識されました。

また、経済的援助をはじめとする環境の整備を求める利用者の多さと、そこでの援助課題や対応方法を明らかにした上での短期解決(課題中心ケースワーク・課題中心アプローチ)の必要性などが改めて確認されました。

3⃣医学モデルから生活モデルへ

援助の原則も医学モデルから生活モデルへと変わり、利用者の生活環境や社会生活を全体として把握し、利用者の主体性や選択制を尊重する関りが求められ、人と環境が相互に関係しあうことを重視したソーシャルケースワークやソーシャルサポートネットワーク、そしてケアマネジメントなど、システム論や生態学理論をベースにした新たな方法論が導入されました。

医学モデル、ソーシャルサポートネットワークとは?

◉医学モデルとは、医師が患者を診断・治療するように、利用者を社会適応所問題のある人と捉え、援助者が社会診断に基づき、長時間の面接で利用者に社会治療的個別援助を行うといった、人格的・治療的側面を重視する伝統的な考え方のこと。

◉ソーシャルサポートネットワークとは、家族、近隣、ボランティア等、身近な人間関係における複数の個人・集団による支援のネットワーク、もしくは連携による支援体制のことをいう。

4⃣IL運動(ピアサポート)

また、当事者自身による福祉権運動運動や公民権運動などのソーシャルアクションへの参加経験は、IL運動(Independent Living Movement:自立生活運動)や、ピアサポート運動(障害者が自らの体験に基づいて同じ仲間である他の障害者の相談に応じ、問題の解決を図ること)へと広がり、また多くのセルプヘルプグループが誕生するなど、ハンディをもつ人自身の力が注目されることになりました。

IL運動

現在の「エンパワメント」という考え方も、まさにこの延長線上に生まれており、「無力な状態にさせられた人たちの潜在的可能性や能力を信じて、人間としての尊厳を引き出し取り戻すこと」の重要性、さらに「弱い力」でもそれが集まれば1つの「強い力」になり、事態を変える力に出来るという可能性を示唆しています。

当然これらの動きに呼応するように、社会福祉分野における障害の捉え方や自立の概念も大きく変化していきました。

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kana

はじめまして(^-^)/
介護ラボのカナです。
ブロガー歴2年半(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士として就業中。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」「介護福祉士」 ◉現在福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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