人間の理解

【ノーマライゼーションの8つの目標】ソーシャルインクルージョンとは? vol.23

2020-07-06

こんにちは!介護ラボのカナです。今回は、「ノーマライゼーションとソーシャルインクルージョン」についてまとめていきます。

ノーマライゼーションの定義

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ノーマライゼーションの思想

戦後の福祉サービスやケアの在り方に大きな影響を与えたのは、ノーマライゼーションの「生みの父」と呼ばれている、デンマークのバンク-ミケルセン(Bank-Mikkelsen,N,E)です。

バンク-ミケルセンは、第2次世界大戦中に反ナチズムのレジスタンス運動に参加して囚われ、強制収容所生活を余儀なくされました。

戦後、デンマークの社会省に入り、知的障害者の施設行政を担当しますが、巨大施設への隔離収容が一般的で、断種が無差別に行われるような実態に、「本当に悲惨で、ナチスの強制収容所と少しもかわりない」と胸を痛めました。

「知的障害者の親の会」(親の会)も、こうした実態の改革を強く政府に求め、バンク-ミケルセンも協力して作成した要請書に「ノーマライゼーション」というタイトルをつけて社会大臣に提出したのが1953年のことでした。

その後、社会省にも「知的障害者の福祉と施設の改革のための委員会」がおかれ、バンク-ミケルセンと親の会のメンバーもこれに参加し、1959年、「知的障害者法」のなかに、

  • 「知的障害者が可能な限り、障害のない人の生活に近付くことができるように条件を整える」

というノーマライゼーションの思想が、世界で初めて盛り込まれることとなりました。

ナチズムとは?

🔹ナチズムとは?
ナチ党や政治思想・政治運動・政治体制の総称。通称ナチス。ヒトラーを党首としたドイツの政党であるナチ党は、ドイツの民族および国土に最高の価値をおくものとしました。

レジスタンス運動とは?

🔹レジスタンス運動とは?
外国や国家権力による侵略や専制に対する抵抗運動のことで、特に第2次世界大戦中のドイツ・イタリアの占領地における国民的な抵抗運動を指す。フランスにおける反ドイツ運動が典型。レジスタンスは、フランス語の「抵抗」を意味する言葉。

ノーマライゼーションの定義と8つの具体的目標

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ノーマライゼーションの定義は、バンク-ミケルセンの推進する改革の協力者となったスウェーデンのニィリエ(Nirje,B.)によって、1980年、「社会の主流となっている規範や形態にできるだけ近い、日常生活の条件を知的障害者が得られようにすること」とされ、どの国の文化にも通用する8つの具体的目標が提示されました。それによってノーマライゼーションの「育ての父」と呼ばれています。

どの国の文化にも通用する「8つの具体的な目標」は、どんなに重い障害のある人も、以下の8つの生活条件の中で暮らす「権利」があり、行政や社会はそれを実現する「責任」があるという考え方です。

◉ノーマライゼーションの8つの具体的な目標
①1日のノーマルなリズム
②1週間のノーマルなリズム
③1年間のノーマルなリズム
④人生のノーマルな経験
(ライフサイクルにおけるノーマルの発達的経験)
⑤個人の尊厳と自己決定
(ノーマルな個人の尊厳と自己決定権)
⑥男女両性の世界での生活
(その文化におけるノーマルな性的関係)
⑦その社会でのノーマルな経済的水準
(その社会におけるノーマルな経済的水準とそれを得る権利)
⑧その地域でのノーマルな生活環境
(その地域におけるノーマルな環境形態と水準)

これらは当初、知的障害者のために考えられたものですが、次第にほかの障害にも応用され、1975年、国連「障害者権利宣言」の土台となり、1981年の国際障害者年をきっかけに、「障害者に対する世界行動計画」として世界中に広がっていきました。

  • どんなに重い障害を持つことになっても
  • どんなに年齢を重ねても
  • 私たちは同じ人間として
  • これまでと変わらない生活を送りたい
  • 自分らしい人生を生きたい

と願うはずです。

そのことを援助の原点に据えて、私たちは、これからの生活の支援を当事者と共に考えていくことが大切です。

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ソーシャルインクルージョンとは?

ノーマライゼーションの発展形ともいわれる「ソーシャルインクルージョン」(社会的包摂・社会的包容力)という考え方がヨーロッパで生まれました。

ヨーロッパでは、移民の増加や失業率の上昇により社会的・経済的格差が広がり、多くの人がソーシャルエクスクルージョン(社会的排除)の状態に置かれ、社会問題になっていました。

その対応策としてすべての人を社会の一員として包み支え合おうというソーシャルインクルージョンが提唱され、政策課題となりました。

日本でも2000年(平成12年)に「社会的な援護を要する人々に対する社会福祉の在り方に関する検討会」報告書で、ソーシャルインクルージョンの社会的必要性が認識されました。

この報告書で厚生労働省はソーシャルインクルージョンを、

  • 「すべての人々の孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合う」

と定義しています。

障害者や貧困層にとどまらず、

  • 子供や女性
  • 高齢者
  • 移民
  • 引きこもりやニート
  • LGBT

など、すべての人を包み込み、1人ひとりの考えや価値観を尊重しながら支え合う社会が目指されています。

ノーマライゼーション


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kana

はじめまして(^-^)/
介護ラボのカナです。
ブロガー歴2年半(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士として就業中。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」「介護福祉士」 ◉現在福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします♡

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