社会の理解

【❹社会保障制度の歴史】措置制度から利用契約制度への変更 vol.525

2021-11-20

こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのカナです。今日は「社会の理解」の中から『社会保障制度の歴史』について5回に分けて書いていきます。今日は4回目です!

ゴールドプラン→新ゴールドプラン→ゴールドプラン21

Contents

1.介護保険と福祉の考え方の変化
 1⃣ゴールドプラン→新ゴールドプラン→ゴールドプラン21
 2⃣措置制度→利用契約制度
2.まとめ

1.介護保険と福祉の考え方の変化

1980年代後半になると少子高齢化の問題が社会的な問題として認識されるようになりました。1989年(平成元年)の合計特殊出生率が1.57であったことが公表され、1994年(平成6年)には高齢化率が14.1%となり「高齢社会」と呼ばれる社会になりました。

1⃣ゴールドプラン→新ゴールドプラン→ゴールドプラン21

高齢社会の到来は、

  • 増大する高齢者医療費
  • 年金保険の制度設計
  • 高齢者介護のあり方

といった大きな課題を私たちに投げかけました。

そこで、高齢者介護の問題に対して1989年(平成元年)に「高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)」が策定され、高齢者保健福祉サービスの基盤整備がはかられました。

ゴールドプランは1990年度(平成2年)から1999年度(平成11年)までの10年間の目標を定めていましたが、当時の見込みを上回る高齢者保健福祉サービス整備の必要性が明らかになったことなどから、1994年(平成6年)に、ゴールドプランを全面的に見直し、高齢者介護対策のさらなる充実を図るため、新・高齢者保健福祉推進十か年戦略(新ゴールドプラン)が策定されました。

新ゴールドプランは、1995年度(平成7年)から1999年度(平成11年)までの5年間の目標を定めたものでした。さらに高齢者保健福祉施策の一層の充実を図るため、1999年(平成11年)に今後5か年の高齢者保健福祉施策の方向(ゴールドプラン21)が策定され、介護保険法が施行された2000年度(平成12年)から実施されました。

1990年代以降は、日本の社会福祉分野全体に非常に大きな変化がみられた重要な時期です。1980年代に世界的に広まったノーマライゼーションの理念が日本でも一般化したことに加え、現実の制度にも大きな変革が行われました。その具体的内容として、

❶住民に身近な市町村が主体となる福祉行政の推進

❷利用者本位と自立支援

❸民間活力の活用

などがあります。

2⃣措置制度→利用契約制度へ

1990年(平成2年)の福祉関係八法の改正(老人福祉法等の一部を改正する法律)によって、福祉行政を担う主体が市町村とされ「措置制度」が進み、各市町村に老人保健福祉計画の策定が義務付けられました。

措置制度とは?

措置とは、行政がその権限として強権活動をすることによってサービスの利用決定を行う「職権措置」を指す。

措置制度は、利用者にサービス提供事業者(施設、事業所)を選ぶ権利がないなど、利用者本位とはいえない制度でした。

しかし、利用契約制度によって利用者が事業者を選択できるようになり、対等な関係に基づいたサービス利用が行えるようになりいました。

行政主体の措置制度から、利用者主体(利用者本位)の利用契約制度への変更です。

利用契約制度
契約とは、一般的には相対する複数の者の意思表示が合致して成立する法律行為のことをいう。社会福祉援助においては、援助者が利用者と取り交わす最初の約束を指す。ここで契約というのは、援助を必要とするものが、ただ単に申請するというのではなく、自己決定し援助機関のサービスを利用していく役割を持つという個別援助技術等の理論に基づくものである。

さらに介護保険制度によって、民間営利企業もサービス提供事業者として参入できるようになりました。それまでは、国、地方自治体、社会福祉法人などに限られていたサービス提供事業者の範囲が拡大したことも大きな変革といえます。

2.まとめ

このような、介護保険制度を中心に行われた福祉制度の大きな変革を基礎づけたものが、「社会福祉事業法の大改正」です。

1950年(昭和26年)から50年間続いた社会福祉事業法が、2000年(平成12年)に「社会福祉法」に改称され、内容も大きく改正されました。この社会福祉分野全般に影響を及ぼす変革を『社会福祉基礎構造改革』と呼んでいます。

これにより、介護保険制度だけでなく障害福祉領域にも利用契約制度や民間事業者参入が波及することになりました。

気になるワードがありましたら、下記の「ワード」若しくは、サイドバー(携帯スマホは最下部)に「サイト内検索」があります。良かったらキーワード検索してみて下さい(^▽^)/

ADL QOL グループホーム ケーススタディ コミュニケーション ノーマライゼーション バリアフリー ブログについて ユニバーサルデザイン 介護の法律や制度 介護サービス 介護予防 介護保険 介護福祉士 介護福祉職 他職種 住環境整備 入浴 入浴の介護 医行為 喀痰吸引 地域包括ケアシステム 多職種 尊厳 感染症 支援 施設 権利擁護 社会保障 福祉住環境 福祉住環境整備 福祉用具 経管栄養 老化 脳性麻痺 自立支援 視覚障害 認知症 誤嚥性肺炎 障害について 障害者 障害者総合支援制度 障害者総合支援法 食事 高齢者


人気ブログランキング

にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村

に参加しています。よかったら応援お願いします💛

Twitterのフォローよろしくお願いします🥺





Follow me!

  • X
  • この記事を書いた人
  • 最新記事

kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします♡

-社会の理解
-, , , , , ,