こんにちは💛 介護ラボ・kanalogのカナです。今回は権利侵害についてまとめていきます。
ネグレクトとは?
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今回は、どのような場面で権利侵害が起こるのかを考えてみます。
利用者の権利侵害が起こりやすい場面として、
- 「日常生活場面における権利侵害」
- 「社会生活場面における権利侵害」
の2つに分けられます。
では、日常生活場面における3つの権利侵害から考えていきます。
日常生活場面における3つの権利侵害
(1)生活環境によって生じる権利侵害(ネグレクト)
生活環境の不十分さや不適切さによって、利用者の生活の安全や快適性が脅かされることがあります。
たとえば、住居・住宅の物理的状態や周囲の地域環境によって、利用者が極端に孤立して安否確認が困難になることや、災害などの危険の回避が困難になることなど、日常生活における安全上の課題が生じることが考えられます。
また、ネグレクト(介護や養護の放棄、放任)や経済的搾取などが日常的に行われることによって、利用者の生活環境が心理的苦痛や健康上の支障を伴うこともあります。
(2)対人関係によって生じる権利侵害
対人関係によって利用者の権利が侵害される場合があります。
具体的には・・・
- 身体的虐待
- 心理的虐待
- 性的虐待
- 経済的虐待
- ネグレクト
などの虐待行為が揚げられます。
利用者には日常生活を支援する人間が不可欠ですが、そのような人々から虐待を受けること、つまり、権利を侵害されることが日常的に起こりうるのです。
このような虐待行為は、家族や近親者などによってだけでなく、介護サービス提供者によっても行われることがあります。
他の『虐待』記事はこちらから・・・
【比較】4つの虐待防止法と虐待の5種類について vol.246
(3)気づかないままに行われる権利侵害
権利侵害は意図的なものばかりではない事にも注目すべきです。誰にも気づかずに権利侵害が行われている場合があります。
介護サービスの提供者の態度(非言語的コミュニケーション)のなかに、利用者に対する拒否的・差別的な反応が含まれているかもしれません。また何気ない言葉が利用者のプライドを傷つけているかもしれません。
1つひとつは大したことがないように思えるものであっても、利用者の権利をないがしろにすることへつながっていく危険性があることを常に心にとめて支援に取り組むことが必要です。
また、家族が、専門的知識がないために、結果として利用者の権利を侵害している場合もあります。
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社会生活場面における3つの権利侵害
次は、社会生活場面において生じる3つの権利侵害について考えていきます。
(1)人々の意識や認識による権利侵害
権利侵害は、人々の意識や認識によって生じることが多くあります。
社会一般のステレオタイプ(一律的)な考え方や認識によって、特定の人々に対する差別や偏見が助長され、社会参加が妨げられ、実質的に社会から排除されることもあります。
過去の歴史においては、特定の疾患や障害の情報が正しく社会に伝わっていないために、その疾患や障害のある人々に対して多くの人々が誤った認識をし、その認識が広がることによって、社会からの排除が起こったということについて、私たちは学ぶ必要があります。
(2)法制度や施策による権利侵害
本来、介護を必要とすることは、その人が社会生活上の能力や役割を失うことを意味するものではありません。ましてや、地域社会の中でその人らしく生きていく権利を制限するものではありません。
しかし、利用者の中には、法制度や施策を利用した結果として社会的活動、経済的活動から遠ざけられてしまう人もいます。
日本において、法制度や施策と人々の意識や認識が関連して生じた権利侵害の例として、ハンセン病患者・回復者への対応や、優生保護法による障害者への強制不妊手術などをあげることができます。
このような歴史的事実を認識したうえで、権利侵害について理解を深めていくことが求められます。
障害者との共生社会の実現を目指す現代の日本社会において、過去に優生保護法のような法律があったこと、人々の心の中に残る優勢思想的な考え方について、より深く考察していくことが求められています。
(3)社会サービス・制度を利用する際の権利侵害
利用者が本来利用することができる社会サービスや制度、その他の社会資源について、利用者が理解できるように情報提供が行われていなかったり、相談や支援の体制が十分でなかったりし、適切にそれらを利用・活用することができずに、生活上の支障をきたしていることがあります。これも利用者の社会生活上の権利を侵害している状況といえます。
どのようにしたら社会資源をスムーズに利用・活用できるのか、社会サービス・制度が本来の目的を果たすことが出来るのかについて、利用者の立場から検討することが必要です。
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