【❶重症心身障害の人へのコミュニケーション支援】脳性麻痺と知的障害の特徴 vol.463

こんにちは 介護ラボのkanaです。「コミュニケーション技術」の中から『重症心身障害』について。今日はコミュニケーション支援、明日はコミュニケーション技術の2回に分けてまとめていきます。

重症心身障害の特徴

Contents

1.重症心身障害の人へのコミュニケーション支援
 1⃣重症心身障害の特徴
 2⃣重症心身障害がもたらす日常生活コミュニケーションへの支障
 (1)脳性麻痺
 (2)知的障害
 (3)話し言葉の理解

1.重症心身障害の人へのコミュニケーション支援

1⃣重症心身障害の特徴

重症心身障害児の概念は、児童福祉法により定められており、「重度の知的障害及び重度の肢体不自由が重複している児童」とされています。介護福祉職のコミュニケーション支援は、重症心身障害者の生活の質に直結するので、重症心身障害の療育に果たしている役割は大きくなります。

重症心身障害児と成人の脳血管障害の後遺症との違いは、前者は発達上の障害であるという点です。成人の場合、既に獲得されている機能の損失という形を取ります。

重症心身障害児では、介護や教育、医療の援助のもとで、機能が徐々に獲得されていきます。

2⃣重症心身障害がもたらす日常生活コミュニケーションへの支障

重症心身障害におけるコミュニケーション支援はを考えるためには、「脳性麻痺の特徴」と「知的障害の特徴」の2つの視点が大切です。

(1)脳性麻痺
脳性麻痺とは?

脳性麻痺は、1968年(昭和43)の『厚生省脳性麻痺研究班会議』資料によると、「受胎から新生児(生後4週以内)までの間に生じた脳の非進行性病変に基づく、永続的なしかし変化しうる運動及び姿勢の異常である」とされています。

脳性麻痺にみられる筋緊張や姿勢維持の障害は、

  • 呼吸
  • 循環
  • 消化
  • 吸収

などの、生命維持のための基本的機能に影響を与えます。

コミュニケーション支援にあたっては、対象者1人ひとりについて、筋緊張に対する対応や、最適な姿勢の保持の仕方について、医療スタッフや理学療法、作業療法のスタッフより情報を得ることが大切です。

(2)知的障害

知的障害の程度については、「大島の分類」が参考になります。大島の分類では、重症心身障害の区分はIQが35より低く、運動障害の程度は「座れる」または「寝たきり」である区分に、主として相当するとしています。

大島分類

そして、コミュニケーション支援では、話し言葉の理解の程度が大切な基礎情報になります。なお、言語発達の研究結果から、生活場面の言葉について療育している大人が「理解の有無」を直接評価する方法が効果的であることが分ってきました。

特別支援学校の生活場面で良く用いられる言葉20個について、約80名の重症心身障害児について担任教員と副担任教員で理解単語数を検討したところ、2人の教員の判断した理解単語数の差が10単語以内であった児童は約75%でした。

このことから、重症心身障害児の療育にあたっている大人は、児童の理解単語数をよく把握していることが指摘されています。

(3)話し言葉の理解

話し言葉の理解に至る発達は「定型発達児」におても、生後6か月ごろから始まり、1歳半まで掛かることが分ってきました。生後6か月ですから、特定の話し言葉に対して、特定の応答行動を示すことはありませんが言葉の学習は始まっています。

定型発達児とは?

定型的な発達を示す児童の総称。非定型な発達を示す児童と対比される。

上記のことから、重症心身障害児のコミュニケーション支援を考えるうえでとても大切です。重症心身障害児では、明瞭な応答行動を表出することはなくても、話し言葉の学習が進行している可能性はとても高いことを指摘できます。

生後6か月では、話し言葉に注意を向けることが出来ます。

次に、8か月~10か月にかけては、馴染みのある音声パターンとして単語を認知するようになります。良く知っている人が話しかける時と、馴染みのない人が話しかける時とでは、表情や発声が違うことを理解します。

その次は、単語を認知的に意味理解する段階です。馴染みのある単語の中でも、「いただきます」のような特定の単語や特定のカテゴリーの単語に対して良好な反応を示す段階でもあります。

最後に、記号として意味を理解するようになります。「ネコ」と言われると、色々な種類動物でも猫の方を見ることが出来ます。

重症心身障害児は、このような話し言葉の記号としての理解が成立する前の段階におり、周囲の人からの働きかけを受けて、言葉の意味理解を進めている途上にあるといえます。

コミュニケーション

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