【❶肢体不自由:脊髄損傷】損傷レベルと感覚・膀胱・直腸機能障害とは? vol.133

こんにちは 介護ラボ・カナログのカナです。

以前【①肢体不自由(運動機能障害)】脊髄損傷レベルと介助方法 vol.72、を書いたので、重複部分が沢山ありますが、今日から福祉住環境の視点をまとめていきます!

受傷原因と治療方法

Contents

1.脊髄損傷の特徴
2.受傷原因と治療・リハビリテーション
3.脊髄の損傷レベルと到達可能なADL
4.生活上の配慮・工夫と福祉住環境整備
 1⃣感覚障害
 2⃣膀胱機能障害
 3⃣直腸機能障害

1.脊髄損傷の特徴

脊髄損傷とは?

脊髄損傷とは?
外傷や疾病などにより脊髄が損傷を受けた状態をいいます。脳とからだの各部位を結ぶ神経の連絡路が障害されることから、「運動機」「知覚機能」「自律神経」が障害を受け、麻痺などが出現します。

脊髄は、上から頸髄(C1〜C8)、胸髄(T1〜T12)、腰髄(L1〜L5)などに区分され、損傷を受けた位置により障害の状況や自立可能なADLがある程度予測できます。

◉上部の脊髄損傷 ▶︎ 呼吸障害、四肢麻痺など重篤な機能障害を示し、ADLは全介助となる。移乗動作も困難になるため、福祉用具の導入も必要になります。

◉下部の脊髄損傷 ▶︎ 上肢、特に手指の筋肉に麻痺が残り、自助具及び介助が必要となる場合があります。

・胸髄損傷 ▶︎ 体幹と両側下肢が障害された両下肢麻痺(対麻痺)
・腰髄損傷 ▶︎ 両側下肢が障害された両下肢麻痺(対麻痺)

脊髄の損傷の程度により「完全麻痺」と「不完全麻痺」に区分されます。

・完全麻痺 ▶︎ 脊髄の断面が完全に切断された状態。損傷レベル以下の運動神経麻痺と知覚障害が見られます。

・不完全麻痺 ▶︎ 神経断面が多少でも繋がっている状態。損傷レベル以下の神経がつながる一部の運動機能や知覚が残存。

肢体不自由とは?

上肢や下肢ないし体幹に運動機能障害があり、日常生活に不自由をきたしている状態のこと。中枢神経の障害が原因であるため、運動機能だけなく、感覚、高次脳機能、自律神経機能など複数の障害を併せ持つことになります。

2.受傷原因と治療・リハビリテーション

受傷原因とは?
交通事故が最も多い。高所から転落、スポーツ外傷(水泳、スキー、ラグビーなどが多い)が続きます。

◉損傷レベルに応じた、リハビリテーションが不可欠となります。

◉ADLを自立させるために、福祉用具の活用や住環境の整備が有効です。

3.脊髄の損傷レベルと到達可能なADL

脊髄の損傷レベル・ADL

損傷レベル
□運動機能 ◆ADL ◇移乗・移動方法 ▪️必要な自助具・福祉用具

C1ーC3
□首を動かせる
□呼吸障害がある
□上肢、下肢、体幹のすべてが麻痺
◆全介助
◆呼吸、唇、舌、顎の動きを利用したスイッチ操作が可能
◇特殊な電動車いすを操作して移動
▪️人工呼吸器
▪️特殊な電動車いす
▪️環境制御装置
▪️特殊寝台

C4
□自発呼吸は可能
□肩甲骨をあげられる
◆全介助
◆頭につけた棒や口に棒をくわえて動作が可能(パソコン操作、ページめくりなど)
◇特殊な電動車いすを操作して移動
▪️特殊な電動車いす
▪️ヘッドポインター
▪️環境制御装置
▪️特殊寝台

C5
□肩と肘、前腕の一部を動かせる
◆手を用いた動作以外、殆どのADLは要介助
◆スプリント(上肢装具)付きの自助具を用いて、食事、習字、ひげそりなどが可能
◇平地ではハンドリムに工夫した車いすの駆動が可能
▪️電動車いす
▪️ハンドリムに工夫した車いす
▪️車いす用滑り止め手袋
▪️スプリント(上肢装具)付きの自助具(食事、習字、ひげそり用など)
▪️環境制御装置
▪️特殊寝台
▪️リフト

C6
□肩の力はまだ不完全
□肘を曲げるのは可能だが伸ばせない
□手首を上げるのは弱い
□プッシュアップが可能
◆ADLは中等度〜一部介助(住環境のきめ細かい設定が必要)
◆自助具を用いて食事、 習字、ひげそりなどが可能
◆上半身の更衣が可能
◆ベットのサイドレールやロープ等を用いて起き上がりや寝返りが可能
◇平地ではハンドリムの工夫した実用的な車いすの駆動が可能
◇ベットと車いすの移乗が一部の人で可能(前後方向)
◇改造自動車の運転が一部の人で可能
▪️ハンドリムに工夫した車いす
▪️電動車いす(屋外用)
▪️自助具(食事、習字、ひげそり用、更衣、入浴用など)
▪️バスボード
▪️特殊寝台
▪️リフト

C
□手関節までの動きはほぼ完全である
□手首の屈伸が可能
□プッシュアップが可能
◆ADLは一部介助〜ほぼ自立(住環境のきめ細かい設定が必要)
◆自助具なしで食事が可能
◆整容と更衣が自立
◆起き上がりや寝返りが可能
◇標準形車いすで移動
◇ベットと車いすの移乗が可能(横方向)
◇便器と車いす
の移乗が可能
◇改造自動車の運転が可能
▪️車いす
▪️入浴用自助具
▪️バスボード

C8ーT1
□上肢が全て使える
◆車いすでのADLが自立
◇車いすで段差の乗り越えが可能
◇改造自動車の運転と車いすの搭載が可能
▪️車いす
▪️入浴用自助具

T2–T6
□体幹のバランスが一部安定する
◆簡単な家事動作が自立
▪️車いす

T7–L2
□体幹のバランスがほぼ安定する
□骨盤帯の挙上が可能
◆福祉住環境整備により、家事、仕事が可能
◆スポーツが可能
◇実用的な車いすで移動
◇実用性は乏しいが、装具と松葉杖で歩行可能
▪️車いす

L3–L4
□体幹は安定する
□下肢が一部動く
◆ADLは全て自立
◇短下肢装具と杖で歩行可能
▪️短下肢装具
▪️杖

L5–S3
□足関節の動きが不十分
◆ADLは全て自立
◇歩行自立

4.生活上の配慮・工夫と福祉住環境整備

頸髄や胸髄の損傷により、「感覚障害」「膀胱機能障害」「直腸障害」が生じることがあります。下記に詳しくまとめていきます。

1⃣感覚障害

移乗時の受傷予防

移乗時の受傷予防
残存髄節以下の温冷感・触覚・痛覚などの感覚が麻痺するため、ベットから車いすへの移乗時、浴槽への出入り時、便器への移乗時に受傷することがあります。
※ぶつける可能性のある箇所にクッション材を付け、台などの角は面取りして丸みを持たせます。

褥瘡予防 ▶︎ 長時間車いすに座っている場合、少なくとも1時間に1回はプッシュアップを行い、座骨部を徐圧。プッシュアップが出来ない頸髄損傷者では、からだを側方に傾けるとよい。車いすには必ずクッションを使用します。ベットから車いすに自力で移乗する場合、滑りやすく、臀部に剪断力(ずれ力)が掛からない素材のシーツなどを使用します。

やけど予防 ▶︎ 入浴時に熱湯がかかっているのに気付かず、やけどをすることがあるので注意が必要です。

2⃣膀胱機能障害

膀胱機能障害

使用する尿器具や排尿方法は、損傷レベルや膀胱機能の回復状態に応じて様々です。
排尿の場所(自宅、外出時、仕事場)や、生活時間(就寝時、日中)によって使用する場所や尿器具を把握します。トイレは寝室や居間近くに設置することが必要です。

3⃣直腸機能障害

直腸機能障害

脊髄を損傷した殆どの人が、正常な便意と排便コントロールを失い、慢性期には便秘傾向になります。※イレウス(腸閉塞)の発生に注意して、緩下剤、座薬、浣腸などの薬剤使用により、定期的な排便習慣を確立する必要があります。

◉排便方法は症例によって異なります ▶︎ 坐薬の挿入、浣腸、摘便などを、どこでどのような姿勢で行うかを把握、手すりの取り付け位置、便器と壁の距離や配置、便器の形状を決めます。

◉排便に時間がかかる場合があります ▶︎ 空調整備や冷暖房設備、クッション性のある便座の使用を考慮します。

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