【❸入浴の介護】個浴での23の介助方法、留意点と根拠について vol.562

こんにちは 介護ラボのkanaです。今日は「生活支援技術」の中から『入浴の介護』について。様々な入浴方法を細かく12回に分けて書いていきます。今日は3回目です!

胃ろう・膀胱カテーテルを挿入している場合

Contents

1.個浴での介助方法
 ◉必要物品
 1⃣浴室での23の介助手順と留意点・概要
 (1)胃ろうカテーテルを挿入している場合
 (2)膀胱カテーテルを挿入している場合
 (3)気管切開している場合
 (4)ストーマをつけている場

1.個浴での介助方法

今回は個浴での23の介助方法と、胃ろうカテーテル・膀胱カテーテル・気管切開・ストーマを付けている人への介助方法についてまとめていきます。

◉必要物品

個浴での必要物品

〈必要物品〉
フェイスタオル2枚、洗身用具、バスタオル1~2枚、バスマット、洗面器、シャンプー、リンス、石鹸、ヘアブラシ、湯温計、滑り止めマット、シャワーチェアー、シャンプーハット(必要に応じて)、ドライヤー、着替えの衣類(下着、上着、おむつ、尿取りパッドなど利用者に応じて)、など
※着替えの衣類を一緒に準備します(自己選択)

1⃣23の介助手順と留意点・概要

浴室での23の介助手順と留意点・概要

介助手順: 利用者に入浴の目的・内容を説明し同意を得ます。気分や体調を確認し必要な物品を整えます。
留意点と根拠】➡利用者の意向を確認し、自己決定を尊重します。これから行う介助の方法・手順を理解してもらいます。
※介助内容を知ることで、利用者が安心・納得して行為を行うことに繋がる。

介助手順: 脱衣室・浴室の温度を調節します。
留意点と根拠】➡24±℃に調節します。
※温度差をなくすことで、ヒートショックを予防する。また利用者が寒さを感じないようにする。

介助手順:浴槽に湯をはります。
留意点と根拠】➡38~41℃の湯をはります。
※副交感神経が優位になる温度にすることで血圧を高めずリラックス出来るようにする。

介助手順:必要な補助具(バスボード、シャワーチェア、浴槽台、滑り止めマット、、手すりなど)を準備します。
留意点と根拠】➡安全と自立に配慮した環境を整えます。

介助手順:利用者を脱衣室に誘導します。必要に応じて介助します。
留意点と根拠】➡利用者の移動能力に応じた方法で安全を確保します。

介助手順:立ち室で椅子に座って服を脱いでもらいます。必要に応じて介助します。
留意点と根拠】➡関節可動域に制限がある場合、制限の少ない側(健側)から脱衣します。※脱健着患

介助手順:タオルで陰部を隠します。
留意点と根拠】➡羞恥心に配慮します。
※プライバシーの保護は、利用者の人格を尊重することに繋がる。

介助手順:浴室に移動します。必要に応じて介助します。
留意点と根拠】➡動線上に手すり等が無い場合は、介助者が杖や手すりのかわりをします。プライバシーを守り、利用者のリズムで移動します。
・介助する場合は、利用者が立ったときの重心の近く、腸骨を保持します。

介助手順:シャワーチェア、を温めてから座ってもらい、シャワーの湯温を確認します介助者が確認した後に利用者の健側の手で確認し、心臓に遠い足元から湯を掛けます。
留意点と根拠】➡やけどを防ぐため、湯温の確認は必ず介助者が先にします。その後、利用者が健側の手で確認します。。
・介助者はシャワーヘッドに指をかけ、温度変化をすぐに察知できるようにします。
※心臓から遠い部位から湯をかけることで、温熱刺激を最小にする。

介助手順:髪を洗います。
・シャンプーを十分に泡立ててから洗い、十分にすすぎます。
・シャワーを使う時はその都度温度を確認します。
・前傾姿勢をとらない方が良い場合、顔を濡らしたくない場合は、利用者に確認してシャンプーハットを使用します。
留意点と根拠】➡ 綺麗にした部分が汚れないように、通常は頭→からだの順に洗います。
※但し、洗う順番は利用者の好みを尊重します。
・泡で汚れを浮かせます。泡立てることで髪と髪がこすれ合ってキューティクル(毛小皮:毛髪の表面を覆っている部分、毛髪の栄養を保持したり汚れが付くのを防いでいる)が傷むのを避けます。
・前傾姿勢は胸郭を狭めます。
◉息を吸う:胸郭が広がる、横隔膜が収縮する(下がる)
◉息を吐く:胸郭が縮む、横隔膜は緩む(上がる)

介助手順:からだを洗います。
・石鹸を十分に泡立ててから洗います。
・利用者が陰部を洗う時、介助者は後ろに立ちプライバシーを守りながら姿勢が崩れないように見守ります。
・背中は用具を使い自分で洗う場合と、介助者が洗う場合があります。
・足は、必要時介助者が洗います。
・からだと床の泡を綺麗に流してから浴槽に移動します。
留意点と根拠】➡洗う順番は利用者の生活習慣に合わせ、自己選択・自己決定を尊重します。
・プライバシーを守り、安全を確保します。
・洗う強さは本人の好みに合わせます。
・足を洗う時は体幹が崩れやすいため、心身の状態に応じた介助方法を選択します。
・滑って転倒しないように、また浴槽の湯を汚さないように、泡を綺麗に流します。

介助手順:シャワーチェアから立ち上がる時に、状態に応じて介助します。
留意点と根拠】➡バランスが崩れないように気を付けます。
・足が滑らずに、利用者の「出来る機能」を十分に発揮できるように準備します。。
※心臓から遠い部位から湯をかけることで、温熱刺激を最小にする。

介助手順:浴槽の湯温を確認します。介助者がかき混ぜてから利用者に確認してもらいます。
留意点と根拠】➡浴槽内の湯温は上下で違うので、介助者がよくかき混ぜながら確認します。
・利用者に温度を確認してもらう時は、桶に汲み取って確認してもらうと利用者の体幹が崩れないので安全です。

介助手順:浴槽に入ります。
・心肺への影響を避けるためなど、半身浴にする場合は、浴槽台を使用するか湯の量を減らします。
・浴槽内では、座位姿勢が安定していることを確認します。
・湯をかき混ぜ湯温を確認して、利用者の好みを尊重し適温にします。
留意点と根拠】➡手すり又はバスボードやシャワーチェアから浴槽に入ります
・麻痺がある場合は、姿勢が安定していることを確認してから、健側の足を入れます。浮力が働くため、健側の足底がしっかりとついていることを確認してから患側の足を入れます。
・患側の足は、健側上肢を使って利用者に入れてもらいます。必要に応じて介助します。
・半身浴で肩が寒い時はタオルをかけるなどして保温します。
※半身浴にすることで心肺に戻る血流量を制限し、心肺にかかる負担を減らす。
・支持基底面に重心線が入っていると安定します。
・足が浴槽の壁に届かない場合でも、足台を使用したり、浴槽の底に滑り止めの材質にしたり、滑り止めマットを設置したりすることで姿勢を保てます。
・長く入ると疲れるため、湯につかる時間は個人の状態によって考慮します。
※浴槽内は温熱作用、浮力作用により緊張を和らげる

介助手順:浴槽から出ます。
・浴槽の壁面に沿っておしりをあげると壁面の滑りと浮力を利用できます。
留意点と根拠】➡浴槽から出る時は、ゆっくりと立ち上がります。
※温熱効果により体表面の血管が拡張する。急な立ち上がりで、起立性低血圧を起こすことがあるためゆっくりと立ち上がる。
・介助者は支持基底面を広く取り、安定した姿勢で支持します。

介助手順:上がり湯を掛け、からだの水分を拭き取ってから脱衣室に移動します。
留意点と根拠】➡体温を奪われるときの冷感や、水滴が床を濡らすことによる転倒のリスクを予防します。

介助手順:足の下と、椅子の座面にタオルを敷いて座り、バスタオルで水分を拭き取ります。
・足の指の間を綺麗に乾かします。
留意点と根拠】➡椅子にタオルを敷くなど、事前に準備をしておくことで、体幹を崩さずに水分を拭き取ることができます。
・からだに水分が残っていると、蒸発する時に体温が奪われ皮膚も乾燥します。

介助手順:必要に応じて保湿剤を塗布します(全身または部分的に)。
留意点と根拠】➡保湿剤は水分を拭き取り皮膚が湿っているうちに塗布し皮脂膜が失われ乾燥するのを防ぐ

介助手順:新しい下着、衣服に着替えます。

介助手順:ドライヤーで髪を乾かします。
・ヘアスタイルを整えながら乾かします。
留意点と根拠】➡頭皮に熱風が当たらないように、介助者の手をかざします。

介助手順:脱衣室または部屋で水分を摂取します。。
留意点と根拠】➡入浴後は水分を摂って休息します。

介助手順:物品の後片付けをします。
留意点と根拠】➡全ての物品、排水溝を洗い乾かします。
※感染予防、事故防止のため。
・介助者も水分を補給することで、集中力低下や疲労・脱水予防など、介助者が要因となるリスクを減らします。

介助手順:記録します。
留意点と根拠】➡利用者の状態や状況を記録します。

(1)胃ろうカテーテルを挿入している場合

胃ろうカテーテルを挿入している場合も入浴することができます。入浴介助は看護職と連携して実施します。

まず、挿入部周囲を湯と石鹸で洗います。

擦ると皮膚を傷めるため優しく洗います。石鹸が皮膚に残っていると皮膚を傷めるため、石鹸の成分を綺麗に洗い流してから、タオルで押さえ拭きをして水分を取り除き乾燥させます。

(2)膀胱カテーテルを挿入している場合

感染予防のために、カテーテルと蓄尿バックは外さずに入浴します。蓄尿バック内の尿を廃棄し、バックが濡れないように注意します。

蓄尿バッグを膀胱よりも低い位置に置きます

(3)気管切開している場合

看護師が入浴前に痰の吸引を済ませておきます。

気管孔周囲が濡れないようにします。そして、気管孔に湯が入らないように気を付けて洗います。

(4)ストーマをつけている場合

体が温まるとストーマからの排泄量が急に増えることがあるため、入浴前に必ず排泄処理を済ませておきます。

浸透圧の関係で、湯が体内に入ることはありません。そのため装具を付けたままでも、外しても浴槽に入ることができます。

入浴後は装具が濡れているのでタオルでしっかり水分を拭き取ります。腹部のストーマ袋と皮膚が接触している部分の湿り気が取れるまで、タオルなどをあてておきます。

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