こんにちは💚 介護ラボのkanaです。今日は「福祉住環境」の中から『廃用症候群』について書いていきます。
老化現象・4つの特性、記憶の仕組みとは??
Contents
1.高齢者の心理
1⃣高齢者と中年者の心理の違い
2⃣高齢者の危機感を和らげる3つの方法
3⃣老化現象・4つの特性
2.加齢に伴う精神機能の変化
1⃣記憶力の変化
2⃣2つの知能の変化
3⃣健忘と認知症の違い
1.高齢者の心理
高齢者は、身体的に機能が低下しているだけではなく、精神的な機能も変化しており、福祉住環境整備を考えるうえでそれを知ることは大切なことになります。これから高齢者の心理及び精神特性をまとめていきます。
1⃣高齢者と中年者の心理の違い
❶50歳~64歳の中年者
・良いライフイベント:自分の昇進や再就職、子どもの入学・就職・結婚、孫の誕生、子どもとの別居など。
・悪いライフイベント:失業、トラブルなどの問題、暮らし向きの急変など。
❷65歳~74歳の高齢者
・良いライフイベント:子どもとの同居などがあるが、数は少ない。
・悪いライフイベント:病気や怪我、配偶者・友人・兄弟との死別など、健康や死に関するものが多くなる。
❸高齢者の4つの喪失体験
①知的機能の喪失、②身体機能の喪失、③社会的役割の喪失、④配偶者や兄弟・友人の喪 ⇒ 孤独感、死への不安感、意欲低下といった状態に陥りやすくなる。
❹4つの喪失体験の克服
人生の要所で心理的危機を乗り越え、一段階ずつ課題を解決して人格的活力を育んできた人は、喪失体験を克服し、死の訪れさえも自然の成り行きとして受容することが出来る英知を持っている。
- ライフイベントとは?
-
結婚、離婚、死別などのように、良悪にかかわらず人生において経験する生活の変化のこと
2⃣高齢者の危機感を和らげる3つの方法
❶定年(引退)に対する危機感
仕事以外の活動あや趣味などに興味を持ち、満足感を得られるように支援することが大切です。
❷体力の衰えや病気に対する危機感
からだの不具合ばかりに注意を向けないようにして、新たな人間関係の構築や精神的な活動などにより幸せを得られるように支援することが必要です。
❸死の予測に対する危機感
いつまでの成功への道のりを歩み続けることによって満足感を得られるようにし、残される家族への気がかりを取り除くように支援することが大切です。
3⃣老化現象・4つの特性
- ❶普遍性:老化や死は誰もが避けがたいこと
- ❷内在性:老化は内的因子として体内にプログラムされているということ
- ❸進行性:老化は年月とともに進行する不可逆的な変化であること
- ❹退行性(有害性):老化による様々な身体の変化は有害に作用するということ
「老化と寿命の関係」
老化とは、人が生まれてから成長し、成熟し、30歳以降から神経機能、心機能、呼吸機能、腎機能、運動機能などの機能が低下し始め、心身機能が衰退していく、人生の後半の過程のことをいい、「寿命」とは異なります。
2.加齢に伴う精神機能の変化
加齢に伴う高齢者の変化は、心理面の変化だけでなく、記憶や知能、注意や思考など様々な精神活動にも及びます。
記憶の仕組み
【外界からの情報】
情報を視覚・聴覚・触覚でとらえる(1秒間保持)
⇓ 覚える(登録)
⇓ 入ってきた情報の中で関心のあるものだけ
【短期記憶】
一時的に情報を登録
⇓ しまう(貯蔵)
⇓ 繰り返し思い出し長期記憶へ転送
【長期記憶】
神経回路を回っているうちに記憶中枢に整理されて貯蔵
⇓ 思い出す(検索)
⇓
【想起】(再生・再現)
1⃣記憶力の変化
高齢者は、情報を把握して「登録する」、内容を整理して「貯蔵する」、長期貯蔵の内容を検索して「取り出す」の各3段階とも、能力は低下していきます。
2⃣2つの知能の変化
❶流動性知能
変化する課題や新しい環境に適応する能力のこと。20歳代にピークを示し、以降は徐々に低下していきます。
❷結晶性知能
学習や経験によって蓄積された知識の積み重ねによって育まれる、賢さ、知恵の源のこと。60歳頃まで上昇し、生涯維持し続けることも可能となります。
- 知能とは?
-
周囲の環境に対処するための総合的な能力のこと。本能や性格と共に先天的な素質や能力であるが、成人や高齢者の場合は、過去の経験や学習の成果が付与された能力となります。
3⃣健忘と認知症の違い
「健忘」とは、頭部の外傷や高熱などよって、一時的に生じる記憶障害になります。新しい記憶を忘れますが、場所や時間の認識が正確で人格も保たれます。
「認知症」とは、新しい記憶や体験を忘れ、「時間」「場所」に関する判断力に支障をきたします。
「記憶・知能以外の変化」
高齢者には自己中心的や柔軟性の欠如、懐疑的などのイメージがもたれることがあるが、その要因として高齢になることで起こる思考や注意への変化があります。例えば、複雑な課題に対する注意機能や抑制機能が低下したり、自己中心的で情緒的、願望的といった傾向がみられるようになります。
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