【認知症の特性】認知症の人を理解するために必要な4つのこと vol.495

こんにちは 介護ラボのkanaです。今日は「認知症の理解」の中から『認知症の特性』について書いていきます。

共感的理解とは??

Contents

1.認知症の人を理解するために
 1⃣生活全体を捉えること
 2⃣個別的に捉えること
 3⃣主観的情報と客観的情報を合わせて捉えること
 4⃣共感的に理解すること
2.まとめ

1.認知症の人を理解するために

認知機能の障害が進行すると、物事を理解する力や判断する力など、生活するうえで必要な能力に支障をきたし、その結果、日常生活や社会活動が困難になります。

介護福祉職は、認知症の人の障害を理解し、1人ひとりが抱える生活のしづらさを支援する専門職です。

そのためには、認知症の人に対して、「認知症」と「人」の両面を理解する必要があります。

1つ目は、「認知症の特性の理解」です。認知症は脳の器質性疾患を原因とする認知機能障害があり、それが遂行機能障害、見当識障害など中核症状を引き起こします。さらに中核症状と様々な要因が影響して、

  • 「徘徊」
  • 「暴力」
  • 「異食」

などの行動症状や、

  • 「幻覚」
  • 「妄想」
  • 「うつ」

などの心理症状が生じます。

特にBPSD(認知症の行動・心理症状)は、中核症状に健康状態、物理的環境や介護者のかかわりなどが影響して起きることが多いことから、中核症状にあわせた健康管理や環境設定、関わりかたの工夫などが求められるため、認知症の特性の理解は重要になります。

2つ目は、認知症の人は疾患にかかる以前からその後まで生き続けている人生史があるという「人としての理解」です。

つまり、長い年月を通じて獲得された知識や経験は、性格パーソナリティ(個性)として認知症の人の言動に大きく影響します。

疾患による症状だけではなく、人としての側面を合わせて理解することで認知症の人の個々の生活を支えることが可能になります。この支援方法は「パーソンセンタードケア」と呼ばれています。

1⃣生活全体を捉えること

生活とは次の4つが有機的に関係して構成されています。

  • 身体的要因:認知症の原因疾患、既往歴、健康状態、ADL(日常生活動作)など
  • 心理的要因:認知能力、コミュニケーション能力、性格など
  • 環境要因:居住環境、人的環境など
  • 社会的要因:社会との繋がりなど

そのため、認知症の原因疾患に伴う中核症状や健康状態、ADL、障害の程度など身体的側面だけを捉えるのではなく、心理的側面や住宅や福祉用具などの物理的環境の影響、家族や近隣住民との関係、フォーマルやインフォーマルな社会資源との繋がりなど、様々な側面での情報収集が必要になります。

このように、生活の多様な側面での情報から、生活は複雑なニーズを持つことがわかります。

例えば、施設入所間もない認知症の人が、認知機能の障害があり体調不良を周囲に伝えることが出来ず、イライラして大声を出したり、不安そうにウロウロしたりします。

すると、慣れない環境に馴染めない事、傷みや疲労、空腹や眠気など体調不良を感じながらも自分でどうしていいのかわからなず周囲に当たり散らす行動は、「環境の影響」「身体的不調による影響」「不安や焦燥感」などの心理的背景などが複雑に絡み合い、言動として現れます。

そのため、様々な側面での情報収集や認知症の人と関わる多職種と連携して情報を共有することは欠かせません。

2⃣個別的に捉えること

この世の中に同じ人は1人としていません。それぞれの生きてきた歴史は経験や知識、記憶の集積です。そこで、個別的な情報に基づく生活上の課題を捉えることが大切になります。

そのためには、細かなアセスメント項目が必要になりますが、多くのアセスメント項目はそれだけ複雑で情報収集の労力も大きくなります。

そこで、認知症の人との関りの初期段階からある程度関係が深まった段階、様々な課題が顕在化した段階など、支援ステージに応じて必要な情報と課題の分析を行うことが求められます。

したがって、アセスメントは1度行えばよいのではなく、支援経過とともに深まっていくものと理解することが大切です。

例えば・・・夕方になると玄関で「家に帰らなければ」と訴える認知症の人には、「帰宅願望」というレッテルを貼ってきました。しかし、夕方に帰宅を訴えることが問題なのではなく、問題はその背景にある様々な要因をわかろうとしない事です。

家に帰る理由を聞いてみると、

  • 「家族が心配している」
  • 「仕事をしないといけない」
  • 「お金を取りに家に戻る」

など、様々な事を理由として訴えています。すると、「帰宅願望」の背景として、「家族が心配」「何もすることがない」「居場所が無くて落ち着かない」ことなど、個々の理由に結び付けてニーズを考えることが出来ます。

したがって、家族との関係、仕事に対する思い、夕方の生活習慣といった個人のこれまでの生活にまつわる情報の収集が重要になります。

3⃣主観的情報と客観的情報を合わせて捉えること

情報には、「主観的情報」と「客観的情報」があります。

主観的情報には、認知症の人の発言、支援者や家族が感じていることや推測したことがあります。これらはとても大切な情報の1つですが、個々の感じ方の違いや様々な考え方の解釈により違いが生じるため、測定などによる数値化や状況の観察記録など、出来る限り客観的に情報を合わせて捉えることが必要となります。

例えば、夜になると「おーい、誰か来てくれ」と大きな声をあげる一方で、日中は傾眠状態になる認知症の人の行動を、食事量や水分摂取量、排尿や排便の状況など別の記録と関連付けて確認すると、食事や水分が十分に摂れていないための脱水による『夜間せん妄』の可能性を考えることが出来ます。

このように、「大声をあげる」「繰り返しトイレに行く」「ナースコールを頻回に押す」などの出来事を、睡眠時間、食事量、水分摂取量、排泄回数、体温などの数値化した『客観的データ』と関連付けることにより、認知症の人が感じている主観的情報で推測することで「体調不良による不穏な行動」とその状況を説明することが出来る場合があります。

このように「主観的情報」と「客観的情報」を関連付けることによって、将来のケアに生かせる情報収集が必要になります。

4⃣共感的に理解すること

人は他者を理解する際に、自分の中にある物差しを使い理解し判断します。これを「評価的理解」又は「判断的理解」といいます。

例えば、認知症の人の言動について「良し悪し」で評価したり、「問題行動」など行動の理由を決めつけたりします。

一方、認知症の人の立場に立って理解することを「共感的理解」といいます。

介護福祉職は対人援助の専門職として、認知症の人の立場に立って理解することや認知症の人の言動を受容するよう努める必要があります。認知症の人の言動を捉え、その背景にある原因を様々な情報により説明することに繋がります。

認知症の人の言動には、一見すると異常とも思える行動や介護者には理解できない言動があります。

しかし、これら認知症の人の言動には多くの場合、意味があります。したがって、

  • 見えている
  • 聞こえている

情報だけが情報ではなく、その背景に潜む要因も情報として推測することで認知症の人への支援が成り立ちます。

認知症の人のうわべだけの言動に対応することは、時としてその場しのぎになることがあります。それでは、真のニーズに対する根本的な解決にはなりません。

あらためて、認知症の人の生活を支えるためには、情報を「多面的に捉える」ことが大切でることを理解する必要があります。

そのため、認知症の人の言動を客観的に捉え、その背景を推測します。次に推測されたことが事実とどのように結びついているのか情報収集と整理を行います。

言動に影響している要因としては、身体不調や認知症の中核症状、薬の副作用などの健康状態や、物理的、人的な環境による影響などがあります。

2.まとめ

認知症の人を理解するため、認知症の特性に関しては医学的な知識に基づく、診断・治療の側面からの情報収集・整理が必要になり、人として生きてきた歴史、性格などのパーソナリティの理解や、その人を取り囲む人的・物理的環境など様々な側面からの情報収集が必要になります。

この情報収集・整理により生活上の課題を明らかにしていく評価方法を「アセスメント」といいます。
アセスメントにより明らかになった生活上の課題を「ニーズ」といいます。ニーズは認知症の人が障害を抱えながら、自分らしく生活をしていく為に必要な事です。


認知症の人へのアセスメントを行う上で前項の4つ、

  • 1⃣生活全体を捉えること
  • 2⃣個別的に捉えること
  • 3⃣主観的情報と客観的情報を合わせて捉えること
  • 4⃣共感的に理解すること

が大切になります。

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