【⑤多職種連携と協働】認知症の人の状態や尊厳に密接に関わる3つの視点 vol.559

こんにちは 介護ラボのkanaです。今日は「認知症の理解」の中から『多職種連携と協働』について5回に分けて書いていきます。今日は最終の5回目です!

認知症ケア6つの基本

Contents

1.認知症ライフサポートモデルが考える支援するために必要な2つのこと
 1⃣認知症ケア6つの基本
 2⃣認知症の人の状態や尊厳に密接に関わる3つの視点
 (1)認知症の人のニーズを捉える「2つの視点」
2.まとめ

1.認知症ライフサポートモデルが考える支援するために必要な2つのこと

認知症の人にかかわる医療・介護サービスの課題を克服するため、これまで多くの認知症ケアモデルが模索されてきました。

例えば、地域社会では、

  • 「コミュニティケアモデル」
  • 「地域啓発モデル」

など。

サービス提供現場では、

  • 「生活支援モデル」
  • 「サービス類型別モデル」
  • 「若年性認知症対応モデル」

など。

個々の専門職モデルでは、

  • 「病態への理解を基盤としたケア技術モデル」
  • 「BPSD発症予防モデル」
  • 「介護過程の標準化モデル」

などです。

以上の通り、支援の場や支援の時期、医療の領域における認知症のとらえ方と介護の領域における認知症のとらえ方などがバラバラに機能していることがわかり、あらためて認知症ケアにおいて多職種連携・協働の重要性を確認することができます。

各々の専門職が認知症ケアに関する基本的な考え方や、医療と介護とを含む統合的な生活支援に対する共通理解をもって、認知症の人に関わることが必要との認識から「認知症ライフサポートモデル」が策定されました。

認知症ライフサポートモデルとは、「認知症の人への医療・介護を含む統合的な生活支援」のことで、医療も介護も生活支援の一部であることを十分に認識し、医療と介護等が相互の役割・機能を理解しながら統合的な支援に結び付けていくことを目指そうとする認知症のケアモデルです。

多職種が認知症の生命・生活・人生を支えていく為には共通の視点が必要になります。

まず、認知症のライフサポートモデルが考える「認知症の人を支えていく為に必要なことは」は2つあります。

認知症の人のニーズを多面的に捉えること:病気を持っている患者という一面だけで見るのではなく、日常を暮らす1人の生活者としても見ることで、その人のニーズを多面的に捉えることができます。

チームケアで取り組むこと:1人の認知症の人に対する支援の方向がバラバラになってしまう原因の1つとして、関わっている複数の専門職がケアの目標を共有出来ていないことがあげられます。認知症の人の生命や生活、人生を支えていくには多職種がチームで関わる必要があり、さらにはそのチーム内でケアの目標を共有すること、また互いの役割や専門性を知ったうえで認知症の人に関わっていきます。

1⃣認知症ケア6つの基本

認知症ライフサポートモデルで考える、「認知症ケアの基本」を6つ掲げます。

❶【本人主体のケアを原則とすること】
・認知症になったから何もわからなくなってしまったと捉えるのではなく、本人がどのような生き方や暮らし方をしていきたいのか、その望みを叶える支援をすることが重要という考え方です。

❷【社会との繋がりを継続しつつ生活の中でのケアを提供すること】
・認知症の人が、今まで暮らしてきた地域社会や人間関係の中で、周りの人の理解や必要であれば医療・介護など、トータルな生活支援を受けながら暮らし続けることを支えていきます。

❸【本人の力を最大限に生かしたケアに取り組むこと】
・認知症だから出来ないと決めつけず、本人の持っている力を可能な限り活用し、生活をすることを支援します。

❹【早期から終末期まで継続的に関わり支援に取り組むこと】
・認知症の人との出会いのポイントをなるべく早くし、しかも地域の中で出会い長く関わっていきます。

❺【家族支援に取り組むこと】
・本人を支援している周りの人、家族の支援も積極的に行っていこうという考え方です。

❻【介護・医療・地域社会の連携による総合的な支援体制を目指すこと】
・介護、医療、地域社会によるサービスが総合化することによって、その人らしい多様なニーズにこたえる支援が可能になってくるという考え方です。

2⃣認知症の人の状態や尊厳に密接に関わる3つの視点

次は、認知症の人の状態や尊厳にかかわる3つの視点についてまとめていきます。

❶「自己決定を支える(自己決定支援)」

❷「住み慣れた地域で継続性のある暮らしを支える(継続性のある暮らし)」

❸「自らの力を最大限に使って暮らすことを支える(自己資源の活用)」

この3つを重視し、かかわりを持っていく必要があります。

前項の6つの考え方と、この3つの視点を、認知症の人に関わる全ての人達が共通認識として理解し、共通の目標をもって協働しながら、認知症の人の生命、生活、人生を支えていこうというのが「認知症ライフサポートモデル」です。

地域の多職種が認知症ライフサポートモデルを理解し協働して認知症の人を支えるチームを構築していくため「認知症ライフサポート研修」があります。

この研修は、医師、看護師、保健師、介護福祉士、社会福祉士などの専門職が参加し、出会いから実際の仕組みづくり、場づくり、チーム作りなどを目的としています。

(1)認知症の人のニーズを捉える「2つの視点」

地域にあることが当たり前であるチームへと発展させていく為の基本目標として、以下の2つがあげられます。

(1)認知症の人ニーズを捉える2つの視点及び、多職種協働の大切さに気付くこと。

・認知症の人を理解するためには「病態に関する視点(医療が担ってきた領域)」

・認知症の人の意思を尊重しながら、「生活・人生を支えていく視点(介護が担ってきた領域)」

この2つの基本的な視点が必要であることを学び、多職種協働やチームケアの重要性に気付くことが求められます。

(2)認知症ライフサポート研修において多職種協働のプロセスを理解し実際の多職種協働の実践に結びつけること

  • 認知症の人の現状把握や情報を共有すること
  • 認知症の人のニーズを捉えること
  • 多職種で目標を共有すること
  • 目標を達成するための方法を考えること

以上を理解し、地域の実情に応じた実際のチーム作りに繋げていくことが大切です。

2.まとめ

複雑で多様な生活ニーズを抱える認知症の人への支援は、多職種協働によるサービス提供が前提になります。

同じ地域で活動する違う職種、違うサービスが一体的なケアを実現させるためには、「共通の考え」「視点」」「目標」が必要です。

認知症ライフサポートモデルを通じてこれからの認知症の人の生活支援を考えていくことが大切です。

認知症

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