こんにちは 介護ラボ・kanalogのカナです。
昨日「発達理論」を書きましたが、今日は・・・
ピアジェ、エリクソン、ハヴィガーストによる発達段階と課題について
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発達段階と発達課題
子どもの成長を継続的に見ていると、徐々に成長していき、発達は連続したものに見えます。
しかし前回の発達理論で取り上げた通り、発達には質的に大きな変化をする転換点があり、発達段階があるという考え方が示されています。
前回の「発達理論」はこちらから・・・
【発達理論】ピアジェ、エリクソン、バルテスの発達論を理解する vol.76
発達段階は、生物としての大きな変化が生じる時期を区切りにして設定され、それをもとに学校教育等の社会的な制度が設計されているといえます。
特に子どもの発達段階は学校制度と密接に連動しています。
社会の中では、各発達段階やその段階において達成や獲得が期待されている課題があり、発達課題と呼ばれています。各発達段階において、発達課題を解決することで、次の発達段階に円滑に移行し、次の発達課題への達成に進んでいくと考えられています。
各発達理論における発達段階と発達課題
1⃣ピアジェによる発達段階
ピアジェは、誕生から青年期にいたるまでの認知発達を、
- 感覚運動期
- 全操作期
- 具体的操作期
- 形式的操作期
の4つの段階に分け、それぞれにおける知的機能の特徴と外界の理解やかかわりについて示しました。
- ✅ピアジェによる発達段階
- 感覚運動期(0~2歳)
⇓
全操作期(2~6歳)
⇓
具体的操作期(6~12歳)
⇓
形式的操作期(12歳から)
※この発達段階については、次回「ピアジェの認知発達理論」で詳しく書きます!
ピアジェの示した発達段階の特徴や修得されていく内容は発達課題と言われているわけではありませんが、その発達段階における認知機能の限界と次の段階での解決を示したものといえます。
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2⃣エリクソンによる発達段階と発達課題
エリクソンは、障害を8つの発達段階に分け、それぞれの段階において社会・文化的に期待されている心理社会的な発達課題を示しました。
そして、各発達段階は、心理社会的な課題の成功と失敗による『心理社会的危機』の分岐点と考えられています。
例えば青年期では"自我同一性(自分自身の社会の中での生き方や役割を選択できること)"を「獲得」することが課題ですが、実際揺れ動く中で「拡散」してしまうこともあります。
最終的に各段階において示された発達課題の解決が優勢になることで、自分自身の存在について肯定的な感情が得られ、次の段階にスムーズに移行していくと考えられています。
なお、後日、長寿化に伴い後期高齢者に対応する第9段階が追加されています。
- ✅エリクソンの発達段:(段階 < 年齢> 🔹心理社会的危機 🔸獲得される人格的強さ)
- 【乳児期 :0~1歳頃】
🔹「基本的信頼」対「基本的不信」
🔸希望
【幼児期 :1~3歳頃 】
🔹「自律性」対「恥・疑惑」
🔸意志
【遊戯期(幼児後期):3~6歳頃】
🔹「自主性」対「罪悪感」
🔸目的
【学童期 :7~11歳頃 】
🔹「勤勉性」対「劣等感」
🔸適格
【青年期 :12~20歳頃 】
🔹「同一性獲得」対「同一性拡散」
🔸忠誠
【前成人期 :20~30歳頃
🔹「親密」対 「孤独」
🔸愛
【成人期 :30~65歳頃 】
🔹「世代性」対「停滞」
🔸配慮
【老年期 :65歳頃~ 】
🔹「統合」対「絶望」
🔸英知
3⃣ハヴィガーストによる発達段階と発達課題
発達課題という概念はハヴィガースト(Havighurst,R.J.)によって提唱されたものとされています。
生涯発達の視点で、発達段階を乳幼児期から老年期まで6つに分け、各段階における具体的な発達課題を示しています。
- ✅ハヴィガーストの発達段階
- ■幼児期・早期児童期(0~6歳)
歩行の学習、固形食接種の学習、しゃべることの学習、排泄の統制を学ぶ、性差及び性的な慎みを学ぶ、社会や自然の現実を述べるために概念を形成し言語を学ぶ、読むことの用意をする、善悪の区別を学び良心を発達させ始める
■中期児童期(6~12歳)
通常の遊びに必要な身体的技能を学ぶ、成長しつつある生態としての自分に対する健全な態度を身につける、同年代の者とやっていくことを学ぶ、男女それぞれにふさわしい社会的役割を学ぶ、読み書きと計算の基礎的技能を発達させる、日常生活に必要な様々な概念を発達させる、個人としての自立を達成する、社会集団や社会制度に対する態度を発達させる
■青年期(12~18歳)
同年代の男女と新しい成熟した関係を結ぶ、男性あるは女性の社会的役割を身につける、自分の体格を受け入れ身体を効率的に使う、親や他の大人達から情緒面で自立する、結婚と家庭生活の準備をする、職業に就く準備をする、行動の指針としての価値観や倫理体系を見につける(イデオロギーを発達させる)、社会的に責任のある行動を取りたいと思いまたそれを実行する
■早期成人期(18~30歳)
配偶者の選択、結婚相手と暮らす事の学習、家庭を作る、育児、家の管理、職業の開始、市民としての責任を引き受ける、気心のある社交集団を見つける
■中年期(30~60歳)
10代の子供が責任を果たせる幸せな大人になるように援助する、大人の社会的な責任、市民としての責任を果たす、職業生活で満足のいく地歩を築きそれを維持する、大人の余暇活動を作り上げる、1人の人間としての配偶者との関係を築く、中年期の生理学的変化の受容とそれへの適応、老いていく親への適応
■老年期(60歳~)
体力と健康の衰退へのの適応、退職と収入の減少への適応、配偶者の死に対する適応、自分の年齢集団の人と率直な親しい関係を確立する、柔軟なやり方で社会的な役割を身につけそれに適応する、満足のいく住宅の確保
ハヴィガースト【Havighurst,R.J.:1900~1991】
アメリカの教育学者。もとは物理・科学が専門であり、やがて教育学を中心とした研究に移行し、教育の立場からの生涯発達論を提唱しました。
ハヴィガーストの発達課題は、各発達段階における、身体的成熟とそれに関連する技能、社会文化的な規定によるもの、個人の価値観や選択によるものについて、具体的な内容をあげたものとなっています。
ある段階の発達課題を習得していないと次の段階の課題の取得に影響があると考えており、習得されるべき内容を示した教育的視点が強いものです。
また社会的環境に強く影響を受けるため現代において当てはまらないものも多くなっています。発達課題は、その時代によって変わっていくものといえます。
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