認知症の理解

【認知症とは何か?】定義と診断基準、認知症状の全体像について vol.65

2020-08-17

こんにちは。介護ラボ・kanalogのカナです。

今日は「認知症について」、何回かに分けて書いていこうと思います!!

認知症の特徴と理解、認知症の全体像をとらえる

Contents

1.認知症の定義と診断基準
 ❶介護保険法第5条の2に規定する認知症
 ❷DSM-5の認知症の診断基準
 ❸認知症初期症状11項目質問票
2.認知症初期に生じる生活の支障(生活障害)
3.認知症の症状の全体像
 ①アルツハイマー型認知症の症状の全体像
認知症の人の示す症状

1.認知症の定義と診断基準

認知症とは

認知症とは?
人の脳には、記憶をはじめ、注意、見たり聞いたりしたものの認知やその分析、意志や行動の決定、様々な作業の遂行などたくさんの認知機能があります。その認知機能が発達して成人になった後に障害を受けて低下し、その結果、生活に支障が生じた状態のこと

認知症の定義
介護保険法 第5条の2では 、認知症は 「脳血管疾患 、アルツハイマー病その他の要因に基づく脳の器質的な変化により日常生活に支障を生じる程度にまで記憶機能およびその他の認知機能が低下した状態」をいう

単に物忘れをするだけでは認知症とは言えず、生活に支障が出て初めて認知症とされるのです。

この介護保険法の定義は、認知症の人の運転を禁じている道路交通法でも使われています。

またWHOの国際的な診断基準であるICD-10では、

①記憶障害あるがあること

②意識混濁がないこと(意識障害ではないこと )

③日常生活動作や遂行能力に支障をきたす症状などが6か月以上継続していること

などを条件に加えています。

一方、アメリカ精神医学会の診断基準であるDSM-5では、❶ICD-10では必須の記憶障害が必須ではなく、❷従来の診断基準では触れられていなかった社会的認知機能(社会脳)が障害された場合でも認知症に含まれるようになりました。

社会脳とは?
社会のルールを守ったり 他者への思いやりのある行動が取れるなどの認知機能のこと。

DSM-5:記憶障害を必須とし、社会脳について触れていなかった従来の診断基準では行動障害が主症状の前頭側頭型認知症と診断できなかった点が、改善された。

アルツハイマー型認知症の場合を例にしてみましょう。

【例えば 物忘れをする利用者へABCさんが認知症かどうかを考えてみます】

Aさん:もの物忘れをしますがその自覚があり、メモ帳をつける対策を講じていて生活には全く支障がありません。⇒おそらくAさんは正常です。

Bさん:物忘れをしますが、その自覚があります。しかし最近は物忘れがひどくなってきて、約束を忘れてしまったり、同じ話を繰り返してしまったりします。ただし生活管理はできています。⇒Bさんは正常とアルツハイマー型認知症の中間段階MCI(軽度認知障害)であると思われます。

Cさん:薬を飲み忘れるようになりました。支援しようとすると物忘れの自覚に乏しく支援を拒否します。⇒おそらくしCさんはアルツハイマー型認知症です。記憶障害という認知機能低下に伴って生活(この例では内服管理)に支障が生じているので認知症の定義を満たしています。

このように目の前の人が認知症かどうかを考える時は

❶低下している認知機能はないか

❷生活に支障はないか

の2点の点から、ともに「あり」で、その状態が「変動せずに何日も続く」のであれば 認知症が強く疑われます。(医師は、①認知テストで認知機能低下を確認し、❷うつ病などの精神障害ではないことや 、❸専門などの意識障害ではないことを確認して認知症の診断します)。

❶介護保険法第5条の2に規定する認知症

介護保険法第5条の2に規定する認知症

脳病変器質的な変化
   ・アルツハイマー型
   ・血管性
   ・その他
   
症状:認知機能低下
   ・記憶機能
   ・その他
   
生活障害:日常生活に支障
   
   ・IADL(手段的日常生活動作)
   ・ADL(日常生活動作)
   ・参加(社会生活)

❷DSM-5の認知症の診断基準

DSM-5の認知症の診断基準(A~Dの全てを満たす)

A:認知障害
6領域(①注意、②学習と記憶、③言語、④遂行機能、⑤運動・感覚(失行・失認)、⑥社会的認知)のうち1領域以上で明確な障害(以前よりも低下)

B:認知障害に基づく生活障害
自立(独立)した生活(金銭管理・服薬管理などの複雑なIADL(生活管理能力)に最小の援助)の困難

C:意識障害
せん妄ではない

D:精神疾患
認知障害は、精神疾患(うつ病や統合失調症)に起因するものではない

❸認知症初期症状11項目質問票

11項目質問票

SED-11Q(認知症初期症状十一項目質問票 )

❶同じことを何回も話したり、尋ねたりする
❷出来事の前後関係がわからなくなった
❸服装など身の回りに無頓着になった
❹水道栓やドアを閉め忘れたり、後片付けがきちんとできなくなった
❺同時に2つの作業を行うと、1つ忘れる
❻薬の管理をしてきちんと内服することができなくなった
❼以前はテキパキできた家事や作業に手間取るようになった
❽計画を立てられなくなった
❾複雑な話を理解できない
❿興味が薄れ、意欲がなくなり、趣味活動などやめてしまった
⓫前よりも怒りっぽくなったり 疑い深くなった

2.認知症初期に生じる生活の支障(生活障害)

認知機能の低下に伴って生活に支障が生じると認知症』という定義を書きました。

 では、どのような生活障害が出現するのでしょうか?

前項に書いた SED-11の11項目を介護者がチェックして、

3項目以上にチェック ⇒認知症が疑われます

アルツハイマー型認知症の初期では平均5~6項目、中期では8~9項目を介護者がチェックしました。

3.認知症の症状の全体像

認知症の人の示す症状は、脳病変の直接的影響を強く受ける中核症状(欧米では認知症状)知覚認知、思考内容・心理状態、行動に異常が出るBPSD(認知症の行動・心理症状)生活症状に大別されます。

この他、終末期には運動麻痺やパーキンソニズム、てんかん、失禁、嚥下障害といった症状も脳病変の結果としてあらわれるので、運動障害も認知症の症状の1つだという理解が必要です。

さらにレビー小体型認知症では病変が脳以外の抹消自律神経系にも広がり、便秘や起立性低血圧、失神などの自律神経障害を引き起こします

①アルツハイマー型認知症の症状の全体像

アルツハイマー型認知症の症状の全体像

認知症の脳病変(神経ネットワークの損傷)

中核症状(認知症状・認知欠損)
記憶障害、見当識障害、理解・判断力の障害、遂行機能障害、病識低下、嗅覚低下

終末期の運動麻痺、失外套(しつがいとう)
自律神経障害  

行動・心理症状(BPSD)
不安、焦燥、うつ状態、幻覚、妄想、奇声、易怒、徘徊、暴言・暴力、不潔行為、その他
 
生活障害( IADL、ADL、参加)
生活管理障害(金銭、服薬)、生活動作障害(更衣など)、参加の障害(家庭内・家庭外)
 
環境因子
物的環境住(住居、地域、騒音や照明)、人的環境(介護者・同居人)、心理状態(不安・不満)、性格や気質や学歴・職歴、遺伝子、薬剤、体調、栄養、他の病気の合併、せん妄の合併

服薬管理を例に取ると・・・

  • 日付が分からず(見当識障害)
  • その日に内服したことを忘れる(記憶障害)

など認知機能の視点では中核症状ですが、内服管理が出来ないという生活の視点では生活管理能力障害です。

  • 錠剤を取り出す作業がうまくできなければ(運動機能の視点)

や手指の運動障害があるかもしれません。

薬は不要だと介護に抵抗すれば、病識低下という認知機能障害(中核症状)であると同時に介護拒否というBPSDでもあります。

大切なことは、症状分類することではなく、認知症の人の示す症状全体を多方面から的確に捉えて全人的に対応することです。その人の認知機能の状態、運動機能や自律神経の状態、生活の状態、心理状態、行動の状態、と多方面からアセスメントすることが必要です。

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kana

はじめまして(^-^)/
介護ラボのカナです。
ブロガー歴2年半(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士として就業中。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」「介護福祉士」 ◉現在福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします♡

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