【❷認知症ケア・環境作り】認知症の人へのケアの原則・20か条とは? vol.406

こんにちは。介護ラボのkanaです。今日は「認知症の理解」の中から『認知症ケア・環境作り』について、昨日から4回に分けてまとめていきます(^▽^)/

「3つの苦難と5つの落差」について

Contents

1.物理的な環境の重要性
 1⃣認知症の人へのケアの原則・20か条
 2⃣3つの苦難と5つの落差

1.物理的な環境の重要性

次項の、「認知症の人へのケアの原則・20か条」は、『室伏君士博士』が1984年に「痴呆老人の理解とケア」(今剛出版)の著書の中でを提唱しました。

1⃣認知症の人へのケアの原則・20か条

室伏君士博士による「認知症の人へのケアの原則・20か条」

Ⅰその人が生きてゆけるように不安を解消すること
①急激な変化を避けること
②その人にとって頼りの人になること
③その人によって安心の場(状況)を与えること
④なじみの人間関係(仲間)をつくること
⑤その人を孤独にし続けないこと
Ⅱその人の言動や心理をよく把握し対処すること
⑥その人を尊重すること
⑦その人を理解すること
⑧その人と生きている時代を同じにすること
⑨理屈による説得よりも共感的な納得を図ること
⑩その人の反応様式や行動パターンをよく把握し対処すること
Ⅲその人を温かくもてなすこと
⑪その人の良い点を見いだし、良い点で付き合うこと
⑫その人を生活的・情況的に扱うこと
⑬その人を蔑視・排除・拒否しないこと
⑭その人を窮地に追い込まないこと(叱責・矯正し続けない)
⑮その人に対して感情的にならないこと
Ⅳその人に自分というものを得させるようにすること
⑯その人のペースに合わせること
⑰その人と行動を共にすること
⑱簡単にパターン化して繰り返し教えること
⑲その人を安易に寝たきりにしないこと
⑳適切な刺激を少しずつでも絶えず与えること

上記の20か条を見ると、その人を取り巻く物理的な環境が非常に重要であることに気が付きます。

見方を変えれば、どれほど介護を充実させても、その物理的な環境が整っていなければ十分な対応が出来ないということを意味しています。

  • 「急激な変化を避ける」
  • 「安心の場(状況)を与える」
  • 「生活的に扱う」
  • 「適切な刺激を少しずつでも絶えず与える」

などは、物理的な環境の側からも積極的にアプローチ出来る内容です。

「理屈による説得よりも共感的な納得を図る」も物理的な環境作りを考える上でのヒントを与えています。

それまで暮らしていた環境と大きく異なる施設に移った認知症の人によく見られるBPSDとして、「帰宅願望」があります。

帰宅願望とは?

願望を抱くだけではBPSDではありませんが、大声を出す、立ち尽くす、抜け出す等の異常な行動を伴えばBPSDになります。

「私の家ではない」「自分の家に帰りたい」と発する人は少なくありません。その場から「自分の家」ではない、ということを感じ取っているのです。

それは、そこにいる人、そこに流れる時間、そこにある空気や雰囲気がそのように感じさせるのだと思いますが、当然そこにある空間である環境もその一因になっている可能性があります。

「ここが今日から〇さんのお家ですよ」と理屈で説得しても、その人が感覚的に「家」だと思えるような環境や状況、安心して居ることが出来る雰囲気が無ければ「家」になりえません。

認知症ケアの中での物理的な側面からの環境作りは、身体的介護と同様に大切なケアの一要素であるという意識を持ち、適切な環境作りに努めなければなりません。

2⃣3つの苦難と5つの落差

施設入所の様相を適切に捉えたものとして「3つの苦難と5つの落差」という考え方があります。

これは、馴染みのない施設という場への入所が、その人に「3つの苦難」を与えるというものです。

  • 第1の苦難→「施設に入る原因その物による苦しみ」:心身機能の喪失、配偶者の喪失など、施設入所の要因には多くの場合、何らかの『喪失』が伴っています。
  • 第2の苦難→「自らコントロールしてきた居住環境システムの喪失」:長く暮らしていた自宅や地域を離れるということは、自分の生活環境をコントロールすることが出来るトータルなシステムでありその人にとって人生の『財産』を失ってしまうことです。
  • 第3の苦難→「施設の中で大きな『落差』」:環境的圧力に直面し、さらに苦しむ

ということです。

その際の『5つの落差』は、

  • 「空間」:施設の空間・生活環境
  • 「時間」:施設に流れる時間
  • 「規則」:施設特有の規則
  • 「言葉」:施設で使われる言葉
  • 「役割の喪失」:最大の落差である役割の喪失

です。

単に介護を受けるだけでは得ることが出来ない「主体として生きる時間」と、その人が家庭や地域で担ってきた「役割」を最も大切なこととして位置づけています。

言い換えれば、その人の存在をしっかりと認めて尊重することといえるでしょう。

この「3つの苦難」と「5つの落差」が、1人ひとりの生きる意欲を奪い、生命力をしぼませてしまうとして、施設における環境作りの重要性を訴えています。

人の立ち振る舞いは、その人が置かれている環境に左右されます。

環境作りは、認知症ケアにおいて必要な一要素でしかありませんが、認知症の人の環境への適応を考えるうえにおいては不可欠な要素であり、認知症ケアの基盤となるものです。

気になるワードがありましたら、下記の「ワード」若しくは、サイドバー(携帯スマホは最下部)に「サイト内検索」があります。良かったらキーワード検索してみて下さい(^▽^)/

ADL BPSD QOL コミュニケーション チームマネジメント バリアフリー ブログについて ユニバーサルデザイン 介護の法律や制度 介護サービス 介護予防 介護保険 介護福祉士 介護福祉職 他職種 住環境整備 入浴 入浴の介護 医行為 喀痰吸引 地域包括ケアシステム 多職種 尊厳 感染症 支援 施設 権利擁護 消火器 生活支援 社会保障 福祉コミュニティ 福祉住環境 福祉住環境コーディネーター 福祉住環境整備 組織 経管栄養 老化 自立支援 視覚障害 認知症 誤嚥性肺炎 障害について 障害者 食事 高齢者


人気ブログランキング

にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村

に参加しています。よかったら応援お願いします💛

Twitterのフォローよろしくお願いします🥺





Follow me!