認知症の理解

【認知症ケアの理念】なぜ理念を重視するのか? vol.393

2021-07-11

こんにちは。介護ラボのkanaです。今日は「認知症の理解」の中から『認知症ケアの理念』について書いていきます。

介護の基本理念と倫理について

Contents

1.理念とは?
2.倫理について
3.実践的に理念を考える
 ●倫理・理念・ケア
4.なぜ理念を重視するのか

1.理念とは?

急速に進む日本の超高齢社会で、介護が必要になっても個人の責任とせず、社会の責任において高齢者の介護を支えるための制度として創設されたのが『介護保険』です。そのため、どのようなサービスであっても高齢者が等しく尊重されるよう、介護保険法では「尊厳」と「自立」をうたっています。

しかも、観念的なものとして捉えるのではなく、日々の実践に繋げられるようにサービス事業所では見やすい所に「理念」を掲げています。

特に、権利侵害や本人の意向が無視されやすい認知症ケアの現場においては、理念を重視する研修が行われています。しかし、介護に携わる人たちの中には、理念を正しく理解し実践に繋げているとは言い切れない状況にある人もいるので、今日は改めて認知症ケアにおける理念について考えてみます。

理念とは?

そもそも「理念」とはどのようなことをいうのでしょうか? そして、介護における「理念」とはどのようなものなのでしょうか?

高齢者や認知症の人が心身ともに健やかな日々を過ごし、その有する能力に応じて自立した日常生活を営むことが出来るように支援することが基本的理念として考えられます。

そのうえで、当事者の意向を重視したサービスの提供が行われています。その前提として、介護福祉職が基本的に備えなければならない3つの視点が、

  • ❶ 人は1人ひとりかけがえのない貴重な命を持った存在で、障害の有無や老若男女、国籍、出身等にかかわらず、人は尊重されなければならない。
  • ❷ どのような人も課題や困難に直面したとき自らの力で解決しようとする力である自己問題解決能力を持っている。
  • ❸ 人を一面で捉えるのではなく、環境や生活歴、社会との関係を含めて全体状況から理解することで、人はみんな同じではなく違った経験の中で価値観を見いだしている。

このような人への眼差しは、理念をつくる上での基本的視点とされています。

理念とは、ある物事についてこうあるべきだという根本の考えのことで、最高の理想的概念だといわれています

2.倫理について

「倫理」について考える

介護の現場において痛ましい事件が続いており、特に介護福祉職により利用者の命にかかわる事件は見逃すことが出来ません。そのため理念をつくる前に人として守らなければならない「倫理」について考える必要があります。

倫理とは、

  • 「モラル」
  • 「道徳」

と言い換えることができ、簡単に言うと「人として守るべき行いや道のこと」を意味します。

介護福祉職として、様々な法律を守り、認知症の人の権利を擁護し、人として守るべき行いや善悪・正邪の判断を理解することは、倫理を考える前提になります。

また、社会を形成し、社会で生きていく上で正しい行動を規定するものとして、倫理の存在は重要です。

介護福祉士においては、職業上の倫理として「倫理綱領」を作成することによって、サービスの方向性を明確にしています。重視しなければならない視点として、

  • 「自立支援」
  • 「プライバシーの保護」
  • 「権利擁護」
  • 「当事者の代弁」
  • 「援助者としての知識・技術の獲得」
  • 「社会の働きかけ」

などが挙げられています。

職業上の倫理は、個人や事業所がサービス提供における責務を果たすために自らの行為を律する基準であり、守るべき規範として考えられています。

3.実践的に理念を考える

理念は倫理の規範のうえに構築されます。具体的に介護を提供するにあたり最も重要だと考える実践の指針となるべき方向性を示したものが理念といえます。

いくら素晴らしい言葉を並べても実践において実現出来ない理念では意味がありません。

目標とする介護が実践されるよう、理念はより高い質と新たな取り組みが行われることによって意味をなすのです。

利用者と介護をするものとが共に支え合う相互関係の中で、本人の自己決定を支援し、その上でプライバシーを守り、当事者の言い分に寄り添い、専門性を高め、社会に対し認知症の理解を深めるための働きかけが理念として求められます。

介護保険制度は、「自立」「自己決定」「生活の継続」の実践が重要です。この3つのキーワードは理念をつくるうえで欠かせない視点といえます。

たとえ認知症であっても自分で出来ることは自分ですることで生きがいや役割が生まれ、自立した生活に繋がります。

また、様々な情報を得ることによって、何をしたいのかを選択し、自ら決定することは、認知症の人の支援では必要な実践課題です。

なじみの環境や生活の仕方の変化は、高齢者や認知症の人にとっては混乱や不安を招きます。私たち介護福祉職が継続性を重視するのは、生きる気力の喪失や疾病の悪化を避けるためです。

認知症ケアの理念をつくるうえで、私たち自身が認知症の人をどのように理解しているか、どのような支援が有効かを考えますが、認知症を疾病として理解する、行動から理解するなど、何を重視するかによって認知症ケアの方向性が明確になります。

●倫理・理念・ケア

【倫理】
・人として守り行うべき道
・普遍的、不変的

【理念】
・生活支援において「こうあるべき」という根本の考え、行動規範
・可変的
 →社会情勢等の影響を受ける。実践に基づきより高い理想の追求、理念の再構築である積み重ねが可能

【実践】
・理念に基づいた生活支援の実践
・基本的視点
 →人間の平等と尊厳・人間に対する肯定的理解・当事者性の重視・自己決定・自立・暮らしの継続

倫理➡理念➡ケア・実践➡理念(再構築)➡ケア・実践・生活支援➡当事者の自己実現 というように、倫理を基盤に重層的かつ発展的な積み重ねが可能。その先には専門性の発揮と進化がある。

4.なぜ理念を重視するのか

介護保険制度は「尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むこと」が出来るようにすることを目指しています。

しかし、認知症の人に対する正しい理解は社会全体に十分広まっているとはいえません。介護福祉職による痛ましい事件も後を絶ちません。

虐待等の権利侵害や差別や偏見、認知症に対する誤解や無理解など様々な問題が、認知症ケアを取り巻く状況だといえます。

ゆえに、私たちの実践規範である倫理や理念が重視され、より質の高い専門性と実践が介護福祉職には求められているのです。

特に認知症ケアは、根治的治療が困難な中、いま、目の前の認知症の人にいかに向き合うかが問われるのです。認知症を抱えながらその人らしく生きることの支援を、介護福祉職がどのような理念のもとに実践しているかが問われます。

そのため、認知症への正しい理解を深め、認知症の人の内なる世界や思いにいかに共感するかが認知症ケアの質を決定づけていくことになります。

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kana

はじめまして(^-^)/
介護ラボのカナです。
ブロガー歴2年半(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士として就業中。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」「介護福祉士」 ◉現在福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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