こんにちは(^▽^)/ 介護ラボ・kanalogのカナです。今回は・・・
さまざま発達理論について
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子どもの発見(ルソー)
子どもの発見とは・・・
- 「子どもは大人とは質的に違う存在だ」
と考えられるようになり、子どもの発達や教育に関心がもたれるようになったことが発達理論が生まれたきっかけといえます。
現代社会では、子供と大人は質的に異なる存在ということは当たり前になっていますが、中世から近世のヨーロッパの社会では、子どもは「小さい大人」ととらわれており、大人と質的に異なるものとはとらえられていませんでした。
それに異論を唱えたのが、ルソー(Rousseau,J.J.)です。
1762年に刊行した著書「エミール」のなかで、子どもは大人とは違う独自の存在であり、教育の大切さを主張しました。
ルソーの主張は、子どもの存在の発見であると言われており、その後の子供の教育の発展に大きく影響し、発達に目を向けるきっかけになったといえます。
ルソー【Rousseau,J.J:1712~1778】
フランスの哲学者。ジュネーブに生まれ若いころ放浪生活を余儀なくされ、独学で哲学等を学び多くの著作を残しました。「エミール」は架空の少年エミールを題材にした教育論ですが、その中の宗教的な記述が教会との対立を引き起こし、迫害を受けることになりました。
フランス革命に大きな影響を与えました。
さまざまな発達理論
(1)ピアジェの均衡化理論
ピアジェ(Piaget,J.)は、自分の子供の知的発達に関する詳細な観察をもとに、「遺伝的要因」と「環境的要因」の相互作用による認知発達理論を提唱し、発達心理学の研究に大きな影響を与えました。
ピアジェは、それぞれの発達段階に特有の「シェマ」と呼ばれる外界への認知の枠組みを想定しました。
こどもは、その段階にシェマを使って外界への認識を行います(同化)。
そのために、発達段階ごとに特有であり、大人とは違う見方や考え方がみられます。
しかしシェマが未発達なことによって、現実の認識や問題解決がうまくいかない場合が生じることがあります。すると、一定の時期になるとシェマの方を調整して変化させることによって、認識を質的に変化させることが出来るようになります(調整)。
この「同化」と「調整」の過程を『均衡化』と呼びます。
遺伝的な認知能力の枠組みがあることが出発点になっていますが、自らの環境への働きかけによって、その枠組み自体が発達していくという相互作用による発達理論です。
ピアジェ【Piaget,J.:1896~1980】
スイスの発達心理学者。最初は生物学を志し、若くして研究が認められていたが、発達心理学に転向し、1920年代ごろから多くの著作を発表し、発達心理学に大きな影響を与えました。
今回は「発達理論」なので、次回「発達段階」について詳しく書いていきます。
『発達理論・エリクソン』記事はこちらから・・・
【ピアジェ】認知発達理論・4段階の発達課題 vol.78
【ピアジェ、エリクソン、ハヴィガースト】発達段階と発達課題 vol.77
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(2)エリクソンのライフサイクル理論
エリクソン(Erikson,E.H.)は、精神分析理論をもとにして、生涯発達を念頭に置いたライフサイクル理論を提唱しました。
精神分析とは?
オーストリアの精神医学であるフロイト(Freud,S.)が創始した無意識の過程を重視した人間理解をもとにした理論。精神医学、臨床心理学だけでなく、思想、文学、芸術等にも影響を与えました。
人としての「遺伝的要因」とそれを取り巻く」「環境的要因」の相互作用において」、エリクソンの理論は『心理社会的発達理論』とも呼ばれ、社会とのかかわりを重視した考え方を示しています。
それまでは遺伝的要因に強く影響を受ける成長に着目することで子供から青年期までととらえられていた発達を、「社会的要因」を重視することで老年期まで拡張した生涯発達として理論化したことが大きな特徴です。
人生を8段階の発達段階とした解決すべき発達課題を示しており、その考え方はその後の発達研究に大きな影響を与えました。
エリクソン【Erikson,E.H.:1902~1994】
ドイツの心理学者。精神分析の創始者であるフロイトの者で学び、アメリカに渡って児童を対象とした臨床心理を専門としました。自身の経験や臨床家としての経験をもとにライフサイクル理論やアイデンティティ理論を構築し、その後の生涯発達研究に大きな影響を与えました。
(3)バルテスの生涯発達理論
バルテス(Baltes,P.B.)は、発達に対する影響要因について理論化し、生涯発達の理論示しました。
発達に影響を及ぼす「遺伝定期要因」と「環境的要因」及びその相互作用を3種類の要因に分け、生涯にわたってそれぞれの要因の影響力が変化することを示しています。
■1つ目の要因は、年齢と関連している成長・成熟に関わる生物的要因とそれに関わる家庭や学校等における環境的要因の相互作用によるもので『標準年齢的要因』と呼ばれています。標準的要因は、学童期には強く働き、青年期にかけて小さくなっていきますが、その後老年期に向けて発達への影響力を強めていきます。子供から青年期までの多くの発達研究はこの要因に着目して期といえます。
■2つ目の要因は、ある世代や集団に共通する経済的状況、戦争、社会的変化などで『標準歴史的要因』と呼ばれています。標準歴史的要因は、特に青年期や成人期の初期の発達に大きな影響を持つと考えられています。
■3つ目の要因は、人生における個人的な出来事です。例えば、転職、転居、自己、失業、離婚など多くの人に生じるわけではありませんが大きな影響を与えるライフイベントによる影響であり『非標準的要因』と呼ばれています。非標準的要因は、年齢と共に影響が大きくなっていき、老年には最も大きな影響を持つ要因となります。
バルテスの生涯発達理論は、生涯の獲得と喪失が混在した過程ととらえています。
子どもの時期には獲得するものばかりで、高齢になると喪失するものばかりと考えられがちですが、どの年齢でも獲得するものと喪失するものがあるということを前提に発達ととらえるべきという考え方です。
その考え方に沿って、老年期における発達と適応に対し「選択的最適化とそれによる補償(選択最適化補償理論)」を提唱しています。
バルテス【Baltes,P.B.:1939~2006】
ドイツの発達心理学者。博士号取得後、アメリカの大学で教育・研究を行っていたが、40歳頃にドイツに帰国しました。
高齢者の知能研究を中核として、生涯発達理論を示しました。
他の『生涯発達』記事はこちらから・・・
【成長・発達の考え方】生涯発達の7段階とは? vol.75
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