相談援助と福祉住環境整備

【①相談援助の基本】個別化の4つの視点と専門的な5つの視点 vol.174

2020-12-04

こんにちは 介護ラボ・カナログのカナです。福祉住環境の中から「相談援助」について、今回と、次回「【②相談援助の基本】ニーズとデマンドの違いとは? vol.175」の2回に分けてまとめていきます。

ストレングスとは?

介護ラボのトップページ(色々なカテゴリーをまとめています) 💛

相談援助とは

福祉住環境における「相談援助」とは、主に社会福祉士などのソーシャルワーカーが行う専門的活動のことです。

福祉住環境コーディネーターは、対象者のニーズを引き出し、それらを正確に把握するために、この相談援助の視点を理解する必要があります。

個別化の4つの視点とは

個別化するためには、下記の4つの視点が大切になります。

  • 対象者を個人として捉える「個別化の視点」は、F・バイステックによる援助関係を形成するためのケースワークの原則の1つで、相談援助の基本原則になります。
  • 相談援助の対象者は、性別、年齢、家族構成、地域特性など基本属性は勿論、障害の原因や程度、住環境、ADL(日常生活動作)、IADL(手段的日常生活動作)なども個人差が大きくなります。
  • 相談援助における個別化の原則では、たとえ同じ障害のある人の事例でも、本人が自分の現在の生活や人生においてその障害をどのように受け止め、どのように感じているのかという本人の側に立った個別化の視点が重要になります ➡︎ 特定の障害や機能低下に対して、画一的な住環境を提供するのではなく、本人の価値観や認識、希望や意向等を尊重することが大切である。
  • 個別化の内容として、本人の「出来ること」や強み、長所にも目を向けることが重要で、ストレングスの視点が大切になります。

1⃣ストレングスとは?

ストレングスとは、元の意味は「強さ、強み」のことで、

  • 援助が必要な人が持っているプラス面

のことをいいます。

具体的には、

  • 「何をできるのか」という能力
  • 「何かをしたいという願望や意欲」

などをいいます。

援助者は、面接等からこれを引き出し、自立を支援します。

自分で解決できるような援助

相談援助の実践において重要な視点は、ニーズや課題を抱えた本人が自分で解決していけるように援助することです。大切なことは課題解決の主体を対象本人におくことです。

対象は「援助してもらう人」、援助者は「援助してあげる人」という一方的な関係に陥らないように注意することが必要です。

信頼に基づく援助関係の形成

あらゆる相談援助の活動に不可欠な構成要素として、援助者と対象者との間に結ばれる「援助関係」があります。この援助関係は、不十分であると相談援助活動そのものが成立しないほど重要なものです。

「介護ラボ」の人気の記事【1~7位】
【ピアジェ、エリクソン、ハヴィガースト】発達段階と発達課題 vol.77 
【比較】エンパワメントとストレングスとは?介護福祉職による支援方法 vol.45 
【老年期】ハヴィガースト、エリクソン、ペック、レヴィンソン、バルテスの発達理論 vol.283 
【介護福祉の基本理念・ポイント3つ】最も大切な理念とは? vol.8 
【障害受容の5つの段階】障害者を取り巻く4つの障壁(バリア)vol.49 
【発達理論】ピアジェ、エリクソン、バルテスの発達論を理解する vol.76 
【アセスメントの3つの視点】情報の解釈、関連付け、統合化とは? vol.195 

1⃣専門的な5つの視点・受容とは?

援助関係を形成するために、福祉住環境コーディネーターには相談援助に関する専門的なアプローチが求められます。対象者と援助関係を結ぶための専門的な視点は、次の5つになります。

  1. 対象者本人と援助者が同じ空間で「一緒に居ること」。
  2. 本人のありのままを受け止めること(受容)。
  3. 本人の感情にアプローチすること。対象者の喜怒哀楽の感情に援助者が歩み寄ることは不可欠な働きかけとなり、とりわけ否定的な感情への適切な対応は重要な意味を持つので、表面化されていないニーズにも注意を払う必要がある。
  4. 会話を有効に活用し、本人の話を傾聴して正確に応答する。
  5. 対象者との協働作業を大切にすること。

「受容」とは?
ここでいう受容とは、本人の存在そのものを価値あるものとして認めること。対人援助の基本原則となります。

「受容」

守秘義務とプライバシー保護

守秘義務とは、専門職が業務上知り得た情報を他に漏らさないという業務上の義務のことです。プライバシー保護の観点から重要となります。

専門職の連携のために必要な情報を共有することが求められた場合は、業務上知り得たことを協働・連携に関わるもの以外に漏らさないことが必須です。

2005年「個人情報の保護に関する法律」が施行され、個人情報の取り扱いについて、社会全体の関心が高まり、援助専門職として守秘義務のあり方が厳しく問われるようになってきています。

社会環境の中で対象者を捉える視点

対象者を「状況の中の人」として捉えることは、相談援助の基本的視点の1つとなります。

対象者は複数の社会環境の中で、人と相互的に作用し合い、関係を保ちながら生活を維持しており、身体の状態の変化によってシステム内での社会関係は大きく変わります。

援助者は人を「点」として捉えるのではなく、社会環境という「面」の中にある人として認識することが重要です。

気になるワードがありましたら、サイドバー(携帯スマホは最下部)にサイト内検索があります。良かったらキーワード検索、もしくは下記をクリックしてみて下さい(^▽^)/

ADL QOL グループホーム ケーススタディ コミュニケーション ノーマライゼーション バリアフリー ブログについて ユニバーサルデザイン 介護の法律や制度 介護サービス 介護予防 介護保険 介護福祉士 介護福祉職 他職種 住環境整備 入浴 入浴の介護 医行為 喀痰吸引 地域包括ケアシステム 多職種 尊厳 感染症 支援 施設 権利擁護 社会保障 福祉住環境 福祉住環境整備 福祉用具 経管栄養 老化 脳性麻痺 自立支援 視覚障害 認知症 誤嚥性肺炎 障害について 障害者 障害者総合支援制度 障害者総合支援法 食事 高齢者


人気ブログランキング

にほんブログ村 介護ブログへ
にほんブログ村

に参加しています。よかったら応援お願いします💛

Twitterのフォローよろしくお願いします🥺





Follow me!

  • X
  • この記事を書いた人
  • 最新記事

kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
よろしくお願いします♡

-相談援助と福祉住環境整備
-, , , ,