こんにちは💚介護ラボのカナです。今回は介護福祉士の視点から、介護保険で利用できる「介護予防」についてまとめていきます!
互助(インフォーマルサービス)と共助(フォーマルサービス)
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介護予防(共助)
介護予防サービスとは、 要支援1、要支援2の人が対象となるサービスで、身体の状態の改善と悪化の予防を目的として受けられるサービスです。できないことを補助するだけではなく、利用者本人のできることを増やし、役割や生きがいなど、生き生きとした生活を送れるように支援します。
介護予防サービスを利用するためには、介護予防ケアプランの作成が必要です(介護予防ケアプランの作成及び相談は無料で、全額を介護保険で負担します)。
介護予防ケアプランは、地域包括支援センターの保健師や、委託を受けた居宅介護支援事業者が作成をします。
- 今後介護が必要になりそうだけどどうしよう?
- どこからが介護?介護サービスってどうやって利用したらいいの?
- そもそも介護なんてできる?
など、不安な気持ちを持っている家族は沢山います。
そこで、介護福祉士の視点から、介護が必要になる前段階の「介護予防」についてまとめていきます。
「まだ介護ってほどではないけれど今後が心配」「このままだとそのうち介護が必要になりそう」そんな不安がある場合は、介護予防のプログラムを受けることで介護状態になるのを事前に防ぐことができます。
もし、介護予防を受けていても改善が見られず、介護が必要になった場合でも、介護予防を受けておくことで、スムーズに介護サービスに移行することもできます。
まだ介護というほどでもない…という時は、介護予防サービスを利用するのは敷居が高いかもしれませんが、今の状況を専門職にアセスメントしてもらい、客観的な状況を判断してもらうことも大切です。
地域包括ケアシステムとは?
日本の今の介護は、「地域包括ケアシステム」の構築が推進されています。
この「地域包括ケアシステム」とは、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることのできる地域の包括的な支援とサービス提供体制の事です。
地域包括ケアシステムとは、
- 「医療」
- 「介護」
- 「予防」→今回の記事
- 「住まい」
- 「生活支援」
の5つを、地域の特性に応じで市町村や都道府県が作り上げることが求められています。
そして、この地域包括ケアシステムの実現に向けて、
- 「自助」→自らの健康管理・セルフケア。市場サービスの購入
- 「共助」→ボランティア活動、住民組織の活動
- 「互助」→社会保険制度・介護保険などのサービス
- 「公助」→生活保護などの社会扶助。一般財源による高齢者福祉事業等
の4つを組み合わせることが大切ですが・・・
今やこれから介護が必要になりそう…と心配な場合は、「互助」と「共助」が重要になります。
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地域活動(互助:インフォーマルサービス)
互助とは、「近隣の助け合いや見守り・声掛け、ボランティア活動」など、地域の支え合いことです。
互助はどちらかというと介護が必要になる前段階の介護予防の時に有効になることが多いです。
例えば、地域の人の見守りや声掛けで、
- 介護が必要な状況なのかな?
- 食事はちゃんと摂れているかな?
- 体調は大丈夫かな?
などの気づきがあり、そこから家族への連絡や介護予防・介護サービスなどに繋がることもあるので、日頃から近所の人との円滑なコミュニケーションをとることがとても大切になります。
そして、実際に介護予防が必要と判断したら、
- 地域包括支援センターや市町村の窓口において「生活上の困りごと」
を相談します。
この時、支援が必要とする人に対して、基本チェックリストを記入してもらい「事業対象者に該当する基準」のいずれかに該当した人が介護予防サービスの対象となります。
上記の基本チェックリストは、高齢者の加齢や生活の状況による心身の変化・衰えのリスクを早期に発見し、介護予防や健康づくりにいかすための様式です。
このチェックリストの25個の質問に応えることで、
- 「生活機能」
- 「運動機能」
- 「栄養状態」
- 「口腔機能」
- 「閉じこもり」
- 「認知症」
- 「うつ」
についてのリスクがわかるように構成されています。
基本チェックリストのリスクに該当した場合は、『基本チェックリスト事業該当者』として、介護予防ケアマネジメントを経て、介護予防・日常生活支援総合事業の利用に繋げます。
介護予防(共助・フォーマルサービス)基本チェックリストの対象者とは?
高齢者との日頃の生活の中で、「基本チェックリスト」に該当するようなことがあれば、大丈夫かなあ?と不安になってくるものです。
この基本チェックリストに該当するようなことがあったら、市町村の窓口で生活支援や介護についての相談をし、担当者より基本チェックリストや要介護認定(65歳以上)の申請の説明などを受けます。
明らかに、介護サービスが必要なケースの場合は基本チェックリストの説明は省略され、要介護認定の申請についての説明が行われることになっています。
基本チェックリストは、65歳以上の高齢者で、明らかに介護サービスが必要だと判断される人ではない下記の方が該当となります。
- 介護予防・日常生活支援総合事業のサービスの利用を希望する人
- 事業対象者の認定を希望する人
- 要支援1の認定を受けていて、介護予防訪問看護、介護予防福祉用具貸与などの介護予防給付サービスを利用していない人
- 要支援1の認定を受けていて、引き続き介護予防・日常生活支援総合事業のサービスの利用が必要な人
基本チェックリストを書くのは誰?
「基本チェックリスト」は、基本的に実際にサービスを受ける高齢者本人が記入します。
そして、基本チェックリスト内容の確認は、主に地域包括支援センターの職員が実施します。
また、地域包括支援センターから業務を委託されている居宅介護支援事業所の職員が実施することもあります。
基本チェックリスト2つの注意点
「基本チェックリスト」の注意点は、「普段の状態についてきちんとはい・いいえで選択しているか」と、「質問の内容を理解し、的確に回答しているか」という2点です。
基本チェックリストは、回答が「はい」「いいえ」の2択になるので、質問の内容を正しく理解していないと反対の回答に丸がついているなんてことがあります。
そして、1番重要なのは、
- 本来の姿で申告しているか
という点です。
どういうことかというと…
- 家族の前や、相談員の前で自分をよく見せようと取り繕ってしまう人が多い
ということがあります。
本人からしたら、まだ大丈夫とか、自分の加齢を認めたくないという意識から、良く見せたいという考えになってしまう人をよくみかけます。
実際に相談に行ったけど、チェックリストで該当する項目が少なくてサービスを受けれなかった…とならないように、普段のありのままの姿を見せることが大切だと事前に話しておくことが重要です。
介護予防の7つのプログラム
介護予防プログラムは、
- 複合プログラム
- 運動器の機能向上
- 栄養改善
- 口腔機能向上
- 閉じこもり予防・支援
- 認知機能低下予防・支援
- うつ予防・支援
の7つがあります。
下記の図は、「運動器の機能向上マニュアル」と「栄養改善マニュアル」ですが、他にも、「複合プログラム実施マニュアル」「口腔機能向上マニュアル」「閉じこもり予防・支援マニュアル」「認知機能低下予防・支援マニュアル」「うつ予防・支援マニュアル」があります。
どのマニュアルも、基本チェックリストに該当した項目についてのプログラムを実施しますが、全体として、
- 事前準備:対象者のスクリーニング
- 事前アセスメント:体力測定、身長・体重の測定、基本チェックリストの作成
- 個別サービス計画の作成
- プログラムの実施
- 事後アセスメント
- 社会参加
上記のような流れになります。
まとめ
「介護予防」とは、健康な生活を長く続け、介護を受ける状態にならないようにすることです。そして、もし介護が必要になった場合、それ以上進行しないように改善していくことも介護予防です。
介護予防は、自立支援のプログラムなので、いずれの場合も、1人ひとりが改善するように努力することが大切です。
介護が必要になる原因はさまざまですが、心身ともに機能低下を防ぐことが重要です。
実際に介護が必要になる前は、
- 生活機能の低下
- 心身機能の低下
- 活動的でなくなる(参加しなくなる)
という変化が徐々にみられることが多くなります。
高齢者のちょっとした変化や、近所の人の情報など、何か変わったことがないか、日々の変化に気付くことが大切になります。
「心身・生活機能」「栄養・口腔ケア」「活動」「参加」それぞれの要素にバランスよく働きかけることが必要なので、日常生活での活動を高め、家庭での活動や社会への参加を促し、生きがいや自己実現のための取組みを支援しQOL(生活・人生の質)の向上を目指すことが重要です。
そして、少しでも「あれ?」と思うところがあれば、市町村の窓口で生活支援や介護について相談することが大切です。
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