社会の理解

【❹高齢者保健福祉】高齢者の健康保持と社会参加 vol.602

2022-02-05

こんにちは 介護ラボのkanaです。今日は「社会の理解」の中から『高齢者保健福祉』について5回に分けて書いていきます。今日は4回目です!

平均寿命と健康寿命とは?

Contents

1.高齢者の健康保持
 1⃣平均寿命と健康寿命
 2⃣高齢者における健康に関する意識
2.高齢者の社会参加

1.高齢者の健康保持

1⃣平均寿命と健康寿命

日本は現在長寿化が進み、平均寿命が延びていることは広く知られるようになってきています。平均寿命については、2016年(平成28年)において男性80.98歳、女性87.14歳となっています。

そしてこれを2001年(平成13年)のデーターと比較してみると当時の平均寿命は男性78.07歳、女性84.93歳であることから、男性が2.91歳、女性が2.21歳、平均寿命が延びていることがわかります。

また一方で、要介護状態や寝たきりの状態となることなく、日常生活が差し障りなく過ごすことのできる期間を「健康寿命」と呼びます。

そして、この健康寿命については、2016年(平成28年)において男性72.14歳、女性74.79歳となっており、これを同年における平均寿命を比較すると、男性8.84歳、女性12.35歳の差が生じていることがわかります。

こうした平均寿命と健康寿命の差については、日常生活に制限が生じる期間といえます。

つまり、平均寿命を延ばすことだけでなく、これと同時に健康寿命も延ばしていき、平均寿命と健康寿命の差を縮めることが重要であり、この点については日本における高齢者保健福祉施策の大きな課題となっています。

2013年度(平成25年)から2022年度までの国民における健康づくり運動を推進するために策定されている「21世紀における第2次国民健康づくり運動(健康日本21(第2次)」においても” 平均寿命と健康寿命の差を縮めることが重要である”と指摘されています。

2⃣高齢者における健康に関する意識

内閣府が2017年(平成29年)に行った「高齢者の健康に関する調査」によると、健康状態について「良い」「まあ良い」と答えた者の割合は52.3%と半数を超えます。さらに、これに「普通」と回答した者を合わせると81.9%になります。

また、高齢者の日常生活全般の意識を把握するために内閣府が2014年(平成26年)に行った「高齢者の日常生活に関する意識調査」によると、高齢者における「将来の日常生活への不安」として、

  • 「自分や配偶者の健康や病気のこと」→67.6%
  • 「自分や配偶者が寝たきりや身体が不自由になり介護が必要な状態になること」→59.9%
  • 「生活のための収入のこと」→37.7%

と続きます。

この調査結果からは、高齢者における日常生活において、健康に関する問題は大きな関心事であり、これを保持することが高齢者の生活にとっていかに重要であるかが分かります。

さらに、健康という概念については、WHO(世界保健機関)が「身体的、精神的及び社会的に良好な状態であり、単に疾病又は病弱ではないということではない」と定義しているように、ただ単に病気でないということではなく、精神的側面や社会的側面も含めて判断していくことが重要です。

2.高齢者の社会参加

内閣府が2013年(平成25年)に行った「高齢者の地域社会への参加に関する意識調査」より、高齢者の社会参加の状況についてみると、2013年度においては61.0%の高齢者が何らかのグループ活動に参加していることが報告されています。

また、1993年度(平成5年)に行われた同調査結果では、当時の高齢者におけるグループ活動への参加が42.3%であるとされており、この両者を比較してみると、高齢者におけるグループ活動への参加は、20年間で18.7%増加していることがわかります。

また、総務省が行った「社会生活基本調査」より、年齢別におけるボランティア活動を行った人の割合である行動者率をみると、2006年(平成18年)では、65~69歳が31.1%、70~74歳が30.0%、75歳以上が19.4%となっています。

また、2016年(平成28年)においては、65~69歳が29.8%、70~74歳が30.0%、75歳以上が20.0%となっており、2006年時点からの10年間では変化が認められないという結果になっています。

2006年(平成18年)におけるすべての年齢を含めたボランティア活動の行動率の平均値が26.2%、2016年(平成28年)では26.0%であることから、高齢者のボランティア参加率は、10年前も現在も相対的に高いといえます。

さらに、高齢者の就業状況についてみると、65歳以上の者の就業者数は2017年(平成29年)時点において807万人となっており、14年連続で前年よりも増加しています。

また高齢者の就業率についても2007年(平成19年)において19.7%あったのに対し、2017年(平成29年)は23.0%と増加しています。

以上のように、日本において多くの高齢者が何らかの社会参加の機会を得ているわけですが、この社会参加については、

  • 高齢者に生きがいをもたらすこと
  • 要介護状態に陥るリスクを軽減させる

といった介護予防に繋がることが知られています。

平均寿命と健康寿命との間に差が生じていることについては、既にまとめたところですが、高齢者の社会参加を促すことが、この両者の差を縮めるることに繋がっていきます。

1人でも多くの高齢者が、それぞれに合った形で社会参加できる社会を作り上げていくことが、今日の高齢者保健福祉において求められているのかもしれません。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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