介護の基本Ⅰ・Ⅱ

【❸感染症対策の考え方】感染症を疑うべき5つの症状とは? vol.321

2021-04-30

こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのkanaです。今日は「介護の基本」の中から『感染症対策』について。今猛威を振るっている「COVID19:コロナ)もありますし、7回に分けてまとめていきます(今日は3回目!!)。

手袋・マスクの付け方と外し方

Contents

1.感染症対策の適切な考え方とその普及
 1⃣感染の恐れがある場合の標準予防策の具体的内容
2.施設内の整理整頓及び生活保持
 (1)居住空間の整理整頓
 (2)手袋の付け方と外し方
 (3)マスクの付け方・外し方
 (4)事業所内の整理整頓と感染症対策準備
3.利用者の健康状態の把握
 1⃣感染症を疑うべき5つの症状

1.感染症対策の適切な考え方とその普及

感染症に対する知識

感染症に関する正しい知識がないと、「この利用者は感染症がないから大丈夫」といった間違った判断で行動しがちになります。標準予防策の考え方を基本に、見えない感染源への正しい対応が求められます。

暮らしの場における感染症対策は、十分に検討を行わないと必要以上に厳しい管理をして、利用者の生活の自由を奪ってしまう恐れがあります。

その一方で、ガウン・エプロンや手袋について利用者の生活の場を大切にしようとして、その使用を控えてしまい、漫然とケアを繰り返してしまうといった事態にもなりがちです。

日常の介護現場では、ガウン・エプロンの装着や手洗いなどは、つい手を抜いてしまう作業になるかもしれません。しかし、必要に応じて感染症対策がとれるか否かは、その後の感染症の発症、流行の時に大きく影響することを介護福祉職は理解しておく必要があります。

どのような場面で手袋やガウン・エプロンを使用するのか、なぜ必要なのかについても心掛けることが必要です。介護のチームだけでなく、物品購入に携わる管理部門の職員や面会者、利用者の家族など、専門知識を持たない人に正しい知識を普及させていく事も介護福祉職の大切な役割となります。

1⃣感染の恐れがある場合の標準予防策の具体的内容

◉血液、体液、分泌物、嘔吐物、排泄物などに触れる時
◉皮膚の傷口に触れる時
⇒手袋の着用。手袋を外した時は手洗いをする。

◉意図せず、血液・体液・分泌物・嘔吐物・排泄物などに触れた時
⇒手洗いをし、必ず手指消毒をする。触れた皮膚に傷がないかを確認し、皮膚に損傷が認められる場合は直ちに配置医師等に相談する。

◉血液、体液、分泌物、嘔吐物、排泄物などが飛び散り、目、鼻、口に汚染する恐れがある時
⇒マスク、必要に応じてゴーグルやフェイスマスクを着用する。

◉血液、体液、分泌物、嘔吐物、排泄物などで衣服が汚れ、他の利用者に感染させる恐れがある時
⇒プラスチック手袋、エプロン、ガウンを着用する。可能な限り使い捨てのものが望ましい。使用したエプロンやガウンは他の利用者のケアをする時には使用しない。

◉針刺し防止
⇒注射針キャップはやめ、感染廃棄物専用の容器に廃棄する。

2.施設内の整理整頓及び生活保持

(1)居住空間の整理整頓

居住空間の整理整頓

介護の現場では施設のユニット化や個室化がすすめられ、利用者個人の居住空間が大切にされるようになりましたが、利用者の中には当然、身の回りの清掃や清潔活動がしにくくなっている人が多くいます。

その一方、整理整頓や清潔を優先するあまり、居住空間に私物を殆ど置かないということでは暮らしの環境としては不適切です。暮らしの状況をアセスメントし、必要な清掃活動について支援をします。

利用者の生活へのこだわりや尊厳に配慮しながら、環境整備の活動を共に行うことが元得られます。その際に、感染源になる可能性がある物品、例えば、

  • 歯磨き用のコップ
  • 歯ブラシ
  • 湯飲み
  • ポット
  • テーブル

などが清潔に整えられているかについて、さりげなく観察しておくことが必要となります。

(2)手袋の付け方と外し方

【手袋の付け方】

【手袋の付け方】
❶手指衛生を行う(手指消毒アルコールジェル)
❷使い捨て手袋の一部をつまみ箱から引き出す
❸片手に手袋を着用する
❹手袋を着用した手でもう1枚取り出す
❺もう片方の手に着用する

【手袋の外し方】

【手袋の外し方】
❶手首の部分をつまむ
❷中表になるように外す
❸中表に外した手袋を手袋をした片手に握る
❹手袋の表面に触れないようにすその内側に手を入れる
❺中表になるように外す
❻廃棄し、手指衛生(消毒)をする

(3)マスクの付け方・外し方

【マスクの付け方】

【マスクの付け方】
❶ノーズピースのある位置を確認する
❷ノーズピースを鼻の形に合わせる
❸あごの下までプリーツを伸ばす
※プリーツが下になっている方が外側、プリーツが上になっている方を内側になるように装着する(外側に菌が付着した時に下に落ちるように)

【マスクの外し方】

【マスクの外し方】
❶マスクの表面に触れないように紐の部分を持つ
❷汚染面に(表面)触れないように外す
❸廃棄する

(4)事業所内の整理整頓と感染症対策準備

居住空間の清潔保持

利用者の居住空間を清潔に整えることと併せて、施設や事業所全体の整理整頓も感染症対策の基本となります。

例えば、フロアで利用者が嘔吐した時に、介護福祉職がすぐに必要物品を手に取って対応できることを想定するなど、日常から誰でもわかる場所に備品の準備をしておくことが求められます。

感染症対策に必要な備品や消耗品をあらかじめ準備しておくことは近年では当たり前のことになりました。しかしその課題として、物品の使用後の補充の不備や、使用しない期間が長いことで、どこに置いているかわからなくなることもあります。

看護職員と連携しながら、様々な場面を想定して物品を揃え、定期的に内容の確認、入れ替えなどを行うことが大切です。

3.利用者の健康状態の把握

高齢期には加齢に伴う身体機能の低下を念頭においてケアに当たることに加えて、個人の特性についての情報を十分得ておく必要があります。

高齢期の疾患をめぐる特徴には・・・

  • 症状・経過が定型的ではなく、非定型で現れることがある
  • 合併症や廃用症候群を起こしやすく、複数の疾患を有する
  • 回復に時間を要し、慢性的に経過する
  • 症状が急変しやすい
  • 意識障害やせん妄を起こしやすい
  • 薬物の副作用が出やすい
  • 脱水や電解質異常を起こしやすい(電解質異常:通常体内のナトリウム(Na)やカリウム(K)などは、腎臓機能により適切にバランスをとっているが、このバランスが崩れることを電解質異常という)。

などがあります。

高齢期の特徴だけでなく、障害特性に応じた注意点を理解しながら、次のような利用者の健康状態について情報を得ます。

  • 利用者の既往歴・現病歴・内服薬の把握
  • 利用者の栄養状態の把握
  • 利用者の日常の様子の把握
  • 感染症の早期発見・早期対応

1⃣感染症を疑うべき5つの症状

高齢者の感染症

感染症を疑うとき、その症状は発熱などから始まることが多いですが、高齢者はその症状分かりにくく、目立たないことがあります。

例えば・・・

  • 食欲がない
  • 元気がない
  • 起き上がりに時間がかかる
  • いつもと何かが違う

といった、その状態の変化が感染症の始まりであることもあります。

下記の5つの症状は「感染症を疑うべき症状」になります。

❶【発熱】
◉ぐったりしている、意識がはっきりしない、呼吸がおかしいなど全身状態が悪い。
◉発熱以外に嘔吐や下痢などの症状が激しい

❷【嘔吐】
◉発熱、腹痛、下痢もあり、便に血が混じることもある。
◉発熱し、体に赤い発心も出ている
◉発熱し、意識がはっきりしていない

❸【下痢】
◉便に血が混じっている
◉尿が少ない、口が乾いている

❹【咳、咽頭痛。鼻水】
◉熱があり、痰の絡んだ咳がひどい

❺【発疹(皮膚の異常)】
◉牡蠣殻上の厚い鱗屑が、体幹、四肢の関節の外側、骨の突出した部分など、圧迫や摩擦が起こりやすいところに多く見られる
◉非常に強いかゆみがある場合や、まったくかゆみを伴わない場合もある

何かの変化に気付いた時は、医療職とその情報を共有することが、感染症の早期発見に繋がると認識することが大切です。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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