コミュニケーション技術

【❷知的障害の人へのコミュニケーション技術】コミュニケーション障害をもたらす3つの要因 vol.458

こんにちは 介護ラボのkanaです。「コミュニケーション技術」の中から『知的障害』について。昨日はコミュニケーション支援、今日はコミュニケーション技術の2回に分けてまとめていきます。

応用や般化の弱さとは?

Contents

1.知的障害の人へのコミュニケーション技術
 1⃣コミュニケーション障害をもたらす知的障害児(者)の学習の特徴と支援
 (1)意欲の低さ
 (2)学習速度の遅さ
 (3)応用や般化の弱さ
 2⃣コミュニケーション障害をもたらす知的障害児(者)特徴と支援技術
2.まとめ

1.知的障害の人へのコミュニケーション技術

1⃣コミュニケーション障害をもたらす知的障害児(者)の学習の特徴と支援

知的障害児(者)の学習には固有ないくつかの特徴があります。代表的なものとして次項から(1)意欲の低さ、(2)学習速度の遅さ、(3)応用や般化の弱さ、の3つをまとめていきます。

般化(はんか)とは?

ある特定の刺激と結びついた反応が、類似した別の刺激に対しても生ずる現象。また、同一の刺激に対して、類似した種々の反応が生じる場合のこともいう。

(1)意欲の低さ

知的障害児(者)の中には、食事、排泄、衣服の着脱などのADL(Activities of Daily Living:日常生活基本動作)になかなか意欲を示さない人もいます。

例えば、空腹であるにもかかわらず目の前にある食物を自ら手を伸ばしたり、取ろうとしない子どもがいます。そのような子どもに対しては、まず

  • 食卓でスプーンを握らせることから始め、
  • 食べ物をすくうこと、
  • それを口まで運ぶこと、
  • 噛むこと、
  • 飲み込むこと

といった1つひとつの動作に分けて働きかける必要があります。

これらの働きかけによって、食べて美味しかったという気持ちや、上手に食べることが出来たという達成感を経験し、その積み重ねが次に食べ物を見た時の食べたいと意欲に結び付けていきます。

この意欲の問題は、その後に続く様々な生活での活動や作業、仕事への取り組みにおいても同様に起こることが多いです。

ADLに比べより複雑でまとまりのある生活での活動や作業、仕事においては特に、

  • 「今、何をするのか」
  • 「それは、どのようにするのか」
  • 「それは、いつまで(どこまで)するのか」
  • 「それは、どこでするのか」

の4つの条件をわかりやすく伝えることが重要です。

分かりやすく伝えるポイント

分かりやすく伝えるポイントとしては、言葉だけに頼ることなく文字カードや絵カードを使ったり、身振りやジェスチャーでやって見せたり、時には直接身体に触れて誘導するなど、理解力に応じて使い分ける必要があります。

(2)学習速度の遅さ

知的障害児(者)は、前項の食事指導のように、ある行動を身に付けるためにその行動をより小さな動作に分解し、それら1つひとつに生活に即して毎日繰り返し教え続けても、それを身に付けるまでにはかなりの時間が掛かるという特徴があります。

すなわち、学習速度の遅さの問題です。

この問題のために支援者は、自分の働きかけが有効であるのかどうかなかなか知ることが出来ません。そこで指導に際し支援者は、この知的障害児(者)の学習速度の遅さを理解して指導に取り組むことと、知的障害児(者)の内面に生じているわずかな変化をいかに察知するかが問われることになります。

(3)応用や般化の弱さ

知的障害児(者)において学習時時間が掛かるという問題は、獲得した行動の応用や般化にも関連することになります。

前項の食事行動においても、知的障害児(者)にとって1つひとつの動作は獲得されても、それらを連続して行えるようになるためにはかなりの時間を要します。つまり、個々の動作を結び付け、もう1つの新たな行動を実現することになかなか発展しません。

さらに、家庭で食事することが出来るようになったからと言って、学校や食堂などの他の場所ですぐに食事ができるかというと必ずしもそうではありません。これが「応用や般化の弱さ」です。

支援者は、知的障害児(者)に対する働きかけをいかにわかりやすく、効果的に行うかという点と共に、例えばADLにおいては、般化や応用の最も高いレベルにある、

  • 他人に不快感や迷惑を掛けない
  • 食事マナーの自立

にむけて、個々の行動をいかに機能化していくかという視点で指導に取り組まなければなりません。

そのためにも知的障害児(者)の学習にはこれらの特徴があることを前もって理解して指導することが重要です。

2⃣コミュニケーション障害をもたらす知的障害児(者)特徴と支援技術

言語・コミュニケーション の特徴

知的障害児(者)の言語・コミュニケーションの特徴としては、知的な障害があるため、自分の思いや考えを言葉で表現することが難しく、相手からの働きかけをきちんと理解した上での受け答えが出来ないことがあります。

また、それまでの学校生活や社会生活において様々な失敗経験を繰り返していることが多いため、受け答えにおいても自分の答えに確信が持てず相手への依存傾向が強くなりがちで、相手が示した例や発した言葉にこだわって答えたり、相手からの答えの手がかりを求めたりする傾向もあります。

さらに、肯定的な答えが望ましく、否定的な答えは望ましくないと思いがちで、あらゆる質問に対して「はい」と答えてしまうなど、偏った答え方をする傾向があります。同様に、

  • 相手を喜ばせたい
  • 相手から認められたい

という願望が強く、相手の望むような答えをする可能性もあります。

従って、知的障害児(者)と話をする時は、普段の行動などから理解力などの能力を多面的に把握し、話された言葉の内容を理解する必要があります。また、特に注意しなくてはいけない事として、

  • 話されたことや受け答えが幼く感じても、決して子ども扱いしないこと

です。さらに、「なるほど」や「うん、うん」などの相槌や頷きを打つような言葉を積極的に発し、

「私はあなたの話を聴いていますよ」

というメッセージを伝え続けることも重要です。

また、その知的障害児(者)が言ったことを、別の語句に言い換える「言い換え」や、言ったことのの全体を要約して返す「要約」などをしながら話を進めていくことで、流れをスムーズにし話の内容がそれないようにしていくことも重要です。

理解力の低さに対しては、言葉だけに頼らず文字や絵、写真などの視覚的は補助手段や身振りやジェスチャーでやって見せることなどを通して、知的障害児(者)の理解を助ける必要もあります。

ただ、理解を進めるためには一方的にはたらきかけるだけでなく、知的障害児(者)自身にも身振りやジェスチャーをしてもらい、理解の程度を確認することも重要です。

2.まとめ

コミュニケーションは、援助者から一方的に話しかけるのではなく、所々で反応を見ながらやりとりをし、理解の度合いを確認しながら話を進めることが大切です。

話を聴く姿勢も、軽く前傾しながらもリラックスした姿勢で話し手の方に向き、話し手の目を適度にみながら、話の内容とマッチした自然な表情をとり、合間に相槌を打って適度にうなずき、相手に対してもリラックスした気持ちになって貰うことを心掛けることが重要です。

コミュニケーション

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kana

はじめまして(^-^)/
介護ラボのカナです。
ブロガー歴2年半(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士として就業中。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」「介護福祉士」 ◉現在福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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