こんにちは💚 介護ラボのkanaです。今日は「福祉住環境」の中から『障害者総合支援法の成立までの流れ』について3回に分けて書いていきます。今回は2回目です!
身体障害者補助犬法
Contents
1.障害者総合支援法の成立までの流れ
1⃣老人福祉法改正
2⃣障害者対策に関する新長期計画
3⃣障害者基本法
4⃣精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
5⃣社会福祉法・知的障害者福祉法
6⃣身体障害者補助犬法
7⃣障害者基本計画
8⃣障害者自立支援法
1.障害者総合支援法の成立までの流れ
前回は、世界人権宣言(ノーマライゼーションの理念)~国民年金法までをまとめました。今回は「老人福祉法(改正)」から書いていきます。
1⃣老人福祉法
1990年(平成2年)、地域住民に最も身近な「在宅福祉サービス」と「施設福祉サービス」が、きめ細かく一元的かつ計画的に提供される体制づくりと、在宅福祉サービスを進めるために『老人福祉法』などの福祉関係8法が改正されました。
その際、「身体障害者福祉法」は、法の目的に「身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進する」理念が加えられ、在宅福祉サービスの位置づけが明確化されました。
併せて、身体障害者更生援護施設への入所措置事務は、市区町村へ移譲されました。
2⃣障害者対策に関する新長期計画
1993年(平成5年)には、「国連・障害者の10年」を経て、今後の新たな取り組みを定めた「障害者対策に関する新長期計画」が決定されました。
これは、
- 「リハビリテーション」と、
- 「ノーマライゼーション」
の理念の下に、完全参加と平等を目指すという考え方を引き継ぎ、これまでの成果を発展させ、新たなニーズにも対応するとしています。
3⃣障害者基本法
同じく、1993年、「心身障害者対策基本法」が改正され、「障害者基本法」となりました。
これは、「国際障害者年」や「国連・障害者の10年」の成果を踏まえて、障害者福祉の現状に適合したものにする必要があったことや、「ADA法」の成立の影響により、障害者を取り巻く社会経済情勢の変化に対応したものです。
1994年(平成6年9には、総理府(現・内閣府)が初めて「障害者白書」を「障害者基本法」第9条に基づいて発表し、以後毎年発行されています。
4⃣精神保健及び精神障害者福祉に関する法律
1995年(平成7年)には、「精神保健法」(旧「精神衛生法」)が改正され、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(精神保健福祉法)」となりました。
これは、「障害者基本法」において、精神障害者が福祉の対象として明確に位置付けられたことによるものです。
障害者対策推進本部の会議において、1996年(平成8年)を初年度として、2002年までの7か年を計画期間とする「障害者プラン~ノーマライゼーション7か年戦略~」が重点施策実施計画として位置づけられました。
5⃣社会福祉法・知的障害者福祉法
1999年(平成11年)、身体障害者福祉審議会、中央児童福祉審議会及び公衆衛生審議会精神保健福祉部会の合同企画分科会において取りまとめられた、
- 「今後の精神保健福祉施策のあり方について」
の意見具申を踏まえ、翌年の2000年(平成12年)に、
- 「社会福祉事業法」→「社会福祉法」
- 「身体障害者福祉法」→「知的障害者福祉法」
などの改正が行われました。
この改正は、障害者のノーマライゼーションや自己決定の理念の実現を図り、障害者の地域生活を支援するため、
- ❶利用制度を変更:障害者福祉サービスの利用方法を従来の「措置」から「契約」へ
- ❷知的障害者及び障害児福祉に関する事務を市区町村へ移譲
- ❸身体障害者生活訓練等事業、知的障害者デイサービス事業など、障害者の地域生活を支援するための事業を法定化すること
などを柱とするもので、❶については、障害者の自己決定を尊重し、利用者本位のサービス提供を基本として、障害者自らがサービスを選択して事業者と対等な関係に基づく契約によりサービスを利用する「支援費制度」として、2003年(平成15年)に実施されました。
6⃣身体障害者補助犬法
また、2002年(平成14年)には、「身体障害者補助犬法」が制定され、良質な身体障害者補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)の育成及び身体障害者補助犬を使用する身体障害者の施設等の利用の円滑化を目的として成立しました。
7⃣障害者基本計画
他にも、2002年には「障害者対策に関する新長期計画」及び「障害者プラン」を引き継ぐものとして、新しい『障害者基本計画』が閣議決定され、具体的目標として「重点施策実施5か年計画(新障害者プラン)」が決定されました。
8⃣障害者自立支援法
2004年(平成16年)、障害者保健福祉施策の改革を目指す「改革のグランドデザイン(案)」が公表され、この案を具体化するために、2005年(平成17年)に「障害者自立支援法」が成立しました。(2006年(平成18年)施行)。
この「障害者自立支援法」の施行により、障害者が地域で暮らせる社会、自立と共生の社会の実現を目標として、「身体障害」「知的障害」「精神障害」別ごとの施策の一元化が図られました。
しかしこの法律は、成立当初から、利用者負担や障害区分など、いくつもの問題点を指摘され、「障害者自立支援法訴訟全国弁護団」が結成されました。
この訴訟について、2010年(平成22年)1月、弁護団と国(厚生労働省)との間で和解が成立し、応益負担制度の廃止を含む基本合意文書の終結も行われました。
その後、2012年(平成24年)6月、「障害者自立支援法」を改正する形で、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)が成立し、2013年(平成25年)4月から施行されました。
今回はここまで。次回は「障害者総合支援法」以降の法律について書いていきます。良かったら見に来てください!
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