こんにちは 介護ラボのkanaです。「コミュニケーション技術」の中から『視覚障害のある人へコミュニケーション』について。今回と、次回「【❷視覚障害のある人へのコミュニケーション技術】基本的な8つのコミュニケーション方法 vol.439、の2回に分けてまとめていきます。
視覚障害の特徴
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視覚障害の特徴と生活への支援
1⃣視覚障害の特徴
視覚障害とは、「目が見えない」又は「目が見にくい」障害です。
身体障害者福祉法では「視覚障害」のことを、
- ①両眼の視力がそれぞれ0.1以下、
- ②一眼の視力が0.02以下で他眼の視力が0.6以下、
- ③両眼の視野がそれぞれ10度以内、
- ④両眼による視野の2分の1以上が欠けている
上記の、①~④の状態が永続するものを視覚障害と定めています。
つまり、視覚障害には、視野が低下している場合と視野が狭窄している場合の2通りがあります。
まず、視力の低下については、その程度によって「盲」と「弱視」に分けられます。
『盲』は、視覚を用いて日常生活を送ることが困難な状態です。光を感じることが出来ない「全盲」から、目の前の手の動きや指の本数が分る場合まで幅があります。印刷された文字である墨字は見えないため、読み書きに点字を使うことになります。外出する際は、白状や盲導犬が必要です。
『弱視』は、不自由さはあるものの視覚を用いて日常生活を送ることが可能です。眼鏡では対応できませんが、拡大鏡を用いるなどして視力低下を補い、墨字を読むことが出来ます。
2⃣視野狭窄、緑内障、網膜剥離とは?
「視野狭窄」とは、視野の一部が欠けたり、狭く見えたり、歪んで見えたりすることです。「緑内障」や「網膜剥離」などが代表的な疾患です。「脳出血」や「脳梗塞」などの後遺症として、視野の半分ないし4分の1が見えない『同名半盲』という症状もあります。
これらの障害とは別に、加齢によって、視力・視野には変化がおこるものであり、次項『高齢者の7つの視覚機能低下』に高齢者によくみられる機能低下を示しました。
明確な障害と判定されていないとしても、多くの高齢者には、「若い頃とは異なる見えにくさ」があり、それを補う手立てがいることを理解しておく必要があります。
- 緑内障、網膜剥離とは?
-
・「緑内障」とは、目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経という器官に障害が起こり、見える範囲である視野が狭くなる病気のことで、治療が遅れると失明に至ることもあります。
・「網膜剥離」とは、眼球の内側にある網膜という膜が剝がれて、視力が低下する病気。痛みを伴わないため気付きにくい。網膜の中心部である黄斑部分まで剥がれた場合、急激に視力が低下し失明に至る恐れがあります。
また近年、視覚機能低下が認知機能の低下をもたらすという報告もあり、日常生活において少しでも見えるように工夫すること、見えない場合は他の手段を使って情報や刺激を与えていくことの重要性が示されています。
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3⃣視力・視野障害がもたらす日常生活コミュニケーションへの支援
人間は80%以上の情報を視覚から得ているといわれています。視力・視野障害があると受け取る情報がかなり少なくなるため、日常生活の多大な影響を与えます。
例えば、コミュニケーションを取る時、顔と名前で相手を確認することが出来ません、また、表情やしぐさを見ながら会話が出来ません。
従って、相手が誰であるのかわからないままコミュニケーションを取らざるを得なかったり、相手の気持ちや、その場の雰囲気などの微妙なニュアンスを捉えることが出来なかったりします。
私たちはそのような雰囲気によって自然な会話のやり取りの間を形成しているので、話と話の間合いも取りにくくなります。
絵や文字で書かれた掲示板などの情報も受け取れとることができないので、1人で目的の場所まで移動することが難しくなりますし、「段差あり」などの危険を察知したりすることもできなくなります。
なお、視野障害の場合は、部分的ですが見える空間があるので、視力障害に比べて幾分日常生活上の支障は減ります。
ただし、一部分しか見えないため、周りで起こっていることの全体像を掴めなかったり、肝心なところが見えていなかったり、掲示板の文字を見る時にかなり時間が掛かったりしますので、周囲の配慮が大切になります。
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