社会の理解

【③少子高齢化による社会保障の影響】社会保障における給付と負担の関係 vol.597

2022-01-31

こんにちは💛 介護ラボのkanaです。今日は「社会の理解」の中から『少子高齢化による社会保障の影響』について3回に分けて書いていきます。今日は最終の3回目です!

持続可能な社会保障制度への道

Contents

1.社会保障における給付と負担の関係
 ◉ライフサイクルでみた社会保険および保育・教育等サービスの給付と負担のイメージ
2.持続可能な社会保障制度への道
3.まとめ (社会保障の給付と負担のあり方)

1.社会保障における給付と負担の関係

国立社会保障・人口問題研究所の「平成28年度社会保障費用統計」によると、2016年度(平成28年)の社会保障給付費は116.9兆円ですが、これを高齢者への給付(高齢者関係給付費)と高齢者以外への給付に分けると、高齢者関係給付費が67.2%であり、高齢者以外への給付が残りの32.8%となっています。

さらに、高齢者以外の給付32.8%のうち、児童・家族関係の給付(児童・家族関係給付費)は6.2%と10分の1以下となっています。

子供や子どものいる家庭への支出割合が少ないことは、日本の社会保障制度が抱える大きな問題です。

◉ライフサイクルでみた社会保険および保育・教育等サービスの給付と負担のイメージ

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※厚生労働省「厚生労働白書 平成24年版」より抜粋

上記の図は、ライフサイクルでみた社会保障の給付と負担の状況を示しています。20代前半までは給付が多いが負担も多く、一方、20代半ば以降60代前半までは給付が少なく負担が多くなっています。

また、高齢期には負担が殆どなく給付が非常に多くなっています。日本の社会保障の給付が高齢者に偏っていることがわかります。

2.持続可能な社会保障制度への道

持続可能な社会保障というと、どのような社会保障給付費を抑制するかという問題にすり替えられてしまう事が多くあります。

しかし、社会保障給付費を抑制することだけが持続可能性を高めるわけではありません。

ソース画像を表示
※財務省「国民負担率の国際比較(OECD加盟35か国 2017年版」より抜粋
国民負担率とは?

上記の図は、国民負担率に関する国際比較です。国民負担率とは、租税負担率(税金の負担率)と社会保障負担率(社会保険料の負担率)を合わせたもので、各国の税金や社会保険料の重さを示しています。

上記の図では、左の国ほど税金・社会保険料の重い国、右の国ほど軽い国といえます。

日本は、35か国中、国民負担率の高い方から27番目となっています。低い方から9番目の、国民負担率の非常に低い国であることがわかります。

つまり、日本の税金・社会保険料は諸外国と比較しても軽いということになります。

このような日本の国民負担率の状況をみると、社会保障を持続可能なものとするためには、先に述べた社会保障給付費を抑制すること以外に、国民負担率を上げることで新たに財源を準備するということなども考えられます。

3.まとめ (社会保障の給付と負担のあり方)

少子高齢化が進む中で社会保障制度の持続可能性を高めるためには、今後、その方法について国民的議論と合意の形成を目指す必要があります。

社会保障制度の持続可能性を高めるために、社会保障給付費を抑制し、社会保障制度を弱めてしまっては元も子もありません。持続可能性を高めるためにもう一方の方法を考慮しなくてはいけません。

それは、社会保障にかけるお金を増やし、社会保障制度をより一層充実させることです。

高齢者の給付を削るのではなく、国民負担率を上げることで新たに財源を準備し、それを現役世代や子どもを対象とした社会保障制度の充実に使う、という発想が必要なのかもしれません。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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