【高齢者の健康の実態】高齢者コホート研究からわかったこと vol.732

こんにちは💚 介護ラボのkanaです。今回は「福祉住環境」の視点から『高齢者の健康の実態』について書いていきます!

進行する高齢社会と高齢者の健康の実態

Contents

1.進行する高齢社会と高齢者の健康の実態
 1⃣高齢者コホート研究
 2⃣長期縦断コホート研究
2.まとめ

1.進行する高齢社会と高齢者の健康の実態

我が国の高齢者数は増加の一途をたどり、2021年(令和3年)における高齢者人口は、総人口の29.1%となり、今後もしばらくは増加の一途をたどることが確実です。

また平均寿命も一時期を除き伸び続けており、女性はおよそ88歳、男性は82歳で、特に女性は20年以上も世界で1,2位を競う長寿国となっています。

このような背景から高齢者の生活の質(QOL)や、健康長寿の延伸に関心が向けられています。

一般に高齢者の生活機能は、体力により規定される部分が大きく、健康で自立した生活を送るためには、体力の維持は欠かせない要素の1つであり、身体活動量を高く維持することが重要となります。

地域における保険施策の提案に当たっては、住環境整備などの行政施策同様、高齢期の体力低下を遅延させる手段や科学的データの蓄積、そして生活機能維持のために包括的なシステムの開発が急務です。

1⃣高齢者コホート研究

これまでの長期縦断研究(特定の対象者を長期間追跡する調査)による、老化の実態データ等の分析から、平均寿命が延び、新しい世代の人々が高齢者になっていくということは、心身ともに若々しく活力があり、しっかりとした生活機能、すなわち自立能力を持った元気な高齢者が増えてくることにほかならない。

この点に関して、東京都健康長寿医療センター研究所(東京都老人総合研究所)が実施している、同一の地域に在住する65歳以上の高齢者に対する、長期縦断研究(TMIG-LISA)から、特に身体機能について1992年(平成4年】及び2002年(平成14年)のコホートのデータを用い、

  • ❶1992年の高齢者コホートにおける10年間の加齢変化
  • ❷1992年と2002年の高齢者コホートにおける横断的比較
  • ❸2002年の年齢階層と相同の分布を示すか

については、研究からも明らかになっています。

特に、1992年と2002年の高齢者コホートの横断的比較では、男女とも2002年コホートで有意に高値を示す項目が多く、運動機能および栄養指標ともに、2002年コホートで著しく向上していることが明らかになりました。

さらに、2002年の高齢者コホートは、1992年コホートのいずれの年齢階層と相同の分布を示すかを、

  • 握力
  • 開眼片脚起立時間
  • 通常歩行速度
  • 最大歩行速度

の4項目の運動機能の分散と平均値から探索しています。

その結果、相同と判断される2つのコホートの分布において、男性では最小4歳(握力、開眼片脚起立時間、最大歩行速度)から最大11歳(通常歩行速度)のずれが認められ、女性では最小3歳(開眼片脚起立時間)から最大11歳(通常歩行速度)のズレが認められました。

男女で最も大きなズレは通常歩行速度(男女ともに11歳)であり、最も小さなズレはバランス能力を示す開眼片脚起立時間(男性4歳、女性3歳)でした。

換言すれば、2002年高齢者コホートが最小で3歳、最大で11歳若返っていることを示しており、少なくとも生活機能の基本的要因の1つの因子である、身体的運動機能の代表的能力はこの10年間で男女ともに確実に強化され、若返っているとみなしてよいことを明らかにしています。

コホートとは?

コホート(英: cohort)とは、共通した因子を持ち、観察対象となる集団のこと。

人口学においては同年(または同期間)に出生した集団を意味する。疫学においてはコホート研究において用いられる母集団を指し、コホートと呼ばれることが多い。

2⃣長期縦断コホート研究

さらに最近、国立長寿医療研究センターで実施されている、地域在宅高齢者を対象とした制度の高い長期縦断コホート研究(LISA-J研究)からのデータを収集し、メタアナリシスによって総合的に分析された研究からも、1992年ー2002年ー2007年ー2017年の25年間における通常歩行速度などの身体機能の変化が明らかにされています。

この大規模研究からも、日本の高齢者はこの25年間で継続的に身体機能が向上しており、いわば若返っていることが報告されています。

メタアナリシスとは?

メタアナリシス(meta-analysis)とは、複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のことである。メタ分析、メタ解析とも言う。

2.まとめ

前項のような科学的データから、現在のわが国の65歳以上75歳未満の前期高齢者の健康度は極めて高く、社会的活力もあって、もはや老人と呼べないような集団を形成してきていることがわかります。

しかし、75歳以上の後期高齢者では、やはり老化に伴う心身の機能や生活機能の低下が少しずつ顕在化してくることも明らかになっています。

特に平均寿命の長い女性では、何らかの介護を必要とするような不健康寿命が長く、生活機能の減弱が顕著となる期間となる可能性が大きいです。

女性における、このような不健康寿命の長期化の最大の原因は、筋骨格系での老化が男性よりも顕著だからです。

元来女性は、

  • 筋肉の量が少なくサルコペニア(加齢性筋肉量減少症)になりやすい
  • 筋力が弱い
  • 骨粗しょう症の発症率が高い
  • 骨折、特に大腿骨頸部骨折の発症が多い

ことなどによります。

高齢者の余命を規定する要因は、単純に疾病のみに帰することは必ずしも適当ではなく、老化に伴う複雑で多因的な要因を背景としていることは数多くの先行研究からも明らかです。

すなわち、高齢者では、

  • 栄養状態の悪さ
  • 身体活動の低さ
  • 日常生活への不適応

が、顕在する慢性疾患の状態を悪化させ、容易に死に至るとされ、高齢者での余命の規定要因の複雑さが存在します。

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