【尊厳を損なう介護と守るための介護】ポイントは4つ vol.31

こんにちは

介護ラボ・kanalogのカナです。今日は・・・

尊厳を損なう介護と守るための介護について

大きく4つに分けて考えていきます。

Contents

1⃣尊厳を傷つけ、損なう可能性とは
2⃣尊厳を損なう介護
3⃣尊厳を守るための介護
(1)利用者の主体性を尊重すること
(2)利用者の自由な意思を尊重すること
(3)利用者の人格や品格を尊重すこと
(4)利用者の存在そのものを価値あるものとして尊重すること
4⃣尊厳を守る介護の中心にある自立支援

1⃣ 尊厳を傷つけ、損なう可能性とは

介護を必要とする人は、生活を営む時に、自力で行うことが困難なところは、他者の支援を必要とします。そして、他者の支援を受けて行動する時、そこには自分の意思だけではなく、支援者の意思も介在します。

つまり、動作や行動に自分の意思が直結しないため、介護を必要とする人の主体性や自由な意思が損なわれることにより、尊厳が侵されやすいのです。

尊厳は、辞書では「尊く厳かで侵しがたいこと」と説明されています。

人間の尊厳を概ね整理すると・・・
① 人間として生を受け、存在していること
② 人格が尊重され、1人の人間として認められること
③ 人間としての生活、人生は自由な意思に基づいていること
④ 他人の道具として存在するのではなく、主体として存在すること
人格とは?

人格とは?
独立した個人としての、その人の人間性。その人固有の、人間としての在り方。

介護福祉職が介護を行うとき、介護を必要とする人がより良い生活を営めるよう、様々な角度から介護の方法を検討し、実践していきますが、その内容や方法がいかに優れた知識や技術を用いて行われる介護であっても、ここにあげた尊厳に反したものであれば、それは介護する側の独りよがりの介護でしかありません。

独りよがりの介護は、場合によっては尊厳を傷つけることになる可能性があります。

尊厳を守る介護の第1歩は、介護によって尊厳を傷つけないこと、損なわないことから始まります。

2⃣ 尊厳を損なう介護

尊厳に結びつくものとして自尊心品格があります。

自尊心や品格は、その人が属する社会や環境、また育ち成長する過程の中で築かれるもので、それを傷つけられることはその人の尊厳を損なうことになります。

●自尊心
自分の人格を大切にする気持ち。また、自分の思想や言動などに自信を持ち、ほかから干渉を排除する態度。『プライド』ともいう。
●品格
その人やその者に感じられる気高さや上品さ

介護を必要とする人(ここでは「利用者」と呼びます)の尊厳を損なう状態とはどのような事か、具体的な事例をあげながら考えてみます。

尊厳を損なう状態とはどのような事か・・・
🔹人から見える状態で排泄させられる
🔹トイレではない場所で排泄させられる
🔹他人にみられる環境で全裸にされる
🔹どこに行くかも知らされず連れていかれる
🔹何かを確認できないものを食べさせられる
🔹伝えたいことがあるのに聞いてもらえない
🔹一方的に言われたことに従わされる
🔹長時間同じ状態のままで放っておかれる
🔹同じものしか見えない部屋で生活させられる
🔹常に人から見られる

これらは一例ですが、利用者の意思が尊重されていない、主体になっていない、人格や品格が傷ついている状態であり、尊厳が損なわれている状態といえます。

利用者をこのような状態におくような介護は、場合によっては虐待に結びつくことも考えられ、絶対にあってはならない事です。

3⃣ 尊厳を守るための介護とは

尊厳を守る介護とは、反面から見れば前項のような状態にならないようにすることといえますが、もう少し具体的に考えてみます。

(1)利用者の主体性を尊重すること

自分の意思と判断によって行動するということは、主体性を有しているといえます。

また、自分の意思と判断によって「行動しないこと」も主体性を有しているといえます。

主体的に決めたことを否定したり、決めたことに反した行動を押し付けたりすることは、主体性を損ない尊厳を傷つけます。

一方で、思考能力や判断能力が困難な人がいます。しかし、意思決定や判断が困難な場合であっても、介護者の決定を押し付けてはいけません。意思決定や判断が困難な人には、

「いくつかの選択肢を示して本人に決めてもらう」

「自ら思考できるようわかりやすい言葉や道具などで思考をサポートする」

などして、可能な限り利用者の意思を引き出す支援をしながら主体性を尊重することが必要です。

(2)利用者の自由な意思を尊重すること

人は誰でも、様々なことを考え、発想し、希望し、判断し、行動します。

それは社会規範などの制限を受けている場合を除いて基本的に自由です。その自由な意思に基づいて行動すること、あるいは行動しないことは尊重されなければなりません。

自由な意思で行動しようとしていることを他人から理由もなく制限されたり、考えそのものを否定されたりすることは、自由意思を否定されることであり、尊厳を傷つけられることだといえます。

もし、自由な意思や判断による行動が、社会規範に反することであったり、行動の結果が明らかに利用者にとってマイナスなことであれば制止が必要かもしれませんが、その場合でも可能な限り利用者の意思を確認しながら、アドバイスや情報提供によって別の思考が出来るよう支援することが求められます。

(3)利用者の人格や品格を尊重すること

人それぞれに、育ってきた環境、生活してきた歴史があり、築いてきた家族や周囲の人との人間関係があります。その過程で確立してきた「自分」という存在は、何ものにも代えがたく、かけがえのないものです。その積み重ねてきた「自分」の人格や品格をないがしろにされることは、屈辱でもあり、尊厳が傷つくことなのです。

利用者の生活してきた歴史を知り、大切にしていることや遠ざけていることなどを理解して、それを尊重した関りや介護をすることが重要です。「排泄はトイレで行う」「全裸の姿を人に見せない」など、人として守られるべきプライバシーを守ることは当然のことです。

(4)利用者の存在そのものを価値あるものとして尊重すること

人は、どのような状態であっても、この世に生を受けて存在していることに価値があり、尊重されなければなりません。自分の思いや希望を意思表示できる人であれば、それにこたえて介護することができますが、意思表示や意思疎通が困難な人の場合、介護者の都合や一方的な価値観による介護をしてしまいがちです。

思考能力が低下していたり、意思表示、意思疎通が困難だったりしても、利用者の尊厳を守る声掛けや介護をしなければなりません。むしろ、意思表示や意思疎通が困難だからこを、利用者を大切にする姿勢が重要です。

4⃣ 尊厳を守る介護の中心にある自立支援

利用者の尊厳を守るためには、その人の自由意思による主体的な生活が営めるような介護を実践することが重要です。

「自立」とは、自ら立てた生活目標、人生目標のために自分が主体となり自分らしい生活をすることです。つまり「自立」は自らの尊厳を自らが守りながら生きる1つの形といえます。

「自立」を適切に支援することは、尊厳を守る介護の中心に位置づけられるものだと言えます。「適切に」とは、「動けるから自力でしてもらう」といった、単に身体機能的な判断のみに基づいて支援するということではなく、その人の意思と意欲、判断に基づいた支援をするということです。

例えば、「トイレに自力で行けるのだからトイレに行くことを促す」というのは、身体機能的な判断だけを根拠にした支援で、適切な自立支援とは言えません。介護者は「トイレで排泄する事」が人としての当然の行為であること、また周囲の人に対するマナーであること、その人の尊厳を守ることにも繋がるということの十分な理解と認識を持ち、それに沿うような言葉かけ、促しを行うことが重要です。

また、利用者の「したくない行為」というものがあります。利用者の周囲への気遣い、マナー、知られたくない自分の姿など、したくない、あるいは見せたくないことを大切にできるようにすることも尊厳を守る介護です。

適切な介護と自立支援によって利用者の尊厳を守り、人生の最期に「生きていてよかった、楽しかった」と思ってもらえるような介護を実践することが介護職の役割でもあり、やりがいでもあります。


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