こんにちは💚 介護ラボのkanaです。今日は「福祉住環境」の中から『道路のバリアフリー整備』について4回に分けて書いていきます。今回は1回目です!
道路バリアフリー化の経緯
Contents
1.道路の政策の歴史
1⃣1999年までの道路バリアフリー化の経緯
◉1999年までの道路の構造と制度(表)
2⃣2000~2013年までの道路バリアフリー化の経緯
◉2000~2013年までの道路の構造と制度(表)
3⃣道路(公園)の条例化(2012~2013年)
1.道路の政策の歴史
1⃣1999年までの道路バリアフリー化の経緯
わが国の道路のバリアフリーの展開は、1973年(昭和48年)の建設省(現:国土交通省)の通達「歩道及び立体横断施設の構造について)から始まりました(下記参照)。
- ◉1999年までの道路の構造と制度(表)
- 【1973年(昭和48年)】
・基準:歩道及び立体横断施設の構造について
→歩車道の段差切り上げ(8%)、視覚障害者誘導用ブロックの敷設等
【1985年(昭和60年)】
・基準:視覚障害者誘導用ブロック設置指針
→視覚障害者誘導用ブロックの形状・配置統一
【1993年(平成5年)】
・基準:道路構造令の一部改正
→歩道の最低幅員2m
【1999年(平成11年)】
・基準:歩道の基準
→歩道における段差及び勾配に関する基準
この時の特徴は、車椅子対策について、道路の段差切り上げの勾配基準を8%にすることや、車椅子使用者が通行可能な90cmの有効幅員の確保、視覚障害者対策として歩行の誘導を支援する機能を持つ視覚障害者誘導用ブロックを規定したことです。
1985年(昭和60年)に、視覚障害者誘導用ブロックの敷設方法などの検討が行われ、1993年(平成5年)には、車椅子使用者が相互にすれ違うことが出来る幅員確保を保障するため、歩道の幅員1.5mを2.0mに変更しました。
2⃣2000~2013年までの道路バリアフリー化の経緯
さらに2000年(平成12年)の「交通バリアフリー法」とともに、「重点整備地区における移動円滑化のために必要な道路の構造に関する基準」が施工されました(下記参照)。
- ◉2000~2013年までの道路の構造と制度(表)
- 【2000年(平成12年)】
交通バリアフリー法
【2000年(平成12年)】
「重点整備地区における移動円滑化のために必要な道路の構造に関する基準」
・駅及び周辺(500m~1,000m)を重点整備地区と定めた。道路について障害者・高齢者がよく使う施設へと続く道路を特定経路と定め、その経路を計画的にバリアフリー化する。
・事業化に関しては道路特定事業としてバリアフリーが促進される
【2003年(平成15年)】
「道路の移動円滑化整備ガイドライン」
・法律で決められた最低基準に加え望ましい基準を定めたものがガイドランである
【2006年(平成18年)】
バリアフリー法
【2007年(平成19年)】
「改訂版 道路の移動等円滑化整備ガイドライン」(道路のバリアフリー整備ガイドライン)
・道路の移動等円滑化基準の整備を行う際の考え方を示すものである。
・具体的には道路を構成する各要素についてそれぞれに関する知見・データの蓄積(条項の開設、統一的に適用すべき数値手法の提示、事例の整備手法の紹介など)
【2011年(平成23年)】
「増補改訂版:道路の移動等円滑化整備ガイドライン」(道路のバリアフリー整備ガイドライン)
・大きな変更はない
【2013年(平成25年)】
地方自治体の道路構造令等の条例化
・道路構造の技術的基準、道路標識の寸法および道路の移動等円滑化基準について各自治体で条例を制定
段差切り下げ基準の勾配について、一般的な地区では8%(1/12)ですが、重点整備地区の場合は5%(1/20)と設計基準を厳しくしています。
その後、2003年(平成15年)に「道路の移動円滑化整備ガイドライン」が発行されました。
2006年に「バリアフリー法」が施工され、これに伴い同法に基づく、移動等円滑化のために必要な道路の構造に関する基準を策定しました。
また、旅客施設や官公庁、福祉施設等を連絡するバリアフリー歩行空間のネットワーク形成があまり進捗していない状況を踏まえ、「移動等円滑化のために必要な道路の構図に関する基準」を策定しました。
なお、道路の移動等円滑化整備ガイドラインについては、2011年(平成23年)の「増補改訂版」が発行されましたが、大きな変更はありません。
3⃣道路(公園)の条例化(2012~2013年)
第2次地方分権一択法により、これまで国・県・市町村すべての施設に対し「バリアフリー法」の省令の規定の適用を受けていた「特定道路」および「特定公園施設」に対する移動等円滑化基準について、2013年(平成25年)4月以降は、国の施設を除いて、これらの基準を地方公共団体条例で定めることとしました。
これにより、都道府県・市町村が道路や公園の計画の決定を担うこととなりました。
今回はここまで!次回は「道路のバリアフリー計画の考え方」について書いていきます。良かったら見に来てください。
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