【認知症の人への活動・生きがいのケア】役割の再構築の4つのポイントとは? vol.508

こんにちは 介護ラボのkanaです。今日は「認知症の理解」の中から『認知症の人への活動・生きがいのケア』について書いていきます。

「遊び」の3つの要素

Contents

1.活動・生きがいのケア
 1⃣閉じこもり予防
 2⃣人間関係・社会心理的状況づくり
 3⃣遊びリテーション
 ◉「遊び」の3つの要素
 4⃣役割
 ◉役割の再構築の4つのポイント
2.まとめ

1.活動・生きがいのケア

人間は誰もが楽しみや喜びを求めて暮らしています。認知症になると、とかく介護の対象者としてのみ捉えられ、人間として当たり前の生活とかけ離れた生活になりやすくなります。例えば、自宅や施設に「閉じこもり」がちの生活です。

  • 「出かける場所」
  • 「友人など会いたい人」
  • 「日常を忘れ、楽しめる時間」

といった活動によって意欲が沸き「生きがい」を感じながら暮らせます。

今回は、認知症が生きがいに及ぼす影響とそのケアについて考えていきます。

1⃣閉じこもり予防

認知症の人は、見当識障害により1人で出かけると道に迷うため、付き添いが必要なことがあります。また、出掛けても失語などがあると他者との会話もなかなかな成り立たないこともあります。

その結果、自宅や施設などに閉じこもった生活となります。

閉じこもった生活を続けていると、活動量(動く範囲と機会)が少なくなります。することもないため寝て過ごす時間も増え、そうすると、「足腰が弱る」「体力が落ちる」といった廃用症候群により、さらに外出することが難しくなっていきます。

外出しないと、脳への刺激も少なくなり、様々なことを認識・理解・判断するといった認知機能も低下します。買い物や散歩、地域のイベント、外食など、外出する機会をいかにつくるかがカギとなります。

認知症の人が出かけたくなる場所(機会)があると理想的です。

また、地域住民の中には、認知症の人が外出すると危険であると考える人がいます。こうした間違った考え方も閉じこもりを作る要因です。

介護福祉職は、認知症の人やその家族と地域住民の間に入って、正しく認知症を理解してもらう役割も担う必要があります。認知症の人の外出を手助けし、見守る地域住民・認知症サポーターを作っていくことも大切です。

2⃣人間関係・社会心理的状況づくり

認知症の人は、介護家族や介護福祉職だけの人間関係では息が詰まってしまいます。介護する側と介護を受ける側という一方通行の人間関係だけではストレスが大きくなり、意欲を失っていきます。

ときには、友人や知人などの気心知れた人達の輪に入ってこそ、生き生きと出来ます。

自宅であれば、通所介護などで仲間を作る支援を行います。施設であれば、共に暮らす人たち同士で、仲間と呼べる関係を作る支援をします。

ただし、認知症の人は、

  • 「他者の名前を覚えられない」
  • 「以前会ったことがあるが覚えていない」
  • 「相手からの質問に適切に答えられない」

などの状況は発生します。

そうした状況だと、他者と人間関係を上手くつくることは出来ません。認知症の人が出来ることと難しいことをしっかりアセスメントします。

認知症の人が難しいことは代わりに行い、「他者と繋がれる配慮」をしていくことが必要です。

以前会ったことを覚えていない場合の対応としては、認知症の人に以前にもあったことやその時のエピソードを説明して、認知症の人の記憶を補完し、他者と繋がれるよう橋渡しをします。

また、生活歴をしっかりと把握して、認知症の人のプロフィールを代わりに紹介することも必要です。最終的には、名前や以前の出来事を忘れていても、顔を見たら互いに安心出来る人間関係づくりを支援する必要があります。

3⃣遊びりテーション

人間は、日常を忘れて楽しさに没頭する時間があることで、意欲的に暮らしていけます。

認知症の人は、記憶障害から、

  • 「いつ」
  • 「どこで」
  • 「何をしたのか」

を覚えていられないことが多くあります。

こうした場合でも、身体を動かして、大声で笑った時間があることで、ストレスや不安感が軽減され精神的に落ち着きます。またルールやレクリエーションだと認知症の人は、ルール自体の理解や記憶が難しいこともあり楽しめないことがあります。

「遊び」の要素を兼ね備えて他者と交流する「遊びリテーション」時間が必要です。

夢中になり、日頃では体験できないような笑いがある時間を作り出すことで、日常のストレスや不安感から解放されます。

※遊びリテーション:「遊び」+「リハビリテーション」=「遊びリテーション」。楽しい・夢中になるといった遊びの中に、生活行為で必要な動作を取り入れ、知らず知らずのうちにリハビリテーションの効果を得られる技法の事。

◉「遊び」の3つの要素

❶参加する誰もが理解できるルールで平等であること

❷記憶力といった知的能力の左右されない・運に左右されること

❸参加する人たちが自由意志で行える・想像力を使えること

4⃣役割

人間は、ささやかでも誰かの役に立ちたいと思って生きています。そのための行為を「役割」と呼びます。

役割を通じて生きがいを感じる人は沢山います。

ただ、認知症の人には物事を手順通りに行えない等の遂行機能障害が起こります。

例えば・・・

  • 家族のために料理や掃除、洗濯などを担っていたが、手順通りに出来なくなった。
  • 買い物に行く為、家族を乗せて車を運転していたが、運転が上手く出来なくなった。

など。

認知機能障害により仕事や家事などの役割が出来なくなると、「自分はダメになった」「他者に迷惑をかける存在になった」と感じてしまい大きな挫折感やストレスを感じます。

そのため、役割を再構築する必要があります。

ただし、注意を要することがあります。施設では、役割として洗濯物を畳んでもらったり、掃除を手伝ってもらったりすることを認知症の人にお願いすることがあります。しかし、時間の経過とともに職員をはじめ周りの人がいつものあたりまえの光景と感じるようになり、感謝の気持ちを伝えることを忘れてしまいます。

役に立っていることを実感してもらうためには感謝の気持ちを伝えることが重要です。

◉役割の再構築の4つのポイント
  • ❶今の認知機能でもできること
  • ❷昔からよくやっていた・なじみがあること
  • ❸本人が得意な事
  • ❹感謝してくれる人がいること

2.まとめ

自宅で家族と暮らしている場合で、食器の後片付け(食器洗い)をしていたとします。

その人なりにはきちんと出来ているつもりでも、家族からみると不十分で家族がもう一度洗い直すといった出来事もあります。そうすると、家族の役に立つための行為が、逆に家族の手間を増やすことになってしまいます。

しっかりと状況をアセスメントし、家族が感謝できる状況を作り出すことが大事です。

そのうえで、家庭内で役割を作り出すことが難しければ、通所介護などで仲間に対して役割を果たしていくことも大切です。この場合も、きちんと感謝の気持ちが届き、役に立ったと実感できていることが重要です。

認知症

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