認知症の理解

【①認知症による体験が生活に及ぼす影響】記憶障害の4つの特徴 vol.484

2021-10-10

こんにちは 介護ラボのkanaです。「認知症の理解」の中から『認知症による体験が生活に及ぼす影響』について、今回と次回の2回に分けて書いていきます。

感情的な記憶、作業記憶は残りやすい  

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認知症による体験が生活に及ぼす影響

1⃣記憶障害

(1)何をしたか忘れやすい

私たちは、記憶をもとにして行動を起こし、翌日そして翌々日と行動を積み重ねています。人間関係も何を話したか、何をしたかをもとに関係が築かれていきます。

アルツハイマー型認知症の場合は、最近の記憶が不確かになります。

家族などに「昨日言ったでしょ」と言われても覚えていないので、関係がギクシャクしてしまいます。そのことで、認知症の人も嫌な思いをしたり、被害的な気持ちを抱くこともあります。

認知症の人は、忘れないようにと言われると、

  • 「認知症が進行していると言われているみたいだ」

と言います。

忘れてもよいことも沢山あります。本人は、

  • 「思い出せるようにヒントを出して欲しい」
  • 「直前に言って欲しい」
  • 「紙に書いて伝えて欲しい」

と言ったりします。

(2)感情的な記憶、作業記憶は残りやすい

嬉しかったこと、悲しかったことなど「感情的な記憶」は残りやすいものです。どこに行って何をしたかなど詳細な『エピソード記憶』は忘れても、その時の楽しかった感情は残りやすいです。

お花見に行ったことは忘れても、楽しかった気分が残れば、お花見に行った意味があるのです。

反対に失敗したり恥をかいた嫌な気持ちも残ることがあるので、嫌な気持ちを残さないようにして欲しいと認知症の人は言います。例えば、

  • 失敗した事を言われる
  • 出来なかったことをいわれる

など、詳細は覚えていなくても認知症の人には嫌な気持ちが残ります。この介護者が来ると、

  • 話の内容は覚えていなくても嫌な気持ちが残るな
  • 嫌な人だな

と記憶される可能性があります。

本人が嫌な気持ちにならないように配慮しすることが大切で、本人が失敗した事などは本人のいない所で家族に聞くようにすることが必要です。

また、身体で覚えている手続き記憶は忘れにくいものです。

米を研ぐ、ジャガイモの皮をむくなど、身体で覚えている記憶です。ですから、昔どのような仕事をしていたか、料理が好きだったか、などの情報は、どのような手続き記憶が残っているか予測するために重要です。

ラジオ体操は、小さいころ夏休みに行っていたり、日課として実行していた人によっては、音楽が鳴ると身体が動くほど身体に残っているものです。

エピソード記憶 ・手続き記憶

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(3)強い思いに引っ張られる

何か心配だったり気になることが頭によぎると、その思いに固執してしまい、考えないようにしようと思えば思うほど脳はその思いでいっぱいになることがあります。

認知症では、それが強くなる場合があり、認知症の人は自分だけではそこから別の思いに変えることが出来なくなると言います。

強い思いに引っ張られ、焦るような行動になり、認知症の人自身も疲弊してしまいます。そういう場合は、

  • 行動を否定しない
  • 気持ちが切り替えられるようにする
  • 気になることを早く終わらせるようにする

ことが大切です。気になっていることが早く解決すれば、脳を他のことに使えるということです。

(4)楽しいことを覚える

記憶の障害があっても、全く新しいことを覚えられないわけではありません、何度も繰り返したり、今まで経験した事のあることと関連付けたりすると覚えられることは沢山あります。

限界を周りが決めないことで、認知症の人は新しいことにも挑戦したいと言います。

前頭側頭型認知症やレビー小体型認知症の人は、記憶に支障のない場合が多いので、認知症の人はみんな、最近のことが記憶しにくいと思い込まず、個々の記憶の特徴に合わせたサポートが必要です。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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