認知症の理解

【認知症ケアにおける4つの関わり】事例を通して本人の望む生活と尊重した関りを考える vol.395

2021-07-13

こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのkanaです。今日は「認知症の理解」の中から『認知症ケアにおける4つのかかわり』についてまとめていきます。

脳活性化リハビリテーションの5原則とは?

Contents

1.認知症ケアにおける関り
2.4つの関わりの原則とは
 1⃣事例1:△さん 78歳女性(アルツハイマー型認知症)
 (1)同じ目の高さで接する
 (2)ダメと言わない
 (3)△さんのペースに合わせる
 (4)優しく触れ合う

1.認知症ケアにおける関り

認知症の人とどうかかわっていけばよいのでしょうか??介護の現場では「パーソンセンタードケ」や「ユマニチュード」など、新たな関りの手法が展開されています。

国内においても簡潔にかかわりの手法を示してくれる研究者や実践者が存在します。その中で認知症学研究の山口氏は、「脳活性化リハビリテーション」という手法を提唱しています。

脳活性化リハビリテーションの5原則として、

①快刺激で、笑顔

②褒め合って、やる気を引き出す

③楽しい会話で、安心

④役割を演じて、生きがいを生む

⑤失敗しないように支え、成功体験を積む

と、関わりのあり方を述べています。

また、菊池氏は介護は治療の最前線だとして、認知所ケアでの関りとしてやるべきこととして、

❶見下ろすのではなく、視線の高さを合わせて正面から見る

❷介助するときは、心地よく感じる言葉を穏やかな声で語りかけ続ける

❸動かすときには、手首を掴むようなことはせず、下から支えるように触る

❹筋力、骨、呼吸機能を鍛えるために立たせることに努める

上記の4つを提唱しています。

このような指針は、現場の介護福祉職胃のいては具体的な介護のあり方を示しているため難しくなく受け入れやすい内容です。

2.4つの関わりの原則とは

これから4つの関わりの原則についてまとめ、事例を通して考えていきます。

まず、4つの関わりの原則とは・・・

  • 同じ目の高さで接する
  • ダメと言わない
  • 利用者のペースに合わせる
  • 優しく触れ合う

を実践することで、認知症の人が落ち着いた暮らしを得られたという報告は沢山あります。

1⃣事例1:△さん 78歳女性(アルツハイマー型認知症)

事例1:△さん

△さんは、夫が無くなって暫くして物忘れが進み、食事をしたことや自分の家がわからなくなり、夕方になると「家に帰らせてもらいます」と、荷物をまとめるようになりました。ときには息子と夫と間違えたり、年齢を40歳と言ったり、鏡に向かって話しかけたりするなどの言動が目立つようになり、家族がたしなめると怒り出し、混乱すると、財布を嫁が盗ったと攻撃するようになりました。

△さんの現象にとらわれると、介護者の受け止め方として、

  • さっき食べたのに
  • 78歳でしょ
  • 家はここなのにどこに行くの?
  • 自分の夫もわからなくなったの?
  • さっきも話したのに

というような思いになり、逆に△さんの気持ちとしては、

  • 何も食べさせてもらえない
  • 歳を間違えるわけがない、ばかにして
  • ここは家ではない、変なこと言わないで
  • 私は言っていない、どうしてそんなことを言うの
  • 誰も私の話を聞いてくれない
  • みんな怒っている

というような感情になります。

この流れは、「本人・ニーズの無理解」→「誤った支援の押し付け」→「本人の望む生活の阻害」→「介護者の一方的な決めつけ・関わり」→「不安・混乱」→「不信感」→「アセスメントの硬直」

上記のような、△さんの望む暮らしを阻害する関りの悪循環へとなっていきます。

そこで、△さんの言動を「4つの関わりの原則」からとらえ直すと・・・

介護者の受け止め方として、

  • 食事まだだったのかな、ごめんなさいね
  • お腹すいているのかな
  • 40歳の時どのように過ごしてたのかな、深い思いがあるのかな
  • いつでもそばに居るよ
  • 困ったことがあれば伝えてほしい
  • 一緒にやってみましょうか

というような思いになり、逆に△さんの気持ちとしては、

  • この人は私の話を聞いてくれる
  • 一緒に過ごしてくれるし、困った時に手伝ってくれる、なんとなく心地いい
  • 私の大切な人
  • 私のことを必要としてくれている
  • 私のしたいことを大切にしてくれる
  • 一緒にやってみたい
  • 私も出来ることをしたい、人の役に立ちたい

というような感情になります。

この流れは、「本人・ニーズの理解促進」→「理解に沿った支援」→「本人の望む生活の実現」→「本人を尊重した関り」→「安心・納得」→「信頼感」→「アセスメントの充実」

のように、変化します。

△さんの主張は、「食事を与えられない」「何もさせてくれない」「家に帰りたい」「嫁が財布を盗んだ」ですが、介護者側が一方的な介護をすることで、時として認知症の人の思いや希望とはかけ離れてしまうことがあります。

認知症の人側からの理解をしようとすると、「何かを懸命に生きようとしている姿」や「上手く暮らせずに苦しんでいる姿」が浮かび上がってきます。

介護者が認知症の人の立場で考え、付き合い続け、関わり続けていく事で、認知症の人の理解が得られ信頼関係に繋がっていくのです。

(1)同じ目の高さで接する
同じ目の高さで接する

「互いに1人の生活者として上下関係なく接すること」

上から見下ろすのではなく、安心できる距離や目の高さが、安心や信頼を得られます。また、△さんの動線に合わせることによってスムーズな介護を目指します。アイコンタクトによって「あなただけを見ています、話を聞いています」という姿勢が重要です。

(2)ダメと言わない
ダメと言わない

「説得よりは納得。自由な行動を保障すること」

ダメなことを納得してもらうためには、沢山の言葉と関わりが必要となります。時間を使ってコミュニケーションを図ることによって、安心と信頼が得られます。△さんが納得できるまで付き合う、関わり合う姿勢が大切です。

(3)△さんのペースに合わせる
△さんのペースに合わせる

「△さんの世界を否定せずに受け入れること」

動く速度に合わせるだけでなく、認知症によって経験している世界を否定せず、その結果によって混乱することや、不安な世界を理解し、否定することや訂正することではなく認知症の世界を受け入れ不安を取りの置くことを重視します。何度も初めましてという挨拶をうけても、それに合わせて挨拶をします。

(4)優しく触れ合う
優しく触れ合う

「安心できる人になること」

笑顔や挨拶、丁寧な言葉や言い分を十分聞くことによって、安心や信頼を得ることが重要です。プログラウを押し付けるのではなく、△さんの言い分を十分聞き、日常生活で△さんが何を大切にしているのか?をキャッチすることによって介護計画を立てます。

このように、認知症の人を真に受容し包摂した共生社会になるためには、偏見や差別に繋がる認知症に対するネガティブなイメージを軽減するとともに、認知症の人の中に強みや能力といったポジティブな面を発見していく事が大切で、それが認知症の人との関りの原点であり、既に実践として展開されています。

認知症

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kana

はじめまして(^-^)/
介護ラボのカナです。
ブロガー歴2年半(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士として就業中。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」「介護福祉士」 ◉現在福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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