認知症の理解

【①認知症】BPSDの4つの分類と100以上の行動症状 vol.199

2020-12-29

こんにちは 介護ラボ・カナログのカナです。認知症の「BPSD」について、今回・次回次々回と3回にわけて書いていきます。

BPSDの定義や概念、行動・心理症状

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BPSDの定義

1996年にIPA(International Psychogeriatric Association:国際老年精神医学会)が、認知症の行動障害に関する合意会議を開催しました。この会議では、BPSD(Behavional and Psychological Symptoms of Dementia:認知症の行動・心理症状)の定義、BPSDの病因、臨床症状の記載、研究の方向についての議論が行われました。

そして1999年のアップデート会議で追加討議が行われ、『BPSDの定義』が示されました。
BPSDの定義を直訳すると、「認知症患者にしばしば生じる、知覚認識又は思考内容又は気分又は行動の障害による症状」となります。

1⃣心理・行動症状について

具体的には、心理症状は「通常は、主として患者や親族との面談によって明らかにされる」として、妄想、誤認、幻覚、うつ、アパシー、不眠、不安があげられています。
行動症状は、「通常は患者の観察によって明らかにされる」として、徘徊、焦燥、攻撃性、介護に対する抵抗、不適切な性的行動、破局反応(突然の怒りの爆発)、夕暮れ症候群(ううガタになるとそわそわして落ち着かなくなる)、叫声、不穏、文化的に不釣り合いな行動、収集癖、ののしり、付きまといが示されています。

例えば、不安そうにうろうろしている状態(焦燥)」の、心理面をみれば不安という心理症状で、うろうろしている行動は行動症状です。このように心理症状と行動症状の区別は明確ではありません

上記の図にあるように、BPSDは周辺症状や随伴症状と言われたものにほぼ相当します。中核症状(認知症状)は必ず現れますが、BPSDは認知症の人全員にみられるわけではないという意味から、周辺症状や随伴症状などの用語が使われてきた歴史があります。

周辺症状は中核症状に環境因子などが加わって2次的に発症するという考え方がありますが、これはBPSDにあてはまりません。BPSDは多要因によって生じるもので、中核症状はBPSDの多要因の1つに過ぎないとされています。

周辺症状や随伴症状にはせん妄が含まれるとする考え方がありますが、「BPSDにはせん妄は含まれません」。せん妄は意識障害の一種で、認知症の症状であるBPSDと区別されます。このようにBPSDと周辺症状はそもそもの概念が異なるので、きちんと区別して用いることが必要です。

2⃣BPSDの概念

認知症ケア領域の研究者の間でもBPSDという用語の使われ方はまちまちです。

「BPSDは非常に包括的な概念であり、現在のBPSDの概念は、認知症疾患に特有の症状、他の身体疾患及び精神疾患が重複して現れる症状、病気になる以前からの性格傾向や環境への反応などの個別性のある症状など様々な要因のものを含んでいる」と指摘されています。

BPSD4つのカテゴリー

1⃣中核症状関連の症状・行動

記憶障害から直接起こる症状・行動
記憶障害、自分の言ったことを忘れる、物の収容場所を忘れる、繰り返し同じ物を買ってくる、同じ事柄・質問を繰り返す、食事や食べ物を何度も要求する、薬を何度も要求する

記憶障害からくる日常生活上の障害
火の不始末、鍵の不始末、水の不始末

時間の見当識障害
1日の時間帯が分からない、時間の混同、今日が何日か繰り返し尋ねる、昼夜逆転

場所の見当識障害
外出して迷子になる、出口を探して歩きまわる、他者の家・部屋に入る、トイレ以外での排泄

失認・誤認
人物の誤認、鏡現象、人形やぬいぐるみを生きている子供のように扱う、異食、食べ物以外の者をしゃぶっている

作話
作話、辻褄の合わないことを言う、死んだ人について生きているかのように話す

コミュニケーション障害
会話が出来ない、意思疎通が困難

病気の認識
病識の欠如、病気であることを認めない

整容能力の低下
身なりに無頓着、不潔なままでいる

社会生活上の判断能力
職場で仕事が出来なくなる、問題のある契約をしたり連帯保証人になる、つり銭が分からない、日常機器を使用できなくなる、薬の自己管理が出来ない、危険なのに車の運転をしたがる、道路で車の危険が分からない、人前で状況にそぐわない言動をする、他人のものと自分の物の区別がつかない、トイレの水を流さない、トイレに行く途中で失禁する、トイレ以外で排泄する、歩けないのに立ち上がって歩こうとする

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2⃣精神症状

幻覚
幻視(幻聴・幻触・その他)

妄想
妄想、被害妄想、物とられ妄想、嫉妬妄想、同居人妄想、被毒妄想

睡眠障害
睡眠障害(不眠)、夜間不穏、夜間に家族を起こす、昼夜逆転

気分・不安障害
抑うつ、不安、強迫、心気、不眠の訴え、薬を何度も要求する、夜に何度もトイレに行きたがる

自発性の低下
自発性の低下、無関心、1日中ウトウトしている、好褥

感情コントロール障害
気分の易変、喜怒、焦燥、興奮、不機嫌、感情失禁、多幸、人格変化

その他
被害念慮、邪推

3⃣行動コントロール障害

脱抑制
脱抑制、他人の所有物を間違えても平気である、他人の物を持って行く、他人の物を盗む、独言、大声奇声、自傷行為、おむつを外して布団に排泄する、不潔行為

性的問題
卑猥な言葉をいう、人前で自慰をする、性的逸脱

外出要求
1人で外出したがる、帰宅要求、無断離脱

徘徊
徘徊

食の異常
過食、甘味嗜好への変化、拒食、異食

不穏行動
落ち着きのなさ、夜間不穏、多動

物への執着
物が捨てられない、隠蔽、収集癖、緊線への異常なこだわり、他者の物をいじる、物を執拗にいじる

作業への執着
仮性作業、常同行動、器物破損、破衣

持続性の低下
行動が続かない

活動性の低下
無言、無為無動

その他
自殺企図

4⃣対人関係の障害

依存
依存、つきまとい、寂しがる、仕事の邪魔をする、団らん妨害、夜に家族を起こす

孤立
孤立、他者とかかわるのを嫌う

❸拒否
拒否、拒食、拒薬、着替えを拒否する、入浴を拒否する、家族と話そうとしない、家族と会おうとしない、他者の好き嫌いが激しい

❹攻撃
攻撃的行為、器物破損、攻撃的な言葉、非難、誣告、他者とのトラブルが多い

まとめ(100以上の症状)

上記のように、BPSDは100以上の症状があり

  • ❶中核症状関連の症状・行動(広い意味では中核症状に含まれるが環境や心理的要因の影響を受けるもの)
  • ❷精神症状(認知症以外の精神疾患でももられる症状)
  • ❸行動コントロールの障害(身体状況や環境との相互作用で生じ「外的な行動」に焦点をあてたもの)
  • ❹対人関係の障害(身体状況や環境との相互作用で生じ「対人」に焦点をあてたもの)

の4つのカテゴリーに分類されています。

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kana

はじめまして(^-^)/
介護ラボのカナです。
ブロガー歴2年半(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士として就業中。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」「介護福祉士」 ◉現在福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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