【②BPSD】5つの介入困難な背景要因と7つの介入可能な背景要因 vol.201

こんにちは 介護ラボ・カナログのカナです。今日は認知症の「BPSD」について、前回と今日、明日の3回にわけて書いていきます。

BPSD:介入困難な背景要因・介入可能な背景要因

Contents

1.BPSDの要因(背景因子)
2.介入可能な背景因子
 1⃣脳病変
 2⃣認知症状:中核症状
 3⃣高齢期疾患:身体合併症
 4⃣地域・文化
5⃣生活史
2.介入可能な背景因子
 1⃣薬剤
 2⃣居住環境
 3⃣せん妄
 4⃣生活障害(IADL、ADL)
 5⃣体調
 6⃣ケア技術・関係性
 7⃣社会資源
 8⃣不安・喪失感・心配事

1.BPSDの要因(背景因子)

BPSDの背景因子は多数あります。国際老年精神医学会の「BPSD教育パック第2版」では・・・
・遺伝的要因(遺伝子異常)
・神経生物学的要因(各種神経伝達物質の変化などの脳の神経科学的変化や、脳の病理学変化、概日リズム障害)
・心理学的要因(その人の性格やストレスに対する反応など)
・社会的要因(環境や介護者の要因)
をあげています。

2.介入可能な背景因子

前項の図に示すように、左側の要因が介入困難なもので、次項の5つの要因があげられます。

1⃣脳病変

脳病変そのもので生じるBPSDは「行動障害型前頭側頭型認知症」の脱抑制や無断外出などで、この疾患の認知症状(中核症状)でもあります。

脳血管性認知症における「うつ」や「アパシー」も、前頭葉白質病変と関連があるなど、脳病変が強く影響します。

アパシーとは?

意欲がない状態、自発性が欠けた状態のこと。パッション(情熱)が欠けた状態がアパシーの語源となります。悲観的な鬱とは異なり、アパシーは本人があまり困っていないので、介護者側からすると、危険な行動や無断外出などが無いので手が掛かりませんが、放置すると廃用症候群が進み、認知機能低下も加速します。

2⃣認知症状:中核症状

認知機能障害(中核症状)がBPSDに大きな影響を与えます。例えば、幻視はBPSDに分類されますが、レビー小体型認知症において幻視は中核的臨床症状であり認知症状(中核症状)といえます。このようにBPSDでありながら認知症状(中核症状)でもあるものがあり、BPSDと認知症状(中核症状)は明確に区別できないという理解が必要になります。

3⃣高齢者疾患(身体合併症)

  • 変形性膝関節症
  • 腰痛症
  • 慢性閉塞性肺疾患:COPD
  • 心不全

など、日常生活の活動を制限する因子がBPSDの背景となります。

例えば、家族(パートナー)が元気に歩き、自分は身体合併症で自宅から出られず、パートナーから介護を受ける状態になると、嫉妬妄想が出やすくなります。これから治療で改善する場合もあるので、介入可能なこともあります。

4⃣地域・文化

認知症をオープンにすることが難しいといった地域や文化などが、本人の心理的ストレスや介護負担を増やし、BPSDの要因となります。

5⃣生活史(ライフヒストリー)

その人の歩んできた歴史が、その人の生活や価値観や行動に影響を与えます。

3.介入可能な背景因子

1⃣薬剤

認知症治療薬のドネペジルなどが大きく影響します。興奮性・過活動性BPSDの場合は、ドネペジルの中止や減量で劇的に改善する事例もしばしばあります。また、メマンチン過量投与による低活動性BPSD(過沈静:アパシー)にもしばしば遭遇します。
高齢者ではポリファーマシー(多剤投与)や、抗コリン作用を持つ薬剤の投与、向精神薬などがBPSDの要因となります。

2⃣居住環境

BPSDの多くは対人関係において発生するので、人的な生活環境は大きく影響します。そのほかマンションか一戸建てか、温度や騒音などの物理的な環境も影響してきます。

3⃣せん妄

せん妄(意識障害)は、BPSDと区別しますが、BPSDの悪化要因として極めて重要となります。せん妄を治療してよくすることでBPSDが著しく改善するケースもしばしば見られます。

4⃣生活障害

認知症が引き起こすIADL(手段的日常生活動作)や、ADL(日常生活動作)の障害が、自分で上手に出来ないことでのイラつきや自信喪失となり、BPSDの背景となります。

5⃣体調

  • 脱水
  • 発熱
  • 便秘
  • 疼痛
  • 掻痒

などが、せん妄の誘因として重要になりますが、これらは易怒性・焦燥などのBPSDの背景要因にもなります。

6⃣ケア技術・関係性

介護者が失敗を指摘したり、非難する態度などがBPSDを悪化させます。ケア技術は大きな要因となりますが、これだけでBPSDを良くしようとすると無理が生じます。
沢山の要因の中の1つという位置付けの理解が必要になります。

7⃣社会資源

  • 地域の中でどれだけ介護保険サービスを使えるか
  • インフォーマルサポート(互助)がどれだけ充実しているか
  • 担当の介護支援専門員(ケアマネジャー)の力量
  • 地域包括支援センターや認知症初期集中支援チームとの関わり

など、いろいろな要因がBPSDに影響を与えます。

8⃣不安・喪失感・心配事

記憶障害や見当識障害で過去と現在の繋がりが失われ、遂行機能障害により出来ないことが増えることなどから、自分の存在が失われて行く漠然とした不安感や喪失感が生まれ、BPSDの背景となります。

上記のように沢山の要因があり、BPSDへの対応策が見えてきます。この状況を氷山に例えると、BPSDは水面の上に出ている顕在化した部分で、大部分が水面下に隠れています。この隠れている様々な要因に気付き、本人の気持ちを共感的に理解して対応策を探す方法がひもときシートです。

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