認知症の理解

【①高齢者・認知症の人の終末期医療と介護】終末期の定義とは? vol.403

2021-07-21

こんにちは。介護ラボのkanaです。今日は「認知症の理解」の中から『高齢者・認知症の人の終末期医療と介護』について、今日と明日の2回に分けて書いていきます。

認知症の人の終末期の4つの主な症状

Contents

1.高齢者の終末期医療と介護
 1⃣終末期の定義
 2⃣終末期の主な状態と変化・支援
2.認知症の人に関する終末期医療と介護
 1⃣認知症の人の終末期の定義
 2⃣認知症の人の終末期における状態の特徴
 ●認知症の人の終末期の4つの主な症状

1.高齢者の終末期医療と介護

超高齢社会を向け、人が亡くなるということが少しずつ身近な存在になってきています。人はいつか必ず亡くなります。亡くなるということは、これまでのその人の暮らしの延長線上にあります。

そのため、認知症の人が終末期を迎えたからと言って、突然何かが大きく変わるわけではありません。介護福祉職として、その人に対して出来ることは何かを考えることは、その人らしい生き方を最期まで支えるために大切です。

1⃣終末期の定義

認知症に限ららず、高齢者の終末期を定義することは容易ではありません。

そのため、統一的な終末期の定義は示されていませんが、学会やガイドラインでいくつか示されています。例えば、「日本老年医学会」では、終末期とは、

  • 「症状が不可逆的かつ進行性で、その時代に可能な限りの治療によっても症状の好転や進行の阻止が期待できなくなり、近い将来の死が不可避となった状態」

と定義されています。また、この定義では、具体的に「いつから」といった期間は示されていません。

2⃣終末期の主な状態と変化・支援

終末期を迎える高齢者全般に関する主な状態が下記の表になり、亡くなるまでの状態として4段階に分けています。

【終末期】主な状態の変化と支援

亡くなる数か月前~1か月前
主な状態
・食事量が減る
・睡眠時間が長くなる
・褥瘡のリスクが高まる
介護福祉職による主な支援
・好きなものが食べられる工夫
・褥瘡の予防、身体の清潔保持
・本人の意思の尊重や精神的な支援

亡くなる数週間前~1週間
主な状態
・身体が衰弱する
・意識の低下がみられる
・嘔吐や疼痛がみられる
・バイタルの変化(心拍数・体温・呼吸に変動がある)
介護福祉職による主な支援
・状態のきめ細やかな観察
・手足のマッサージや声掛け
・尿路感染症や皮膚のトラブルへの注意

亡くなる数日前~数時間前
主な状態
・反応が遅くなる
・血行不良により身体に斑点が出る
・血圧が下がり、脈や弱くなる
介護福祉職による主な支援
・状態のきめ細やかな観察
・苦痛を緩和する関り(穏やかな声掛けや唇を湿させるなど)

亡くなるとき
主な状態
・心臓が止まる
・呼吸がみられない
・瞳孔が拡大する
介護福祉職による主な支援
・関係者とのれ連絡
・意向に応じたエンゼルケア(更衣や化粧)

亡くなる前は、眠っている時間が長くなっていく傾向があり、身体の衰弱や意識の低下がしだいにみられます。亡くなる数週間前~1週間前には、嘔吐や疼痛がみられることもあり、症状に応じた「ケア」も必要となります。

終末期を迎える高齢者の最も身近にいる介護福祉職は、その人を支える重要な専門職です。

段階に応じて介護福祉職に求められる内容も変化します。終末期を迎えると、寝ている時間が増えることで「褥瘡」のリスクが高まります。その人が出来る限り心地よい1日を過ごすことが出来るように、

  • 定期的な体位変換や拘縮の予防
  • 身体の清潔保持

などが大切になります。

聴覚はかなり最期の方まで残るといわれています。声を掛けたり、手を握ったりとそのひとの五感にはたらきかけるなどの支援も大切です。

また、身体的な観点のみでなく、精神的な支援もその人が孤独を感じないために必要です。

誰かが常に気をかけていてくれるとわかることで得られる安心感や適度な静けさを提供することで、心穏やかに過ごせる時間を増やしていくことが出来ます。

その他、合併症を含め予期されるリスクを他の専門職と情報共有し、いざという時にも慌てずに対応する心構えも大切です。

2.認知症の人に関する終末期医療と介護

1⃣認知症の人の終末期の定義

認知症の診断基準にはICD-10やDCM-Vなどがありますが、そこには終末期の定義は示されていません。

一方、アメリカのホスピスの導入基準には、アルツハイマー型認知症のステージ分類を示す「FAST」で最重度分類である7に含まれる、

  • サブグループc(歩行能力の喪失)
  • サブグループd(着座能力の喪失)
  • サブグループe(微笑む能力の喪失)
  • サブグループf(混迷及び昏睡)

の状態で、合併症を発症した場合に認知症の終末期と考えると示されています。ここでいう合併症とは、

  • 誤嚥性肺炎
  • 尿路感染症
  • 多発性の重度な褥瘡
  • 抗生物質投与後の繰り返す発熱

などが含まれます。

その他、全米ホスピス・緩和ケア協会(NHPCO)などにも、基準が示されています。それらを踏まえると、認知症の人との終末期は

❶1人では移動できない

❷意味のある会話が出来ない

❸ほぼ全介助を要する

❹尿失禁や便失禁がみられる

❺誤嚥性肺炎、尿路感染症などの合併症を発症している

などが主な基準と考えることが出来ます。

2⃣認知症の人の終末期における状態の特徴

認知症の人の終末期においては、「食べられなくなる」という課題に直面することが多くあります。特に認知症が進行すると、食べ物自体を認識することが難しくなったり、食べることに関心を示さなくなることもあります。

さらに、嚥下機能の低下により食べ物を口腔内に溜め込み、長時間にわたり咀嚼も嚥下もしない状態になることもあります。

そのため、進行した認知症では、脱水や低栄養の状態、誤嚥性肺炎が課題になることが多く、注意が必要です。

誤嚥性肺炎とは?

嚥下機能障害のため、唾液や食べ物、あるいは胃液などと一緒に細菌を気道に誤って吸引することにより起こる肺炎のこと。

スウェーデンの研究では、認知症の人の直接的な死因として「気管支炎」と「虚血性心疾患」が多くを占めていることが明らかにされています。

なかでも、アルツハイマー型認知症の人では、気管支炎と誤嚥性肺炎・窒息により亡くなることが55%に達していることが示されています。

認知症の人の場合でも、ガンを患っている人と同じような苦痛があることが少なくありません。肺炎や心不全に伴う呼吸困難感は認知症の人の終末期において多く見られます。

ガンと認知症の人を比較した報告では、認知症の人はガンの人と比べて、死亡前の症状として、

  • 褥瘡
  • 肺炎
  • 発熱
  • 嚥下障害

が有意に多かったことが示されています。

これらから、認知症の人の終末期では下記の4つの症状が出やすいという特徴があると考えられます。

●認知症の人の終末期の4つの主な症状
認知症の人の終末期の4つの症状

①食べられないことによる低栄養や脱水
②肺炎や心不全などから起こる呼吸困難
③発熱
④長期臥床と低栄養による褥瘡

認知症の人の終末期の場合、言語や身体から発せられるサインが微弱なために苦痛症状が見過ごされがちです。「苦痛があるか、ないか」という視点ではなく、「苦痛があるかもしれない」という視点で認知症の人の様子を丁寧に観察することが大切です。

認知所の人の表情、発生や息遣い、身体の硬直、落ち着かなさ、などを客観的に観察し、評価していく事も必要です。

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kana

はじめまして(^-^)/
介護ラボのカナです。
ブロガー歴2年半(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士として就業中。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」「介護福祉士」 ◉現在福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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