生活支援技術Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ

【整理整頓の介護】整理の視点と8つの注意点 vol.477

2021-10-03

こんにちは 介護ラボのkanaです。今日は「生活支援技術」の中から『整理整頓の介護』について書いていきます。

利用者の生活を支援する

Contents

1.整理整頓について
 1⃣整理の視点
 2⃣衣替え
 3⃣保管場所
 4⃣防虫について
 5⃣カビの予防
 6⃣衣類の破棄
 7⃣洗濯とクリーニング
 8⃣靴の衛生管理

1.整理整頓について

1⃣整理の視点

利用者が日常的に着ているものや、よく使うものは、高い所に収納したりすると転倒などの危険も予測されます。利用者と相談しながら出し入れしやすい高さの引き出しや棚に収納しましょう。

使う頻度が低いものはその下や、上の引き出しにしまいます。

利用者と一緒に考えて、引き出しに名札を貼っておくと何が入っているかわかりやすくなります。

排泄の失敗などを心配するあまり、手元に数組の下着を置きたいと考える利用者もいます。綺麗に引き出しに収まっていれば利用者にとって暮らしやすいという訳ではありません。ベッドのそばなどで、つまずく危険のない場所に置けるよう配慮する必要もあります。

日々着ているものや外出用の衣類で、直ぐに洗濯しないようなものの整理整頓もあります。

畳の上に脱いだままになっていたりすると足を取られて転倒の原因になります。また、洗濯していないものを洗濯してある衣類と同じところに入れるとわからなくなるので、混ざったりしないように整理します。

しわになるものはハンガーでつるし、たためる物は箱やかごなどを用意して洗ってあるものをは別にしておきます。その際、汚れがないかを確認することも必要です。

2⃣衣替え

日本では昔から「衣替え」という習慣があります。厳密に何月と決める必要はありませんが、気温を考慮しながら衣類を交換するとよいでしょう。

大きく分ければ、

  • 夏物
  • 冬物

という分け方で衣類を分類し、季節に合わない衣類は次に着る時まで別にしまいます。

冬用の衣類は、ウールやアクリル、夏用の衣類は、綿や麻素材が中心となります。

利用者によっては体温調整が上手くいかない人や、加齢のため、体感温度が一般の人と違ってくることもあります。そのため、夏・冬の衣類がきっぱり分けられない人もいますが、暑いと感じずに厚手の衣類などを着たままでいると「脱水」を起こす場合もあります。介護福祉職は注意することが必要です。

3⃣保管場所

衣類などを長期保管するために、箱やコンテナを利用します。箱などは湿気やほこりの侵入を防ぐようなことが出来るような物で、予定している保管場所に収まる大きさのものを使用します。

中に何が入っているのか分かるように名札を付けると次に着る時に探しやすくなります。

洋服はハンガーにつるしたまま保管することも多くなりましたが、和服などは縫い目線に合わせて正しくたたんで保管します。

4⃣防虫について

絹や毛などの動物繊維を好んで食べる害虫がいます。通常は防虫剤を使うことで害虫いよる食害を防ぎます。衣装ケースの場合、防虫剤は衣類の上に置きます。

洋服ダンスなどでは、揮発した気体がいきわたるような場所につるします。

防虫剤の揮発した気体は空気より重いので、下に沈んでいきます。衣類を詰め込み過ぎていると効果は半減します。

5⃣カビの予防

綿や麻、レーヨンなどの吸湿性の高い繊維はカビが発生します。カビの色で衣類が着色され、臭いを発生し繊維自体も弱くなります。

  • カビは湿度75%以上、温度20~30℃で発生しやすくなります。

糊付けした衣類はカビの栄養源となるので、長期保管をする場合は、でんぷん糊などは使用しない方がよいでしょう。

衣類をよく乾燥させて、容器や引き出しに防湿剤を入れることが大切です。

6⃣衣類の破棄

あまりにも汚れて洗濯が出来ないものや、布地が切れて修復できない衣類、利用者の現在の身体状況では現在着ているものが混在してしまうと、適切な衣類を選ぶのが困難になります。こうした場合、利用者や家族の了解を得ながら廃棄するなどして整理する必要があります。

ただ、なかなか捨てることが出来ない利用者や家族もいます。

  • 「もったいない」
  • 「思い出の品」
  • 「高価だったもの」

など、様々な思いがあるので、利用者の気持ちをよく汲み取り、慎重に行わなくてはなりません。利用者に聞きながら一緒に着られないものは別なところにしまうなどして整理をし直すことが大切です。

7⃣洗濯とクリーニング

衣類は目には見えないほこりや食べ物の汁などが付着していることも多いので、保管する前に洗濯をします。何もせずにしまってしまうと黄ばんだり、汗じみが変色して落ちなくなったり、虫に喰われる原因にもなります。

衣類についているタグをよく見て、家庭で洗濯するのか、クリーニングに出すのかを決めます。ウール製品でも洗えるものがありますが、さらに乾燥機を使うと多くは縮んでしまいます。洗えると表示があっても注意が必要です。

クリーニングから戻ってきたものはビニール袋に入れたままにせず、袋から出して収納します。袋から出さないとクリーニング時の湿気がそのままになってしまうのでカビの原因になります。

8⃣靴の衛生管理

靴は安定した姿勢で立つ、安定して歩行するためには重要なものです。たとえ車いす利用の人でも、足の保護等のために靴は必要です。

麻痺等による歩行の癖や足の変形などで、靴のある部分だけが擦り切れてしまう利用者がいます。

靴の中にカビが生えてしまうこともあります。洗える素材であれば定期的に洗い、日に干すなどの手入れが必要です。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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