生活支援技術Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ

【①高齢者の自立した家事】自立支援、重度化防止のため見守り的9つの援助 vol.469

2021-09-25

こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのkanaです。今日は「生活支援技術」の中から『高齢者の自立した家事』について、今日と明日の2回に分けて書いていきます。

自立生活を支える家事

Contents

1.自立生活を支える家事
 1⃣家事の重要性
 2⃣介護保険と自立支援
 ◉自立支援、重度化防止のため見守り的9つの援助
2.まとめ

1.自立生活を支える家事

1⃣家事の重要性

家事は生活を円滑に営むための活動なので多岐に渡りますが、調理や買い物、掃除、洗濯などが代表的なものとしてあげられます。

家事は人間の生活において、生理的な生活の質をより高くするものや社会的な生活とも関わるものといえます。

例えば、調理で考えてみると・・・

  • 美味しく食べられる食事があることで食事がすすみ、必要なカロリーや栄養分を確保することに繋がる

また、料理の中には自分の暮らしを思い出すきっけかになるような物や住んでいた地域と関係するものなどがあります。よその家庭で作られた料理や地域の郷土料理などです。

これらは自分の今までの人生を考えたり、住んでいた地域への愛着や誇りを感じたりできるものです。

そして、料理をすることで誰かの役に立っているという思いになれば、有用感や生きがいにも繋がります。食事はただ命を繋ぐため、空腹を満たすために作るわけではなく、人生にもかかわり、文化や社会とも繋がっています。

家事という支援があるからこそ、その人らしい生活の継続が図られるのではないでしょうか・・・

「家事」の支援というと誰もが毎日行っている当たり前の生活を支援することなので、「誰にでもできる」と考えられがちです。しかし、人の生活はその人の長い歴史、そこで出来上がってきた価値観、その人が暮らしてきた社会などと関係することなので、他者が簡単に理解できるものではありません。

1人で日常の生活が出来ている時にはどのように暮らしているのか誰も気にはかけませんが、介護が必要な状態になって初めてその人の生活の一端が見えてきます。

私たちは1人ひとりが似ているようで、全く違う生活をしているのだということを心に留めておかなければなりません。

2⃣介護保険と自立支援

介護保険による介護サービスは、国民が負担する介護保険料等で行われています。そのため、介護サービスの提供に費やせる時間には限りがあります。また全ての介護保険で出来るわけではありません。

介護保険制度の中の「訪問介護」は、大きく

  • 身体介護
  • 生活援助

に分けられますが、この生活援助が「家事の支援」になります。

介護保険では、

『国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進を務めるとともに、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする』

とされ、「介護予防に努めること」や「有する能力の維持向上に努めるもの」といわれています。

ですから「家事の支援」も本来は利用者と一緒に行うことで、利用者の持っている能力や意欲を引き出し、もっとよく生きたいという気持ちに繋がるようにしなければなりません。

介護福祉職が行う家事支援は、利用者が出来なくなっていることをだた補完するということではなく、利用者の残っている別の力を引き出し、どのように支援すれば利用者が出来るようになるのかを探ることが重要です。

介護保険による訪問介護サービスでは生活援助(家事支援)といえば、訪問介護員が家事を全て行うようなイメージでサービス計画をつくる傾向があるのかもしれませんが、本来は利用者と一緒に行って自立支援を図ることが重要です。

心身の状態から一緒に家事が行えず、全般的に介助しなければならない利用者の場合でも、十分な情報収集とアセスメントは必要です。

生活援助
◉自立支援、重度化防止のため見守り的9つの援助

見守り的9つの援助

❶利用者と一緒に手助けや声掛け及び見守りをしながら行う掃除、整理整頓(安全確認の声掛け、疲労の確認を含む)

❷ゴミの分別がわからない利用者と一緒に分別し、ゴミ出しのルールを理解してもらう又は思い出してもらうような援助

❸認知症の高齢者の方と一緒に冷蔵庫の中の整理等を行うことにより、生活歴の喚起を促す

❹洗濯物を一緒に干したり畳んだりすることにより自立心を促すとともに、転倒予防の等のための見守り・声掛けを行う

❺利用者と一緒に手助けや声掛け及び見守りをしながら行う衣類の整理・被服の補修

❻ 利用者と一緒に手助けや声掛け及び見守りをしながら行う調理、配膳、後片付け(安全確認の声掛け、疲労の確認を含む)

❼車いす等での移動介助を行って店に行き、本人が自ら品物を選べるような援助

❽利用者と一緒に手助けや声掛け及び見守りをしながら行うベッドでのシーツ交換、布団カバーの交換等

❾上記❶~❽のほか、安全を確保しつつ常時介助できる状態で行うもの等であって、利用者と訪問介護員等が共に日常生活に関する動作を行うことが、ADL、IADL、QOL向上の観点から、利用者の自立支援・重度化防止に資するものとしてケアプランに位置づけられたもの

資料として:厚生労働省老健局振興課長通知『「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」の一部改正について』平成30年3月30日老振発0330第2号から。

2.まとめ

利用者が出来るようになるといっても「全てができて自立する」という意味ではありません。持っている力を使って一部分でも行えるようになるということです。

そのために一緒に行う訳で、口頭で助言などをすることはあっても監視しながらやってもらうということではありません。利用者の現在の能力や気持ちを考え、それを受容しながら意欲を引き出すように支援していくことが必要です。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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