発達と老化の理解

【高齢者に多い変形性膝関節症】原因と2つの治療方法について vol.218

2021-01-17

こんにちは💛 介護ラボ・カナログのkanaです。今日は「高齢者に多い疾患・症状と生活上の留意点」について、今日から疾患ごとに数回~数十回にわけてまとめていきます。

高齢者に多い変形性膝関節症とは??

Contents

1.変形性膝関節症
 1⃣概要
 2⃣変形性膝関節症の原因
 3⃣変形性膝関節症の症状
 ❶痛みの特徴
 ❷関節可動域制限
 4⃣変形性膝関節症の治療方法
 ❶保存的治療
 ❷手術療法
2.変形性膝関節症のまとめ

1.変形性膝関節症

これから骨格系・筋系の中でも高齢者に多い疾患として『骨粗鬆症』『骨折』『変形性膝関節症』『関節リウマチ』『変形性脊椎症』『脊柱管狭窄症』『腰椎圧迫骨折』についてまとめていきます。今日は高齢者に多い「変形性膝関節症」について…

1⃣概要

膝関節に発症する「変形性膝関節症」が最も多く、『介護予防の推進に向けた運動器疾患対策に関する検討会の報告』によると、変形性膝関節症で自覚症状がある人は約1000万人と推定されています。更に50歳以上の男女比で見ると、女性の方が男性よりも1.5倍から2倍多いと言われています。

進行すると膝関節の痛みや変形が強くなり、日常生活に支障をきたします。

2⃣変形性膝関節症の原因

膝関節に負担をかけてきた人に多く発症します。スポーツ選手、重労働者、肥満、膝周囲の筋力低下、内反変形(下記の図:O脚)、骨折や捻挫の経験があるなどの場合に、変形性膝関節症を発症することが多いです。

関節の動きを滑らかにしている関節軟骨が加齢によってすり減り、膝関節の内側の隙間が狭くなり変形し、関節の辺縁に骨棘(こつきょく)ができます。そして、関節内の滑膜組織が炎症を起こし滑膜が増生し、関節内に関節液が溜まるというという経過をたどります。

骨棘とは?

骨の増殖により骨が棘上(とげじょう)にとがった状態のこと。

3⃣変形性膝関節症の症状

初期には

  • 膝関節に引っかかりや鈍い痛み
  • 膝の重みを感じて正座が出来ない
  • 階段が降りにくい
  • 立ち上がった時に膝がこわばる

等の症状があり、進行すると「関節可動域制限」が出現します。

中期には

  • 痛みにより日常生活に不便を感じることが増える
  • 関節の内側を抑えると痛みがあり、滑膜や関節包が炎症を起こすため膝に腫れや熱感が出る
  • 炎症の影響で関節包に関節液が溜まり、O脚に変形する

末期には

  • 膝が節のように変形して腫脹し、痛みも強くなる
  • 日常生活の制限も広く、膝関節の可動範囲が狭くなる
❶痛みの特徴

痛みの特徴として、安静時痛はなく、立ち上がって体重が掛かった時や歩き始め、長時間の歩行によって、膝関節の痛みがあります。階段昇降では、上りよりも下りの方が痛みが強くなり、重症になると膝関節痛が強く立位歩行が障害されます。

痛みにより歩行を嫌がる場合は、痛みの特徴から体重をかけ始めた時の痛みは強くなるが、痛みが和らぐことを説明し、出来るだけ苦痛を感じないように歩行の支援をすることが必要になります。

❷関節可動域制限

関節可動域の制限は徐々に進行していきます。膝関節の関節可動域は通常、膝関節を伸展するとまっすぐに伸ばすことができ、膝関節を屈曲させて膝を曲げると約130度屈曲すると言われています。しかし症状が進行すると、膝関節の屈曲伸展制限が出るため、膝関節をまっすぐ伸ばす事や、90度以上の屈曲が出来なくなってきます。

膝関節の可動域に制限が出てきたら、和式の生活から洋式の生活に環境を整える必要があります。例えば、

  • 和式便器を洋式便器へ変更
  • 布団からベッドを導入する
  • 座布団に座っていたのを椅子へ変更

などです。

4⃣変形性膝関節症の治療方法

❶保存的治療
日常生活時

日常生活において膝関節への負担を減らすため、長時間の歩行や階段昇降、正座など、関節に負担が掛かる動作をなるべく避け、歩行には杖を使用し負担の少ない履物を使用します。膝関節を冷やさないように、寒い時は膝を温めるとよいです。

食事療法

食事療法は、肥満の人は体重を減らすための食事による減量を目指します

運動・温熱療法

運動療法では、体重を掛けずに臥位や座位で行う運動や、スクワット、水中での歩行などにより、「大腿四頭筋」などの筋肉や「股関節周囲筋」の筋力を鍛えます。
温熱療法では、ホットパックが有効。コルセットを使用する。

薬物療法

薬物療法では、膝関節内に関節液が溜まっている時は、医師により関節液を注射器で抜き、膝関節内に痛み止めなどの薬剤を注射します。

❷手術療法

上記の保存的治療を行っても、膝関節痛が増強して日常生活に大きな支障をきたす場合は、手術療法「人工関節置換術」が適応になります。

2.変形性膝関節症のまとめ

最後に「変形性膝関節症」のまとめを・・・

  • 中高年以降の女性に多い疾患
  • 膝の痛み、足の変形、関節の腫れなどを引き起こす
  • 重心が内側に掛かることでO脚が進行し、ますます内側軟骨の擦り減りが進行し変形する
  • 温熱療法(ホットパック)やコルセットが有効
  • 体重を増やさない、禁煙、腰痛対応を行う
  • 階段の上り下りや正座等は避ける
  • 杖を使い膝への負担を避けることが必要
  • 歩行は控えない(筋力が衰えるため)
  • 重度になると「人工関節置換術」の適用

となります。内反変性(O脚)や運動制限を伴いますが、負担を掛けずに筋力低下を防ぐためにも歩行を控えないことが大切となります。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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