発達と老化の理解

【高齢者に多い骨折】頸椎圧迫骨折・大腿骨頸部骨折・橈骨遠位端骨折・上腕骨近位部骨折とは? vol.217

2021-01-16

こんにちは(^▽^)/ 介護ラボ・カナログのkanaです。今日は「高齢者に多い疾患・症状と生活上の留意点」について、今日から疾患ごとに数回から数十回にわけてまとめていきます。

高齢者に多い骨折とは??

Contents

1.高齢者に多い4つの骨折
 1⃣概要
 2⃣骨折の原因
 3⃣骨折の症状
 4⃣骨折の治療方法

1.高齢者に多い4つの骨折

これから骨格系・筋系の中でも高齢者に多い疾患として『骨粗鬆症』『骨折』『変形性膝関節症』『関節リウマチ』『変形性脊椎症』『脊柱管狭窄症』『腰椎圧迫骨折』についてまとめていきます。今日は「骨折」の中でも高齢者に多い、「頸椎圧迫骨折」「大腿骨頸部骨折」「橈骨遠位端骨折」「上腕骨近位部骨折」の4つの疾患の概要・原因・症状・治療について…

1⃣概要

  • 脊椎圧迫骨折:骨粗鬆症による脆弱性骨折のうち最多で、腰痛症の原因になります。「介護予防の推進に向けた運動器疾患対策について」の報告書によると、50歳以上の女性が一生のうち脊椎圧迫骨折を起こす確率は約40%,有病率は60歳代で8~13%、70歳代では30~40%と推計されています。
  • 大腿骨頸部骨折:足の付け根の大腿骨の骨折で、「介護予防の推進に向けた運動器疾患対策について」の報告書によると、2020年には年間約20万人が発症し、特に80歳以上の高齢者に急増することが推察されています。
  • 橈骨遠位端骨折:手関節近くの橈骨の骨折で、脊椎圧迫骨折、大腿骨頸部骨折に次いで発生率が高く、男女比では女性が多く加齢とともに発症率は増加します。
  • 上腕骨近位部骨折肩に近い上腕骨の骨折で、女性に多く、発生数は増加傾向であると推察されています。

2⃣骨折の原因

骨粗鬆症のような加齢変化に伴う内的因子以外にも、「抗うつ薬」「抗不安薬」「降圧薬」「睡眠薬」などの内服薬の副作用による危険や、「段差」「滑りやすい床面」「暗い照明」「カーペット」「電気のコード」「スリッパなどの履物」「慣れていない場所での障害物」など、外的環境によっても転倒のリスクが高くなり、骨折を誘発する原因となります。

脊椎圧迫骨折の原因

脊椎圧迫骨折
重い物を持ったり、腰をひねる動作時に力が加わったり、転倒により尻もちをついた場合に発症しやすい骨折。例えば、掃除機をかけている時に片足で重い物を蹴って動かそうとしたり、重い脚立を移動させようとするなど、日常生活の動作時に起こることが多い。※強いくしゃみで発症することもあります。

大腿骨頸部骨折の原因

大腿骨頸部骨折
転倒により発症することが多い骨折。立位から転倒した場合や転倒時臀部を打撲した場合に起こりやすい。なかには、おむつ交換に股関節に負荷がかかった際に起こる場合もあります。

橈骨遠位端骨折の原因

橈骨遠位端骨折
手をついて転倒することで起こることが多い。

上腕骨近位部骨折の原因

上腕骨近位部骨折
肩をぶつけたり、転倒して手をついたり、肘をぶつけることで起こることが多い。

3⃣骨折の症状

脊椎圧迫骨折の症状

脊椎圧迫骨折
急性期には強い腰背部痛があります。特に動作時に痛みが増しますが安静にしていると強い痛みは感じません。慢性期には腰の重だるい感じがあり長時間起き上がっていると腰の痛みが強くなります。

大腿骨頸部骨折の症状

大腿骨頸部骨折
股関節部の痛みが強く、転倒時に立位が取れなくなります。骨折時は骨折している方の足の長さが縮み、足部は外側を向いて大腿部は腫れて太くなります。更に足底から頭の方に向かって足底部をたたいたり、内・外方向にひねると痛みが強くなります。

橈骨遠位端骨折の症状

橈骨遠位端骨折
手関節部の強い痛み、関節可動域の制限が起こります。骨折部の骨がずれてしまった場合に、手背がフォークのように反り返って変形することや、正中神経を圧迫ししびれが出現することもあります。

上腕骨近位部骨折の症状

上腕骨近位部骨折
肩に近い上腕部に強い痛みがあり、上腕を拳上する運動やひねる運動が出来なくなります。

4⃣骨折の治療方法

4つの骨折・治療方法

脊椎圧迫骨折
治療の基本は安静で、移動時にはコルセットを装着します。安静が守れないと、脊椎骨の変形・後彎(こうわん)を起こし、円背(背中が丸くなる)や、亀背(突起上に曲がる)を発症し、慢性腰痛や呼吸機能障害、逆流性食道炎、便秘などをきたします。
急性期には特に安静が守れるようにします。しかし臥床時間が長くなることから、寝たきりにならないように支援することも必要になります。1回脊椎圧迫骨折を発症すると、繰り返し骨折しやすいため、日常生活で重い物を持ったり、腰をひねった状態で力が加わらないようにし、再発防止を目的に背筋や腹筋を鍛えます。また、骨を強くするための薬物療法として、内服薬の服用や自己注射を行います。

大腿骨頸部骨折
手術が可能な場合は手術を行い、早期離床を促します。手術後合併症として心不全や肺炎などを併発しやすいリスクもあります。ヒッププロテクターを使用することで、大腿骨頸部骨折を予防する効果があります。
※ヒッププロテクターはバッドが付いた防護パンツのことで装着することで転倒時の衝撃を吸収し分散することが出来ます。

橈骨遠位端骨折
治療には、ギプス固定や手術が適応になります。ギプス固定時は、ギプスによる神経麻痺や循環障害などの合併症を防ぐため、手指の運動状態やしびれの有無、手指冷感の有無、爪甲色チアノーゼの有無、手指の腫れが増強した場合等を観察して異常を早期に発見し、医療職と連携します。

上腕骨近位部骨
治療には、三角巾や骨折後の保存的治療として用いられるバストバンド(胸部固定帯)で固定することが多い。バストバンドは骨折部を固定する為、骨折部以外は伸縮性のある素材で作られています。緩めに装着しても効果は期待できないが、強く締めすぎても呼吸が苦しくなるなどの支障をきたします。固定状態を観察して異常があれば医療職と連携することが大切です。

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kana

はじめまして(^-^)/ 介護ラボのカナです。
ブロガー歴3年超(818記事執筆)
介護のあれこれを2020年6月~2022年9/8まで毎日投稿(現在リライト作業中)

社会人経験10➡介護の専門学校➡2021年3月卒業➡2021年4月~回復期のリハビリテーション病院で介護福祉士➡2023年1月~リモートワークに。

好きな言葉は『日日是好日』
「福祉住環境コーディネーター2級」・「介護福祉士」取得
◉福祉住環境コーディネーター1級勉強中!
介護のことを少しでも分かり易く書いていきたいと思っています。
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