こんにちは(^▽^)/ 介護ラボのkanaです。今日は「生活支援技術」の中から『高齢者の自立した家事』について、昨日と今日の2回に分けて書いていきます。
自立に向けた家事介護をするために介護福祉職がすべきこと
Contents
1.自立した家事
1⃣ごみ捨ての一連の7つの流れ
2.自立に向けた家事介護をするために介護福祉職がすべきこと
1⃣利用者の全体像を捉える
2⃣訪問介護サービスの不適切事例
3⃣ニーズとデマンドとは?
1.自立した家事
家事と一言でいっても、「調理」「洗濯」「掃除」「買い物」「裁縫」など多くのものが含まれます。今回は、「ゴミ出し」を例に一連の流れを次項からまとめてきます。
1⃣ごみ捨ての一連の7つの流れ
ゴミ捨ての場面を具体的にみていくと、以下の通りになります。
❶【ゴミ箱に捨てる】
・ゴミが出たらごみ箱に捨てます。地域によってゴミ出しのルールは異なるので、初めからゴミ箱を使い分けている人もいるでしょう。
❷【ゴミ収集日を確認する】
・ゴミ出しの日を確認します。曜日によって出すゴミが異なるので、地域のルールに合わせる必要があります。
❸【ゴミを分別する】
・ゴミを出す前に、「空き缶や瓶」「燃えるゴミ」「燃えないゴミ」などを分別します。しっかり分別されていないとゴミが回収されないこともあります。またスプレー缶など、捨て方注意が必要な物もあるので市町村のルールを確認することが必要です。
❹【ゴミを閉じる】
・ゴミの分別が終わったら、袋を閉じます。袋がしっかり閉じられていないと、周囲を汚す可能性もあるのでしっかり行います。
❺【ゴミ捨て場に持っていく】
・ゴミを指定のゴミ捨て場に持っていきます(地域の出す時間に合わせます)。
❻【ゴミを置く】
・ゴミの種類によって、ゴミの置き場所が決められている場合もあります。ルールを確認することが必要です。
❼【自宅に戻る】
・ゴミを置いたらネットにかける、収集箱のふたを閉めるなど、地域のルールに従ってゴミが散らばらないように配慮し自宅に戻ります。
介護福祉職は、利用者の動きを見て介助が必要な部分を支援します。そのため、介護福祉職もその地域のルールを理解しておく必要があります。ゴミ捨て以外に関しても、利用者の好みを把握し、利用者が気持ちよく過ごせるよう支援することが求められます。
2.自立に向けた家事介護をするために介護福祉職がすべきこと
1⃣利用者の全体像を捉える
利用者の中には、麻痺や認知症による記憶障害、実行機能障害のために、家事が上手く出来なくなっている人もいます。
- 実行機能障害とは?
-
認知症の中核症状の1つ。物事の計画を立てて、その手順に沿って実行することが出来なくなること。
家庭に何らかの役割があることで、家事対する意欲が沸くこともあります。また、家事をする道具の工夫や訪問介護員の支援があることで、家事ができる可能性は高まります。
家事も、移動や排泄と同じように、利用者が何が出来て何が出来ないのかを確認し、その利用者の出来ない部分を支援することが基本です。
ただ、家事活動をする際、
- 病気による制限
- 飲んでいる薬でふらつきが出る可能性
- 視力の低下で手元が良く見えず包丁を使うことが危険
ということもあります。
立位保持が困難になっている、トイレに行くまでに時間が掛かるるといった理由から、活動途中に声を掛ける必要があるなど利用者の状態は様々です。
友人と会うことを楽しみにしていて、そのため身だしなみを整えなければと考えているかもしれません。家事の支援でも利用者の全体像を捉えておくことが大切です。
2⃣訪問介護サービスの不適切事例
1.「直接本人の援助」に該当しない行為
【主として家族の利便に供する行為又は家族が行うことが適当であると判断される行為】
・利用者以外のものにかかる洗濯、調理、買い物、布団干し
・主として利用者が使用する居室等以外の掃除
・来客の応接(お茶、食事の手配等)
・自家用車の洗車・清掃 など
2.「日常生活の援助」に該当しない行為
【①訪問介護員が行わなくても日常生活を営むのに支障が生じないと判断される行為】
・草むしり
・花木の水やり
・ペットの散歩・世話 など
【②日常的に行われる家事の範囲を超える行為】
・家具・電気器具等の移動、修繕、模様替え
・大掃除、窓のガラス磨き、床のワックスがけ
・室内外家屋の修理、ペンキ塗り
・正月、節句等のために特別な手間をかけて行う調理
・植木の剪定等の園芸 など
資料:「指定訪問介護自傷所の事業運営の取扱い等について」(平成12年11月16日老振第76号)の別紙「一般的に介護保険の生活援助の範囲に含まれないと考えられる事例」より。
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【訪問介護とは?】サービス内容や利用者の要件について vol.106
3⃣ニーズとデマンドとは?
「ニーズ」は解決すべき課題、「デマンド」は要求、などどいわれています。。
利用者本人の口から発せられた言葉でも「ニーズ」と違う場合もあります。
- 「部屋なんかどんなに散らかっていてもいいんだ。物が取りやすいからいいんだ」
と利用者が言ったとしても、それが生活ニーズということにはなりません。「〇〇デパートの肉でないと食べたくない」と言われても、現実的に買いに行くことが不可能な場合もありますし、それがニーズと言えるのか考えなければなりません。
介護保険法の中では、「日常生活の援助」に該当しない行為として、
- 花木への水やり
- 窓のガラス磨き
などが前項の表にもあがっていますが、これらが利用者によって重要な場合もあります。
花や木などの植物を育てることが生きがいになっていて、それらの世話をすることを楽しみにしている利用者もいるでしょう。自力では動けなくなっている利用者の中には、窓から見える景色が楽しみで、窓を拭いて欲しいと思う人もいるのではないでしょうか。
画一的な生活援助の範囲を決められるものでもなく、生活ニーズは適切にアセスメントしなければ導き出せません。
介護保険の中で出来ない事でも、地域のボランティアを活用すればできることもあります。
そのためには介護支援専門員であるケアマネジャーなど、他職種との連携が重要になってきます。
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